幼くして両親を亡くし、祖母と2人暮らしだった枕野ゆり(エラ・チェン)は、祖母にも先立たれ天涯孤独の身となった。
ところが祖母が残した遺書により死んだはずの母が大女優・花井しょう子(セシリア・イップ)として生きていることが判明。
そして美しい3人の異父姉弟もいた。
長女の芙蓉(ルー・ミンジュン)、長男のスミレ(ジェリー・ホァン)と次男の葵(ジョセフ・チェン)。
だが、彼らは一様に冷たく、外見は美しいが鋭い棘を持っている、まるで薔薇のようだった…。
同じ屋根の下で暮らし時間が経つにつれ、百合は次第に韓家の人々の裏表のない、思ったことを率直に口にする性格に好感を持つようになる。
次第にゆりは菫に思いを寄せていく。しかし、彼にはすでに婚約者がいるという事実を知る。
そんな時、葵に告白され…。
原題;薔薇之戀 The Rose 2003年
感想
久々に見たのですが、台湾通いをし始めると、あれ?このロケ場所ってこの場所ってここじゃ?というところが増えたり。看板が変わっても内装が変わってなさそうなところとか。明らかだったのは、ヴォランドウーライという温泉ホテル。
確かにのんべんだらりとしていて、特に中盤はだれる。なんだかんだSHE勢揃いなのだが、Hebeとジョセフの回はなくても良かったと思う。ジェリー・ホァンは本当に演技が下手なので見ていてイライラするほどだし。それでも、このドラマは好きだ。「癒し」という言葉は嫌いなのだが、他に思いつかないから仕方がない。そんなドラマも映画も他には記憶にない。
もちろん、最近の台湾ドラマはとても絵面も綺麗だし、女優が口髭を生やしているのを見た記憶はない。技術的にも上がってるし。大陸のお金が入っていれば、衣装などのお金のかけ方も半端じゃないんだけどね。この時代、いわば台湾ドラマの黄金時代とも言えると思うんだけど、素朴さと勢いで解決しちゃう感じ。好きよ。本作「薔薇のために」は傑作の一つと言えると思うの。
エラは丸顔で少しふっくらと見えるだけで決しておでぶちゃんではないし、美人ではないけれどファニーフェイスの魅力全開。
ちび・でぶ・ぶすのゆり役にはメイク(花様少年少女でやったようなティッシュをほほにつめるとか)もいるんじゃ?と思うが、悪くはない。花様で口の上にひげが見えてて、おお、男装する女の子役だから?と思ったのだが、エラったら今回もひげがある。(台湾では女の子はかおぞりをしないのだろうか)。
どうしてもひげに目が行くが、花様みたいなオーバーアクションは少し抑え気味で、演技は割にうまい。
姉の芙蓉さん、陸明君は花様で原秋葉の元妻のメークさん役ではすっごく老けて見えたのだが、花様の3年前になるのかなあ、薔薇では若々しく見える。(いろいろあったのかしら?)演技は、まあ、そこそこ。ファッションは大学時代、あんな感じの服を着ていた子もいたよねえって。
弟の葵がジョセフ・チェン。
半血の、異父きょうだいだけのこの家族の中で、実はゆりはしょう子の娘でも、しょう子の最愛の男・枕野一郎の娘でもなく、しょう子の親友と葵の本当の父親の間に生まれたわけで。芙蓉さんが「どうせみんな半分だけなんだから。葵と半分血が繋がってるんだからここにいなさい」という鶴の一声でゆりはこの一家に留まることになる。このジョセフの美しく妖艶なこと。二タイプの俳優がいて、役に入り込む、なりきるタイプの俳優と、憑依型の俳優がいるとすると、ジョセフは憑依型の俳優だろう。このドラマはジョセフで持っていた。
相手役のスミレはジェリー・ホァン。ハーフかクオーターに見える。目はカラコンかな。この人がひどい。容姿はまあいいのだけど、これがひどい。でくの坊なのだ。なぜだろうか。と私に考察をはじめさせた。
言ってみれば、想いが報われない葵はおいしい役だったってことなんだよね。
全ての根源のしょう子さんを演じたセシリア・イップは、別名、イップ・トン。香港のベテランさんなんだけども。役柄上、ずーっとイライラしてる人だからね。(全部みんなジョセフに取られていった)
DVDだと中国語字幕あるよー
古い作品なので、Gyaoなどで配信されることはあってもテレビ放送はなかなかなかろうと思う。あ、古すぎるのか。Amazonで動画配信した痕跡はないようですね。
リッツプロダクション=コミックリズなので、中国語字幕があります。中国語で見ると、ちっとも日本人のふりはしてないから。名前も中国風に変えてあります。日本のドラマ原作の台湾ドラマだと、原作通りの名前に戻すのが、「流星花園」からの伝統になってるよね。
サントラ
なんだかんだS.H.E.勢揃いなので、もちろん主題歌はご本人たちの「花開好了」。エンディングの「葉子」と間奏で入る「The Rose」は阿桑という方。The Roseのオリジナルはベット・ミドラーの名曲。
The Roseはベット・ミドラー主演の、ジャニス・ジョプリンをモデルにした「ローズ」という映画の主題歌でした。本作とはかなり雰囲気が違います。多分、本作は、花井しょう子=花屋敷薔子、で薔薇なのかな、そこから使ったのかなーとも思うんだけども。
コメント
[…] 確かに、五熊の演技は「花様」のエラの演技を意識しすぎて力み過ぎ。反対にジョセフは力を抜き過ぎ。あの「薔薇のために」の葵と近いキャラクターで、葵との演じ分けがうまくない。正確に言えば、「葵みたいな感じ?」で終わってしまっている。ジョセフがぶつかっていった結果、「降りてきた」という感じの葵と比べて、今回の「累」にはきちんと向き合っていないような気がする。ジョセフの背後にちらり、ちらりと「葵」が見え隠れするのに、「葵」でもなければ「累」でもないのが腹立たしい。問題はジョセフの方じゃない?と思ってしまった。 […]
[…] 「薔薇のために」「花様少年少女」に続いてエラ・チェンの作品を見るのは三本目だ。前の二本では口ひげが見えていたエラはおそらくほとんどすっぴんだったのだろうか。今回、口ひげは見えない。花君ほどではないが、黄色みの強い画調なのだが、エラの肌はつややかなナチュラルメイクだった。眉毛は触らず、目はライナーだけ、チークもリップも使わないが肌だけは徹底的に磨き上げた、そんな感じだった。気になるのはほほが垂れていて、法令線がひどいことになっていたことだろうか。もう、エラも若くはない。 […]
[…] 「薔薇のために」がジョセフ・チェンのベストなのだろうか。もともと「真山」という人があまり好みではないのもある。加瀬亮がへたれとして、向井理が野心的(と感じた)に演じた真山だったが、ジョセフの「真山」は一番男っぽいというか骨太だった。でも、「薔薇のために」の美しさはもうない。そうすると演技が微妙だった。最終話、心情を表すのに背後で大暴れしていたのに笑った。 […]
[…] 原秋葉の元妻役で「薔薇のために」で姉の芙蓉を演じたルー・ミンジュンが出ている。 […]