ブラック&ホワイト

5.0
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無鉄砲だが正義感あふれる刑事・英雄(インション)と、女好きでセレブ生活を送る刑事・在天(ザイティエン)。性格も正反対、相性も最悪。そんな彼らがなんとコンビを組むことに…!?反発し合いながらも、次々に起こる事件の真相を追ううちに堅い絆で結ばれていく2人。だが、在天の謎めいた過去が少しずつ明らかになっていく。一体、彼の正体とは―?そして2人の行く手を阻む真の黒幕は誰なのか―?

原題:痞子英雄 2009年

感想

今まで見た、台湾資本の台湾ドラマの中で最高傑作だと思う。

台湾の警察ものはパンダマンで期待値がほぼ0だったのもあると思うが。大まかな設定とストーリーはどんでん返しにつぐどんでん返し。うさんくさいから敵と思ったら味方だったり、無能なやつと思ったらそうでもなかったり。

人物造形も良いのだが、大きいところで一つ問題があって英雄は刑事としてはアホ。見立てがひどく悪い。在天はそのまま刑事でいいの?小さなミスは大量にある。

この人これまでどこにも出てこなかった人じゃない?というような人が重要なことをしてみたり。その後映画化などで回収する予定だった伏線が回収できなかったり。

ああ、終わらせてくれよ。お願いだから、在天に・・・と思ったりするわけだが、やっぱり傑作。

ブラック&ホワイト 【ノーカット完全版】 DVD-SET 1

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ヴィック・チョウ, マーク・チャオ, アイビー・チェン, チャン・チュンニン
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在天役のヴィック・チョウはたまに、特殊メイクでジェイ・チョウを縦にひっぱったようだったりするが、英雄を罠にはめるシーンで影から出て来るときに極悪な顔をしたときが凄絶に美しかった。そんなところでフェロモンを全開しなくても良い。悪人面に心を鷲掴みにされる私も私だ。複雑な在天をよく演じられたと思う。しかも肩の力が上手く抜けていた。今後が本当に楽しみ。というよりも、これまで見てなかったのが残念だ。F4ではこの人の作品を見たのが一番最後だった。人生、損をしたような気分で、ヴィック祭りに突入した。

英雄を演じたマーク・チャオは暑苦しい役を濃いめの中華顔ではなくむしろ韓国風の顔が演じるのが良かったのだろうか。ただ、一本調子の演技。「モンガに散る」も結局同じだもの。新人だから仕方がない。

陳琳役のアイビー・チェンはアクションができ、変顔までしてくれる。これは、香港で体を張ったコメディに出てくれなきゃ。ただ、額と左のほほのあばたに、肌のあらさが気になった。ぎゃんぎゃんやるのだが、気が強いもんねえ、中華女子は。ちょっとヒステリックな役を割に上手く演じていた。

西英のチャン・チュンニンは「殺人犯」に出ていた薄幸オーラ全開の人。あれも救われなかったが、今回も報われない。この人の背後関係でもう一本話が作れる。相手がシスコン男、というのはいいかもしれない。

女殺し屋(双子の姉)役の徐愛心。柔道の金メダリストの「アサシン」松本薫選手に似ていた。松本選手がモード系メイクをすると、ジブリの気の強い女(もののけ姫のエボシ、ナウシカのジル皇女)に似ると思ったが、女殺し屋もいける。小馬は勝てそうにない。

ボスを演じたジミー・ハンはアクション監督も務めた。この人が撮影した映画「楽之路」でも思ったが、この人は俳優としては絶望的にオーラがない。オーラのない加瀬亮は同化できるカメレオンなのだが、ジミー・ハンにはそういう特殊能力もない。全編通してアクションのできは良かったと思うし、本人の能力、センスも抜群。映画も映画としては良かったもの。けれど、俳優として表に出るべきではない。

小玫(リーン・ユウ)と在天でもまた一本いける。ちらっと見た「パフェちっく」(見なくて良いと思った)では主演しているが、本作では少し顔がふっくらしていて身長も低く見える。ふっくらとした顔が可愛らしかった。最後のひっくり返しがこの人なのだけどうまく決まっていた。ちらりとしか出なくても妖艶なまなざしだった。って、ご結婚おめでとうございます、在天と女神さま。ヴィックが幸せ太りするのも仕方がないね。

小馬役の修杰楷は強そうに見えないのが良かった。

アイドルドラマにしては珍しくラブシーン(台湾にしては結構濃いと思うが日本的にはどうってことはない)もあった。女優はソニア・スイ。綺麗な人なのだが、唇の口角が不自然なまでに上がっていて、こわーい。

ロケ地

舞台となった架空都市「海港市」のロケ地は高雄だ。からーんと突き抜けるように明るい空!冬でも暖かい。

高雄は台北よりも「日本」の痕跡が消されている都市でもある。

ステンドグラスっぽい天井の場所は地下鉄の「美麗島駅」。この駅は本編中に名前も出ていた。西英が襲われる駅もここではないかと。

衣装

黒と白と言えば、劇中の二人の衣装がそうだ。

ブラック&ホワイト 【ノーカット完全版】 DVD-SET 2

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「痞子英雄」がもとのタイトルで元からの英題が「ブラック&ホワイト」だから、「ごろつき」と言う意味らしい痞子(ピィツ。たまに軟派な陳在天がそう呼ばれる)が黒で、呉英雄がホワイトかと思ったら反対だった。在天役のヴィックは白を主に着て、マークの演じた英雄は黒を着ていた。白は膨張色なので細身のヴィックに映えるし、締める色の黒は筋肉のありそうなマークに合っていた。

それでも、二人とも色をきっちりと決めていたわけではない。状況によって入れ替わる。

在天は混迷(探し続けた何小玫の死んだり、「父親がいる」と言われて)以降、しばらくヴィックは色を着る。会長奪還の頃には黒。インターポールからの女刑事のときにはオレンジ。そして英雄を罠にかけるときには黒だ。(これが美しいの!)署長との対決の頃には白(柄だけど)に戻るのだが、色が変わるのが在天の混迷や複雑さを上手く表現していて良かった。白は無実の色、無垢の色だ。当初の白は抱えた秘密を覆い隠すための白だった。途中の黒はダークサイド、そして茶色は混乱して素を隠せなくなった色だ。そして柄白に戻る。最後のリンと英雄と三人でいるシーンでは無地の白に戻る。今度は問題を乗り越えたから白になるのだ。途中のオレンジはお茶目として無視して、結構上手い演出だったと思う。

「光の最も明るいところから闇は生まる」By検事
「闇の中でこそ、光の明るさがわかる」By親分

これが本作のテーマだったのだろう。警察官の在天は法を犯して親分奪還作戦に加わったりするし、正義の人だった英雄も親分奪還作戦に加わり、そして殺人の疑いがかけられる。正義も悪も相対的なのだ。

それにしても、軟派で女好きの在天なので、ヴィックの衣装はかなり派手目だった。さらっと着こなしたヴィック、素敵。ただ、へ?と思ったのは、かなり始めの方で着ていた下が透けるように小さな穴で模様が描かれたシャツ、というかブラウスだった。アクション(地下鉄のシーンかなあ)があったせいか、少し破れているのだが、その次の回にまた同じシャツを着ていた(やっぱり腕が破れていたと思うのだが)。そして、茶色い服を着るとき、この同じ模様の穴あきの茶色いシャツだったと思う。在天ってこういうのが好きなキャラクターなのか。それとも服飾担当はこの人に薔薇でも背負わせたいのか?確かに薔薇でもくわえさせると似合うけど。

抜けているところ

ギャオの無料放送で見たときには、いくつか抜けていると思ったので、レンタルしてノーカット版を見た。たしかにいくつか抜けがある。

一番大きいのはラストのゆるいコメディ部分がごっそり抜けたことだ。あれはいるよ。是非最終巻をレンタルして見てみると良いと思う。笑えるから。

シーインさん

最終話で思い出したのだが、最終話の前の話でシーインさんは(兄の?アジトにいたときに誰かに銃口を突きつけられ、在天と喋っていた携帯を取り上げられる。けれど、その相手は誰だったんだろう。次に出てくるのは南署で在天を救うシーンだし。「夜行者」ファイルがなくなり、最後の責任者、シーインさんの兄貴が、という字幕が出るが、やはり、兄貴だろうか?シーインさんに関しては父の話やまだいろいろ残っている。

シーインさんで思い出したのだが、双子の弟(シスコン)だ。弟は調査部を名乗ってシーインさんに接近した際に、シーインさんに「あなたの置かれた状況は」とか父親の話をしていたと記憶するが。シーインさんを調べたなら、兄貴のこともわかりそうなものなのに。「あなたたちを訓練したのは私の大切な人なの。いろいろなことを教わったわ。最も教わったのは銃の使い方だった」という台詞はなんだか微妙。

ヴィックが出演しないと言うならば、残念だが在天はあっさりと殉職させて、ヘブンの話、シーインさんの話で映画を作って欲しい。

脱がない俳優たち

そういえば、中華映像とくれば名物なのが俳優の裸だ。中華圏のシャワー要員は女優ではない。無駄に男子がシャワーを浴びるシーンが出てくる。それが普通とわかるまで、やたら脱いでいるダニエル・ウーはストリーキング?と思ったくらいだ。

ただ、ヴィックもマークも本作ではあまり脱がない。もちろん、ヴィックはオープニングがカーラーと迎えた朝なので上半身が出ているし、マークもラブシーンがあるが、しょっちゅう脱がされていたウーズンの「花様少年少女」と比べればあんなの序の口。でも、ヴィックは「君のために蝶になる」では背中が汚かったから、ダニエルのようには脱がないだろうなあ。

アクションの比率が高くなった映画版の「ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black & White Episode1」でマークを脱がせまくるかと思ったけれど、そういえば脱がなかったと思う。マーク・チャオって脱げる俳優だと思うんだけど。

日本

これまで私が見た台湾の映像作品には「日本」の影を如実に見ることができるのがこれまでだった。

それは「日本に原作がある」という形であったり、「日本から来た子」や「日本人」であったり。「日本へ行こう」だったり「日本へのあこがれ」であったり。それが、本作では「日本」の影はほとんどない。

蔭山征彦という日本人俳優もキャストにいるのだが、彼はアダという刑事で「日本」はない。

映画版の「ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black & White Episode1」にも情報局の李捜査官として比較的大きな役で藤岡竜雄が出演しているけれど、日本人役ではない。

確かに英雄の乗っている車は三菱で、その他使っている機械などにいくつか日本ブランドがあった。シャオマーがヨットで「まずは日本へ行こうと思う」と言ったり、四人の前で爆破実験をするときにシャオマーが持ってきた薬品が「アセトン」とカタカナで書かれた瓶だったりするし、ハオカーが在天に「僕の英語はひどくて、わかるのはきっと日本人だけ」という台詞もあったが。それ以上に「日本」が出てくることはなかったように記憶している。

90年代後半から00年代前半の香港映画によく出た日本人ヤクザもいないし、悪役として出てくるのは「北朝鮮人」「朝鮮系ロシア人」だった。台湾から見る日本はどうなのだろう? かすれつつあるのだろうか。

フランスと朝鮮半島

高義は北朝鮮人という設定だった。そして、「トロイの心」を持ってくるのも「朝鮮系ロシア人」だった。シャオマーがサルコジに捕まるのも北朝鮮国境での作戦中だった。昨今の東アジアで映像作品を売る場合に「敵」を仮定するならばどこが良いのだろう。「北朝鮮」だ。「北朝鮮」ならば、「市場」の成立している日本・中国・韓国・東南アジア、どこへ持っていっても当たり障りがない。そういうことなのだろうか。

「サルコジ」という「中東のテロリスト集団」には笑ってしまった。制作当時のフランスの大統領はニコラ・サルコジだったもの。

このシリーズは発表順に、

  1. ブラック&ホワイト
  2. 湾岸危機
  3. 都市壊滅

このシリーズだけど、今見るならレンタルがベストだと思う。中古でもDVDはプレミア価格になってるし。レンタルでノーカット版が見られる。

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コメント

  1. […] ストーリーは特に語るところはない。「ブラック&ホワイト」から三年前にさかのぼるので、救われるという結末がわかっているのは面白くない。 […]

  2. […] ブラック&ホワイト […]

  3. […] 本作ではいろんな人(鳥居先生、御村の祖父)の夢の中に「ブラック太郎」が出てくるのだが、その人を馬鹿にしたような悪そうな顔が、「ブラック&ホワイト」の在天というよりは、「僕は君のために蝶になる」でリー・ビンビンを事故現場に連れていって、交通警官の幽霊と笑いあってリー・ビンビンにこわーい笑いを送る、というシーンがあるのだが、あのシーンのアトンに似ていた。 […]

  4. […] ここから出たスターは、まずF4。バービィ・スー。レイニー・ヤンもいたし、ラン・ジェンロンもいた。プロデュースしたアンジー・チャイはF4を元手に台湾ドラマのヒット作を連発し、映画もプロデュースした。監督もジェリーとヴィックをよく起用してヒットさせているようだ。愛してやまない「ブラック&ホワイト」もこの人の作品。さらに、「ブラック&ホワイト」の映画版(ヴィック出演せず)で映画監督としてデビュー。この作品がなかったら、台湾ドラマなんて見なかった、そんな人もいそうだ。 […]

  5. […] 道明寺とエルサが住んでいた家で監禁されてぼこられた中塚を見るヴィックの目がマジになっていた。F3みんなマジになっているのだが、類はいつもほんわかしているので一番差が激しく、怖かった。あんな目で見られたら蛇ににらまれた蛙になってしまう。確かに私が愛してやまない「ブラック&ホワイト」の陳在天になる人だ。黒シャツのときも在天ブラックモード!だし(しかも、エルサと婚約した道明寺に類は怒ってるから、ぎゅーっとにらんでスタートするし)。 […]

  6. […] 「ブラック&ホワイト」ではまって以来、「陳在天」以前のヴィックは初めてだ。ヴィックの背中は汚い。湿疹の跡があるが、「ブラック&ホワイト」で見せた胸の方は綺麗だったからおそらく毛孔性苔癬だ。二の腕や背中にぶつぶつがあるやつ。これは体質的な問題だ。ラブシーンなんだし、アイドルなんだし、ファンデーションを塗ってあげようよ。と思った。髪型もすっごください、というかのびすぎてだらしなく見える。半袖から覗く二の腕に筋肉がまるでなくて、バスケの選手に見えない。 […]

  7. […] 一度目に見たのは話題だったからだ。二度目は「ブラック&ホワイト」のマーク・チャオのチェックだ。一度目に思ったのはヤクザを美化するんじゃない、だった。「極道になるのは大凶を引くようなもんだ」という台詞はあったが、最後のイーサン・ルァンの血が桜になってみたり、ちょっとヤクザ美化ぎみ。 […]

  8. […] 「ブラック&ホワイト」でも親分を逃がすシーンでそういうシーンもあったなあと思う。警官としての職務を優先させるか、「妹」の頼みを聞いて「父」を助けるべきか、とか。本作は時代劇だし、私だってまさか描かれる世界をそのまま真に受けることはしない。それは、日本の幕末ものの時代劇を見て日本人の精神論を論じてしまうようなものだとも思う。だが、この受けれがたさ。「ブラック&ホワイト」では引っかかりもしたが長丁場のドラマなのでスルーできたのだが、映画でこれをやられるときつかった。得意な電波にしてしまえば、「現代、法を優先させるがそれは本当に?」というメッセージと無理矢理読んでしまっても、いや、あまりにも下らなさすぎる。 […]

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