ほぼ全ページにアフィリエイトリンクが存在します。アフィリエイト収入は、ドメイン・サーバー維持、ブログメンテナンス、ブログ執筆にかかるデバイス代、視聴料に費やし、ブログ読者さまに還元しています。

麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜

スポンサーリンク

ある日、化粧品販売員のコ・ハジンは、湖に落ちた子供を助けようとして溺れてしまう。
目を覚ますと、なんとそこは高麗時代だった!
ハジンの魂は少女ヘ・スの体で目覚め、高麗の初代皇帝ワン・ゴンの宮廷で生活を送ることに。
そこで彼女が出会ったのは、世にも美しい8人の皇子たちだった。
優しい第8皇子ワン・ウクと惹かれ合う一方、冷徹な第4皇子ワン・ソに幾度となく危機を救われるヘ・ス。
ワン・ソの素顔に触れ、次第に距離を縮め始めた矢先、彼こそが後の第4代皇帝光宗だと知る。
果たして、ヘ・スの恋は歴史を変えてしまうのか??! ?

2016年

感想

ジャクギ」の韓国版。いやー、原作の力が強いんだなあ。見ながらわんわん泣いたのよ。すぐそばにいる人の話かというくらい、久しぶりに感情移入してしまった。

韓国ドラマは女子がいいんだよね。ジャクギなのにヘ・スにはほとんどイラっとしなかった。

ジャクギが清朝だったのに対して、こっちは「高麗」。タイトルの「麗」は「高麗」からきてるのでしょう。ハングル読めないから中国語タイトルでは、「月之戀人-步步驚心:麗」なので、原題を残してるのかなあと。(なお、そんなに「月の恋人」ではなかった)

また、ジャクギが中国ドラマを見るようになった初めの頃だったけれど、まだ更新できていない「残虐な処刑シーン」が、こっちではあそこまで残虐ではない(でも死体のオンパレード)です。

ジャクギが14が可愛く、13は幽閉されたり、結構影が薄かったけれど、今回は13がおすすめくん。

U-Nextで見たからか、30話だったけれど、ディスクでは20話。Amazonで配信していることもあるが、こっちも30話版。

微妙に話が飛んでいる感じがしたので、再編集かもしれない。韓国ドラマも(台湾ドラマ同様)1話が60分を超えるので、日本で放送・配信するときは45分以下になるように再編集することがある。実際に42分程度の編集で、オープニング・予習・エンディングで5分近くとるとすれば、オリジナルの2話分を3話分に切っている可能性はある。そうするとバッチリ20話が30話に。

いずれにせよ、中国(中国はオリジナルで45分を切るくらいで出してくる)と比べれば短くうまくまとまっている、と思ったのだけど、ジャクギ、35話しかないのか。(最近の中国ドラマが50話を超えてくるのに慣れすぎて・・・)

辮髪皇子たちを見慣れて見分けるのにそれなりに時間がかかったけれど、こっちはもっちひどい。かつらをあまり使わずに、普段の短髪にちょこんと結んだくらいの変な髪型とか。

衣装も、中国ドラマを見慣れると、あっちが「絹の重さ」を感じる様な衣装だとすると、こっちはペラペラ。姿勢や歩き方、帯の位置がなんか変なことも多かったし。

おまけに、10と14の区別が10が死ぬまでつかなかった。確かに、兄弟だから似てていいんだけども。

ハングルの使い方も良かった。簡体字は草書体を基にしているので、ジャクギが字が全然読めない書けないというこころが(この子アホなんやな)になってしまったけれど、韓国は漢字を捨ててハングルにしているから、ヘ・スが漢字が全然読めず、学習のために書いたハングル(李氏朝鮮時代に開発された)を「謎の文字を書く間者」と疑われるのも実に理にかなっている。

清朝の皇后に「王妃」だの、唐の貴妃(それも楊貴妃)に「王妃」と書かれてブチ切れた人が気になるのは「皇帝」になってたこと。

高麗時代初期は中国が五代十国期で朝貢関係になかった、というのだろうか(本作でも心配していたのは契丹、つまり遼)、「皇帝」を称していていいんだろうか、的なのは思わないでもない。ただ、高麗の王家は「王(ワン)」さんで「王昭(ワン・ソ」が相手役。もう1つ「皇」がつく人がいて、「皇甫(ファンボ)」さん。8の母親の実家ですね(それでヨナは母の姓を使って「皇甫」氏として異母兄の正妃になる)。「王(ワン)」的な呼びかけよりは「皇(ファン)」に聞こえたんです。そうか。やはり五代十国期で朝貢関係になかった、ということでいいのかな。

もう1つ、ジャクギでは「伝統」のようなものが強調されたが、あれはすでに康熙帝の長い治世を経て、黄金期の乾隆帝を迎える、その直前の雍正帝期だから成立する。

立国されたばかりの高麗で、そうなるのかなあ、的な。(新羅人も百済人も嫌っていたから高句麗の伝統なのかなあ。現代韓国は出身地差別が、というけれど、あの雰囲気なのかな)

いいんだよ、ファンタジーなんだから。タイムスリップものなんだよ。

中国語字幕で見てみた

これ、実はYoukuで公式に「麗」の中国版を配信してて、日本がブロックされてなかったんで見たんですよ。

いっやー、韓国語って日本語以上に中国語に近いんだわって感想です。ウヒって「虞姫」だったのかよ。そりゃバッドエンドになりますね。

弾幕もそのままに見たらどうなったかと言うと、「皇帝」は全て「王」。そして「陛下」は「殿下」。そらそうですね。さらに水乞いのところでは弾幕は「朝鮮半島に龍の子はいない」と、まあ、中華思想丸出しで、そっちの方が面白かったです。

韓国で受けなかったのは、初恋ものではないから?

(ストーリーは知ってるのに)わんわん泣いたんだけど、韓国であまり当たらなかったと聞いて、韓国人好みではないストーリー展開かも、とは思いました。

らんやーばん」でびっくりしたんだけど、中国ドラマの特徴って、悲恋が多く、ヒロインが報われないことが少なくないんですね。特に、初恋の人とは結ばれない。らんやーばんはBL(誉王を愛しても太子報われなかったよね)のネット小説が原作ですが、靖王(戦闘シンデレラ)を救って梅ちゃんは去る。

これが極端だというならば、男女ものをあげていこうじゃないか。後宮ものの傑作の1つ「諍い女」も主人公は愛した皇帝に裏切られ、皇弟に走る。ファンタジー歴史ものの「ミーユエ」も初恋の人は(誰だっけ)黄軒の演じた男。純然たる中華ファンタジーの「三生三世」も白浅の初恋の人は離鏡。現代物で見ているのは少ないけれど、「妖怪彼氏」に「ときめき旋風ガール」!

もちろん、例外は(たくさん)あります。例えばハッピーエンドで終わった「将軍」は初恋の人と結ばれた。リアルタイムで情報を一切入れずに観ていたのでびっくりした。ラブコメの「金玉良縁」とか。(どっちもむしろ猛々しい娘がおぼっちゃんに愛される話なのはなぜだろうか)

いずれにせよですね。中国ドラマにおける「初恋の男」は二番手くんのことが多いんです。

それに対して、韓国ドラマでは「初恋」ものが多くないです?もう2つ加えるなら、親の代の因縁と、出生の秘密。

韓国の人は「初恋の男=一番手くん」で「親の代に因縁」があって「出生の秘密」というのが、ヒットの黄金方程式じゃない?

日本では「ジャクギ」よりも受けなかった理由は?ラブコメで売ろうとしたから?

私はジャクギよりも4の造形(母に愛されないどころか激しく憎まれていた子が、愛に飢えていて、親切な娘に恋してしまったこと)がうまいと思ったのだけど、日本では(それなりにヒットした)ジャクギよりも受けなかった(っぽい)のは、おそらく「ラブコメ」で売ろうとしたから。

これ、ジャクギなんですよ。原作は中国なんですよ。悲恋です。初恋の男にがっかりする話です。ある男が、兄弟を粛清していく話です。

確かに前半は(ジャクギ以上に)ハッピーで楽しいんです。特にヘ・スを演じたIUは少女をきちんと演じられるんだもの。

10・13・14は本当に少年から脱してない様な男の子たちを揃えてきていたし、3・8・9も比較的若手を持ってきているので、へ・スが皇子たちに気に入られていくところがよくわかります。9の影が薄かったけれど、3(ジャクギでは第二皇子の太子だな)が、あまりヘ・スを気に入らないのもきちんと表現できました。

だからこそ、後半の崩壊がつらいわけよ。突然タイムスリップしてきて、得た友を失わないようにジャクギ(=ヘ・ス)が努力するのに、全て崩壊してしまい、愛する人の手を血にまみれさせてしまう。その対比よ。

(多分公式なんだろうと思われるMV見つけたんだけど、いまいち自信がないのでYouTubeでどうぞ[달의 연인 – 보보경심 려 OST Part 9] 임선혜 (Sun Hae Im) – 꼭 돌아오리 (Will Be Back))

ジャクギをコメディに仕立てたの?と思ったら、ちゃんとジャクギなんだもの。ラブコメと言われて見たら、ラブコメ要素はどんどん少なくなって、コメディ要素よりもむしろ死体を数える方が早いんだもの。ジャクギなんだもの。鬱展開もいいところで、胸キュンって、ヘ・スは心臓が弱っていくんですよ。恐怖とストレスで。

ラストシーンも、ジャクギでは「あなたがこの世の人ではないなら、私があなたの世界に行こう」から、現代で雍正帝を見つけて、希望がある。

こちらはヘ・ス死後光宗も「私が行く」ではあるけれど、たどり着けたかわからない。現代でコジンは光宗を「思い出す」けれど、「あなたを一人にしてごめんなさい」でその先がない。ラストシーンは幸せだった頃のヘ・スと光宗。

韓国ドラマの黄金方程式とは大きくずれる作品だし、マーケティングミスだろうと。

ヘ・スが10の誕生日に歌った「ちんぐー、ちんぐーや」という歌(多分 친구야 친구 (너다워 고마워) (My Dear Friend)- IU)を、王様に愛された女官の歌、と聞きながら14の腕の中でヘ・スは死ぬのよ。もう、号泣よ。

13かわいい、13かわいい

ジャクギの13は袁弘(通称ヒロシ)。胡歌やシーシーとセット販売されてた俳優さんです。下手な俳優ではないんだけど、悪役でよく使われたところでわかるように、ジャクギの頃でもかわいさのようなものがなかった。

今回の13(ペガ)を演じたナム・ジュヒョクはすごくかわいい。本当に〜かわいいの〜。

でも、このペガちゃんはやばい女にばっかり恋してしまう(しかも一方通行)。

8の家で、死んだ女が使った仮名と根付(みたいなの)を持った幼女を見つけたけれど、あれはおそらく、この後のペガちゃんのお話。実はペガちゃん、どうも光宗の次の(4とヨナの子)景宗の第四王妃(8の娘)を妊娠させてるんですよ。景宗没後に即位したのは、8の子の成宗、次が景宗の子の穆宗。そしてペガちゃんが姪に産ませた顯宗の即位。顯宗の子らが高麗王の座を継いでいくので、そこは必要なシーンだったんだな。きっと多分韓国ではみんな知ってる話なんだろ。

4の痛み

ジャクギの雍正帝は、ジャクギを守るために帝位を望んだ。そして得るために待った。かかってくる火の粉を振り払うと、弟たちが死んだ。その火の粉は愛する女が原因だった。でも、ジャクギが変な子だから気になるのはわかるけれど、なんで愛したのかよくわからないし、ジャクギも8に幻滅したから4に走ったように見えて。それは4がそこにいたからであり、そこに14がいれば14に走るし、そこにいたのが10なら10に走りそうなところがあった。

こちらの4、すなわち光宗は、帝位(なのか王位なのか)を奪いに行った。史実に合わせるために変更したのだろうけれど、雍正帝が父の康熙帝から帝位を直接受け取ったのに対して、光宗は父の太祖ののちに兄二人(いずれも短命)の即位を経て、ようやく即位する。

雍正帝も母にあまり愛されなかったけれど、光宗は母に憎まれた。顔の傷は心の傷であり、狼を演じて弱さを隠した。顔の傷を隠してくれた女は、唯一自分の本性を見てくれた女。ヨナのように男を道具にする女ではない。

頭ではわかってる。雨が降るまで雨乞いの儀式を続ければいい。しかし、罵倒されてできなくなる。女に助けられて雨を降らせることに成功する。そちゃ、女に(私には好きな男がいるから)友情と愛情を混同するなと言われても、止められない。

暴走していくのも仕方がないよねえ。血まみれだよねえ。雍正帝よりもはるかに孤独で、次々に人がさっていく、この人の不幸。私がわんわん泣いた理由の1つでもあった。

でもイ・ジュンギと正胤役の二人以外と比べると、年齢を感じてしまう。力を入れるときなのか、口の形がおかしなことになって、メイクとあいまって、ガイ・フォークスマスクとか、韓国の伝統劇のお面みたいになるのがいかんいかん。

IU

いや、うまい。韓国ドラマは女優で持つと思うけれど、歌手出身らしいこの子、すごかった。

めちゃくちゃ細い上に、衣装のいくつか(特に女官になったばりの頃)はペラッペラで、体の線をばっちりと出すけれど、少年体型ですよ。

リウ・シーシーは若い頃から少女を演じられないけれど、この子は演じられた。成長していくところも、きちんと成熟した(20代だけど)女の人になる。

実際に後半に向けてダイエットしたというのもさすが。(顔の形的に、CCは痩せてもそんなにほっぺたが落ちないと思うけど)

はじめに愛した8から4にどんどん気持ちが向いていくところ。10・13・14との友情。

お見事でした。

そりゃさあ。4はずーっと好きだ好きだと言い続け、ずっと助けてくれる人だもの。4はいつも命を懸ける。好きになるよね。

ジャクギとヘ・ス、どちらが孤独だっただろうか

ジャクギには、姉がいて、姉も短命ではあったけれど、女官になってからもまだ生きていたし。8の家では姉のように導いてくれた巧慧さんがいて。女官になったら女官仲間の玉檀がいて。モンゴルの格格がいて。玉檀の裏切りがジャクギが倒れるきっかけになったけれど、ジャクギって結構同性の友達もいたんですよ。4を巡って競わないとならない女もいなかった。皇后は理解してたし。ジャクギと姉をいじめた8の正室姉妹くらいしか女の敵はいなかった。

しかし、ヘ・スは違う。ヘ・スがまだ8の家にいたときに姉(正確には従姉)は死んでしまい、血の繋がった家族はよく知らない「へ一族」以外にいない。8の家にいたときから、8の妹のヨナに憎まれる。女官になって厳しいけれど娘のように思うのだと言ってくれたオ尚宮は自分にかけられた罪を背負って処刑されてしまう。パク将軍の娘(10の妻)とは友達になったわけではない。緑蕪にあたるウヒと仲良くなってたけれど自殺。8の家にいたチェリョンが女官として送り込まれたけれど、チェリョンは裏切り処刑される。

ね。ヘ・ス。孤独なんですよ。孤独だからこそ、皇子たちが大切だった。知らない世界に放り込まれ、一番初めに仲良くなった皇子が気になる皇子に殺される「絵」を見てしまう。それを回避しようとしてもできない。

孤独だった。もう、泣ける。

悪女・ヨナ

ジャクギではジャクギを憎む女子は、8の妻だけだったけれど、ヘ・スは4を巡って4の異母妹(それも8の同母妹)に憎まれる。

李氏朝鮮時代には同じ苗字の男女が結婚するのもはばかられたというけれど、高麗時代にこの王(ワン)家の娘は、母の氏を名乗って異母兄に嫁いでいる。文化的に面白い変遷だと思う。

現代的にはギョッとするけれど、時代を考えれば、日本は村上天皇くらいの時代なのでね。

韓国も中国同様、悪役女優が光るのよね。欲しいものは全部手に入れる。いいねえ。

景色が綺麗

ソウルの王宮(もちろん、李氏朝鮮時代)を巡ったけれど、色は「緑」。建物の外観がなんども映ったけれど、おそらくは、撮影所にある。本作は高麗時代なので、違うところはあるんだろうかなと。

けれど、いくつかおそらくこれは「秘園」だな、というところもありました。

現代版はやんないでね!やんないでね!やんないでね!

麗(レイ)~花萌ゆる8人の皇子たち~ BOX1 (コンプリート・シンプルDVD-BOX5,000円シリーズ)(期間限定生産)

麗(レイ)~花萌ゆる8人の皇子たち~ BOX1 (コンプリート・シンプルDVD-BOX5,000円シリーズ)(期間限定生産)

イ・ジュンギ, IU, カン・ハヌル, ホン・ジョンヒョン, ナム・ジュヒョク, ベクヒョン, ジス, ユン・ソヌ, キム・サノ, ソヒョン
3,345円(12/03 23:09時点)
Amazonの情報を掲載しています

コメント

  1. […] 「ジャクギ2」もあったし、「弘文学院」ではセルフパロディやってるし(しかも、シーシーとよく組むウォレス・フォを引っ張り出して「四爺」って役をさせる)。アイビー・チェンをもってきて映画化したものもあれば、韓国でもやった。女優が一番うまいのが韓国版。あれは号泣した。 […]

  2. […] 「ソンビ」では文武両道、「麗」はマッチョ、私がギブした「アラン」も「一枝梅」もむしろマッチョな役を演じてきた人なんですが、名を挙げた作品では本当に柔らかな。あの腰とかすごいじゃないですか。女の子でしょう。表情の柔らかさも、頬も女の子でしょう。口元が青いけど。アイライナーの使い方が実に魅力的だった。 […]

タイトルとURLをコピーしました