モンガに散る

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黒社会に翻弄される、若者達の友情と絆。そして待ち受ける哀しい運命―。
1986年。台北一の歓楽街・モンガに越してきた高校生の“モスキート”は、校内の争いをきっかけに、モンガ一帯の権力を握る、廟口(ヨウカウ)組の親分の一人息子“ドラゴン”とドラゴンの幼馴染で頭の切れる“モンク”に気に入られ、彼らが率いるグループの5人目として迎えられる。最初は極道の世界に戸惑いつつも、生まれて初めてできた友達とケンカに明け暮れながら、モンガの街で青春を謳歌していくモスキート。次第に彼らは固い絆で結ばれ、義兄弟の契りを交わし、仲間のために戦うことを誓う。そんな中、街の利権を狙う新たな勢力がモンガに乗り込みはじめる。激しい抗争と陰謀に巻き込まれた5人は、それぞれの思いを抱えながらも、この街を守ろうと戦っていた。しかし、その争いは、やがて彼らに哀しい運命をたどらせていく・・・。

原題:艋舺 Monga 2010年

感想

一度目に見たのは話題だったからだ。二度目は「ブラック&ホワイト」のマーク・チャオのチェックだ。
一度目に思ったのはヤクザを美化するんじゃない、だった。「極道になるのは大凶を引くようなもんだ」という台詞はあったが、最後のイーサン・ルァンの血が桜になってみたり、ちょっとヤクザ美化ぎみ。

花様少年少女」でも思ったのだが、ニウ・チェンザーの色の使い方は独特で、結構きつい、と言っても良いくらいだ。やっぱり黄色が好きなのだろうか。クラブでのダンンスシーンも女の子(おそらく、リーン・ユウ)の黄色いシャツ(ブラウス?)が目立っていた。花様も少しテンポが悪いと思ったが、本作も。ちょっと長すぎる。

イーサン・ルァン

「花様少年少女」の、というよりも、「ハートに命中100%」のイーサン・ルァンは、100%ではちっとも良さがわからなかったが、映画になると悪くないと思う。典型的な中華美男ではない、というのも大きいかもしれない。ドラゴンを抱いて鼻水を垂らしながら泣くシーンはすごかった。

男が泣くシーンの多い中華映像だが、鼻水を垂らすのはなかなかない。東西を問わず、私が見る限りではベン・アフレック以来の鼻水ではないかと思う。(と思ったら、檀健次。彼は鼻水を流しながら泣いてた。こっちの三国志も、こっちの三国志も美男が鼻水を垂らしながら号泣するのだ)

マーク・チャオ

「ブラック&ホワイト」では熱血刑事だったマーク・チャオは、今回は男子高校生だ。しかも、ヤクザ。元々はジェイ・チョウで当て書きされていた役なのだが。ジェイだったらどう演じただろうかと思う。

ジェイの復古趣味というか、懐古趣味に似合う映画だが。おそらく、イーサン・ルァンに圧倒されただろう。それでも、「頭文字D」の「自信のない男の子」を演じきったジェイの方がたくましいマーク・チャオよりも「モスキート」という男には似合っただろうと思う。今回のモスキートは不器用な男だ。だが、不器用と見せて女あしらいがやたら上手いが。

純朴そうなところなどは、アクションや怒鳴ったりしていなかった「ブラック&ホワイト」と同じだ。ゲタ親分が死んでからは「呉英雄」そのままだ。ちょっと退屈してしまう。もう少し弱々しく演じられればなお良かったのに。けれど、イーサン・ルァンの迫力に負けなかったのは見事。今後が楽しみだ。

リディアン・ヴォーン&リーン・ユウ

リディアン・ヴォーンは、せっかくの美少年がマレットという髪の後ろだけを伸ばしただっさい髪型のせいでいけてない。小者なのでいいか。
この人の彼女役で、ドッグにレイプされる女の子はリーン・ユウ。子供っぽい喋り方が自然だった。香港の友達のいう「台湾女の子のの舌足らずな喋り方」とはまた違う感じ。「ブラック&ホワイト」でもそうだったし、途中で離脱した「パフェちっく」もそうだったなあと。もともとそういう喋り方の人なのだろうか。

ニウ・チェンザー

大陸者のウルフを演じるのは監督のニウ・チェンザー本人だ。美味しいところを持っていくのだが、正直なところ、演技があまり上手ではない。タランティーノのようなものか。

「大陸者」と言われているが、モスキートの母親が16歳の頃にであった男だから、1986年に17歳のモスキートなので、モスキートは1969年生まれ。その頃なので60年代には台湾にいた男だ。おそらく「外省人」のヤクザなのではないだろうか。実際にはなんと呼ばれているか聞き取れないのだが。

あざのある娼婦のアリス・コーは何となくグイ・ルンメイ風だ。あのタイプが台湾ではもてるのだろうか。そう言えば、グイ・ルンメイとチャン・チュンニンの間にこの人を入れるとよく似た三人になってしまう。

腐った電波腐りまくっているので、注意して下さい。

モンクは出来損ないのドラゴンをかばい続ける。ドラゴンを抱いて鼻水まで垂らす。「お前のためにやったことだ」と言う。モンクは乱闘になっても本来敵のはずのドラゴンをかばうし。「坊主は肉も女も断つ」と言われるシーンもあった。
そうか。ゲイか。ドラゴンが好きなのか。ドラゴンに刺されて良かったね。

ただ、あのシーン以降は余分で、モンクが背中を切られて、振り向いてもう一度刺されて絶命し、リディアン・ヴォーンの声は入るが誰が刺したかわからないようにして、最後の最後の塀を登るシーンにつなげてエンドロールにすべきだったと思う。極道二人が死んだところで、モンガは変わらない、と言いたいのだろうが。そして、あの初頭にある塀のシーンはそのときに全部やっていれば、ますます空虚さが増したと思う。

台北

台北は原チャが多いので突発的に空気が汚い。それが連続すれば汚い空気の場所だ。そこで、喘息持ちの私は表通りを避けて、表通りの一本裏を歩くことがある。香港のような細い道ではないし、真っ昼間だけなのだが。そうすると、ドラゴンたちがドッグを殺した倉庫のようなところも結構ある。もちろんそこで殺しが行われているわけではない。表に開けた店の裏側、は搬入口になっていて、みなさん忙しく働いておられるだけだ。

モスキートの家は床屋だが、そこで客が座ったまま髪を洗っている。台北であれをしたかったのだが、ホテルが案内してくれたのはおっしゃれな美容院で、日本式の洗髪だった。残念。

「モンガ」という場所は今もある。今では「萬華」と書く。西門町の近辺だ。実は、この映画のせいで西門町にはあまり近寄れないのだ。モンコックでビビるのと同じだ。

って行ったけれど。西門・龍山寺と剥皮寮を歩いたらおしゃれ落書き風のものがあった

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