旅芸人チャンセンとコンギルは、横暴な座長の率いる一座を逃げ出して2人で旅へ。やがて2人は、史上最悪の暴君といわれた王ヨンサングンとその妾ノクスの関係を皮肉った芝居を演じて人気を集めるが、王を侮辱した罪で役人に捕らえられてしまう。しかし、王は2人の芝居をおもしろがり、2人は宮廷に住むことになる。やがて王ヨンサングンは芸人コンギルを寵愛するようになり、王の妾ノクスはコンギルを陥れる陰謀を画策。王を取り巻く重臣たちも旅芸人たちを追い出そうとする。また、芸人チャンセンは弟分のコンギルと王の関係について複雑な思いを抱くようになる。そして、華麗な王宮に、愛と嫉妬、陰謀と策略が渦巻いていく。
2005年
感想
本当に初めて見るんですよ。これ、本当に舞台だ。
きっと美しい男が王さまを籠絡するんだろうと思ったんですけど、そういうわけじゃない。これまでお金持ちの男に体を売ってきただろうコンギルも、王さまとそういう関係になるのかなと思ったけれど、そうはならない。
王さまの中身が子どもだから。
愛妾とも「いらっしゃい(こういうのが好きなんでしょ)」って、赤ちゃんプレイが行われるだろうことがよくわかる。
そこで多少ずっこけました。期待してたのはもっとエロいのだったのよ。ハードルを上げすぎたパターン。
そりゃ、日本公開当時、イ・ジュンギがすごいんだって、当時もう「やおい」という言い方があったんですかね。今で言うところの腐女子たちに話題になった。
お綺麗ですよ、確かに。
しかしながら、わたくし、昔から「大型犬の仔犬」っぽい男が好みでして、狐顔の男は好みじゃないんですのよ。しかしながら、イ・ジュンギ。凄まじくお上手な俳優さん。ということは見ておかないとなって。
「ソンビ」では文武両道、「麗」はマッチョ、私がギブした「アラン」も「一枝梅」もむしろマッチョな役を演じてきた人なんですが。本作では本当に柔らかな。あの腰とかすごいじゃないですか。女の子でしょう。表情の柔らかさも、頬も女の子でしょう。口元が青いけど。アイライナーの使い方が実に魅力的だった。
この作品はあまり予算を使わず、作品としても舞台劇っぽい説明の少なさも、大ヒットさせるつもりはなかったんだと思う。それをヒットさせたのは、ひとえにイ・ジュンギだったから。
しかしながら、その後にあの韓国社会で俳優としてやっていくのに「女っぽさ」をぬぐい去るためにはかなりきつかっただろうなあ。
とそういうことを思いました。