ケイゾク
迷宮入りの事件、警察用語で“ケイゾク”を捜査する警視庁捜査一課二係に配属された警部候補の柴田は天才的な頭脳を持った女刑事。しかし、才能とは裏腹に女としてはあまりにもダサイ、野暮ったい女性だ。そんな彼女とコンビを組むのは、たたき上げの元公安部の真山刑事。一見、優秀な刑事だが、彼の心はある事件にからんだトラウマに苦しめられていた。そんなふたりが次々に難問を解決していく。
1999年
全てはここから始まった。
私はフジの月9では育ってなくて、TBSのドラマが青春時代だったんだよねえ。
頑張ってよね…日本のドラマも。
たまに、動画配信される模様。
ケイゾク/特別篇~死を契約する呪いの樹
事件捜査中、銃弾を受け昏睡状態だった純が、8ヶ月後ようやく目を覚ました。しかし、一時心臓が停止したため脳に障害を負い、警察官当時の記憶を失っていた。
真山は妹をレイプした犯人、朝倉をずっと追っていた。ドラマ本編では謎の能力を持つらしい朝倉に翻弄され、スペシャル版では朝倉は柴田に憑依する。
ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
15年前、厄神島に向かう途中で船が沈没。その船に乗っていた9名の乗客のうち、2人だけが死亡した。生き残った7人には当時殺人容疑がかけられたのだが、証拠不十分で迷宮入りとなった。死亡した2人は霧島という夫婦で、その娘・七海(小雪)は生き残ったメンバーを厄神島に招待する。招待客の1人に同行を求められた柴田純(中谷美紀)と真山徹(渡部篤郎)も島へと向かうが・・・。
このシリーズは、一旦映画版で幕を閉じる。
ただ、「朝倉」の設定がおかしすぎて、???となったところ、しばらくしてSPECが来るのであったね。
行ったんだぞ、映画館まで。
映画「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer」【TBSオンデマンド】
堤幸彦の、ケイゾクシリーズは好きだったんだけどな。
感想
柴田の物語?
私はケイゾクリアルタイム組である。当時は「柴田の物語」として見ていた。真山は狂言回しで、朝倉と柴田をつなぐ役割だと。で、朝倉は話がふくれすぎた産物だと。今見ると違う。面白がった柴田の推理はそもそも事件そのものが偶然に頼りすぎ、完成度は低い。柴田と真山の夫婦漫才でもっていたようなものだ。
真山の物語
だが、真山の物語ととらえると全てが変わる。
公安時代はタンツボに囮にされ、ほぼ同時期なのだろう、唯一の親族だった妹は中学生グループにレイプされて自殺する。そして7年間の唯一の生き甲斐は、真犯人とみた朝倉を、同じような事件を起こさないか監視することだった。妹が死んだときに、真山も死んだのだ。それが、妹と同い年の変な女のお守りをするうちに生き返るのだ。お茶目なところのある兄だったのだろう。妹は死んだが、変な女、柴田には生きていて欲しいのだ。「馬鹿な、女だねえ。お前には、生きていて欲しいんだよ」。生きていて欲しい、それは素直ではない真山の愛の告白でもあった。
映画版の終盤で斑目バージョンの朝倉と対決し、島は爆発するが、あれは「朝倉の呪縛」から真山が解き放たれるところなのだ。映画版にはBeautiful Dreamerという副題がつけられた。誰が夢を見ているのだろうか。特別編で朝倉にあやつられた柴田に刺された真山の病室で真山の膝に突っ伏して眠る柴田の独白で始まる。柴田が見ている夢なのだろうか。それとも、真山の見た夢なのだろうか。
あなたに会いたい
真山さん。もう一度あなたに会いたい。朝倉というつきものの落ちたあなたはさぞつまんないおっさんになったことだろう。続編は「SPEC」という別の物語になった。柴田の影はあってもあなたの影はない。あなたの影があったら、私は言葉を尽くして罵倒するだろう。それでも、私はあなたに会いたい。
(追記:なのに。なのに。なのに〜)