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花と将軍

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舞台は宋代、皇帝仁宗の時代(1022年-1063年)。
将軍葉忠の子、葉昭が戦死した父と兄二人に代わり軍を率いて遼との八年にも及ぶ戦いに勝利し、戻ってきた。
皇帝は勝利への褒美として葉昭に「天下兵馬大将軍」の地位を与えるが、実は葉昭は男装した娘だった・・・。
そこで、皇帝は自分の甥である趙玉瑾を南平君王に任命し葉昭と結婚するよう命じる。
玉瑾は甘やかされて育った虚弱体質な遊び人で、突然、町の噂の鬼将軍を嫁にと言われた玉瑾自身やその一族も驚き、なんとか恐ろしい将軍を嫁に迎えることから逃げようとする。
だが、皇帝の命であるためどうしても逃れられず、結局、まったく気の乗らない結婚をすることになる。
鬼将軍の嫁と虚弱体質な夫、まったく正反対の2人の結婚はうまくいくのか! ?

原題:将軍在上 2018年

感想

むしろ、花=郡王のカラーが赤。青は将軍=葉昭のカラー。

太子妃」の監督が美術監督に入るので、まあ、色がド派手。そして風が吹きまくる。「太子妃」で稼いだ金が、「将軍」になったのかなーと思ったり。

これが。面白いのなんの。

もちろん私が、男装の麗人ものが好きだというのもあるのだけど、本作では鬼将軍(活閻魔)が女の子ってしょっぱなから出てる。しかも、活閻魔の葉昭は面食い。美男が好き。結婚相手が美男で有名な趙玉瑾と聞いて喜ぶの。

特に欧米や香港のアマゾネスものはミソジニーに満ちてて、見てられないことがあった。それがこれはあまりない。

もちろん、舞台設定が北宋なので、葉昭が女だという理由で嫉妬を買い、皇帝は葉昭を守るために朝廷から排除するしかない、というシーンとかね、そういうのはモリモリある。

舞台設定が北宋なのでバッドエンドかと思いきや、ハッピーエンド。

「女が出しゃばれば、国が滅ぶ」と言われたのに対して、玉瑾が「それは(亡き)皇太后に対しても言えるのか」と啖呵を切るとかね。色々と救いがありました。ああ、2018年なんだなって。中国は日本の二歩も三歩も行っている。

さて、本作は主人公カップルのキャラが際立ってて、脇役も良い。従妹の美女、趙太妃も強烈。趙王妃(兄嫁さん)の苦労。玉瑾の側室たち(葉昭にフォーリンラブするもの、嫉妬するもの)、葉家の未亡人、未亡人の兄とか。ほとんど法治国家と言っていいような皇帝の采配、悪い奴ら。そして、北宋なんでね。楊老将軍といって、槍の名人がいる。これは楊家の末裔かしらね。葉家軍の軍師・狐狸、男装の侍女たち。軍人たち、みな、キャラが立っていた。まさか前半に出てきていた子が後半のキーになるとは!!!!みたいな伏線もきっちりと回収していったし。お見事でした。中だるみもそこまでないし。中だるみっぽい事件も実は伏線になって他のでお見逃しなく。

60話あれば、大抵キャラクターの成長があるのだけど、葉昭の側には成長はあまりない。天下兵馬大将軍の地位はそのままだが、職を降ろされて出仕を禁じられて「南平郡王妃」として生きろと言われて「ああ、私は北方の空高く飛ぶ鷲だったのに、都の籠の鳥になってしまった」と嘆く、けれども、やっぱり葉昭は葉昭。子どもの頃の失敗(玉瑾を水に落としたり、男装して従妹にプロポーズしたり)の挽回をするだけ、という感じ。周囲を変革していくキャラクターというのは、それはそれで良いものだ。

馬思純はすごく演技がうまい。お見事。少し前なら劉詩詩に回ってきそうな役だったけど、詩詩でなくてよかったと思う。玉瑾の、葉昭に対する呼びかけが変わっていくのが面白い。これ、日本語にするのは難しくて、「オニババ!人でなし!」のような言い方から対外的には「奥さん」。そして「オチ」た後には阿昭(昭ちゃん)。呼び方一つで玉瑾の、気持ちの変化が出るのが面白い。中国語って人間関係をどう表現するのかがすぐによくわかる。

成長するというか、成長させられる玉瑾は、小さい頃にきれいな空飛ぶお兄さんと一緒にいたら川に落ちてしまい、それ以来母に外で遊ぶことを禁じられた少年時代。本は読み漁ったが、皇族であることを理由に特に職にもつかないでいた。「母に抑圧されていた息子」は、「皇族の男児として生まれたからには」という、「あるべき姿」を実現できないことに苦労していた。雄々しくも誠実な葉昭の行動力に引きずられて、「すべきこと」を決意するというね。それは伯父の祈王の謀反に気づき、「都の籠の鳥」になってしまった葉昭を解放し、国を救うこと。それを奏上できるのは自分だけ。頭の回転は早いので、徹底的に、葉昭をサポートしてその妊娠を隠すことまでやるのね。

入ってきた大仕事と予期せぬ妊娠。中国ではどうするんでしょうね。場所がアメリカだ、よし、産んでしまえ!みたいな勢いのような気がする。本作では舞台が舞台で、妊娠発覚の場所が北方の戦場。将軍が妊婦だと士気が下がると考えて妊娠は発表できない。男装の侍女を妊婦に仕立てて産婆が必要な理由にする。軽い武器を持ってきて、葉昭のふりをした玉瑾が頑張ってみる、というところは笑った。「妊婦には重たい武器は持たせられないから」というのかと思ったら、自分が使う。

ご本家の趙太妃による嫁いびり(というけど、同時に葉昭による故意のない義母いびり)も、葉昭毒殺未遂で犯人の側室(=太子妃のあの人)の死の犠牲で終わる。葉昭出征のところで「お母さま、すみません。私はこの国の臣下で葉家の武人なのです。出征しなければなりません」と言うのね。「お前はまだ葉家の人だというの?趙家の人でしょう?約束しなさい」そこで兄嫁さん(=とても理解のある人)が「お母さまいけません、それだけは!」ってなんども出てきた離婚の話だと思い込むの、みんな。「よくお聞き。趙家の人なのだから軍営では体を冷やしてはいけません・・・」みたいな養生訓のような約束事が続いて、「お前は趙家の人なのだから必ず勝って帰りなさい。この国を守りなさい。兵士を死なせてはいけません。お前も生きて帰ると約束しなさい」なんて、言い始める。

まあ、なんだかんだ、できたお姑さんだったよ。現代中国には、たくましいバリキャリのお嫁さんと、なよっとしたお坊っちゃまのカップルがいて、お坊っちゃまのお父さんの後継者にバリキャリのお嫁さんがつく、なんてこともあるのかもね。なんて思いながら見てた。

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コメント

  1. […] 脇役(結構重要)の、ミーナって、「花と将軍」で銀川公主をやっていた人だけど、あれから多分エラというか顎から耳の下まで骨を削ってるように見えるのだけど。なんかそこに目がいってしまう。 […]

  2. […] おまけに、潘時七ちゃん。ただ、「花と将軍」の秋水をやったときよりもまた顔をいじってるかなと。あっちでは目を剥きすぎていたので、カラコンかもしれないけれど。 […]

  3. […] もちろん、例外は(たくさん)あります。例えばハッピーエンドで終わった「将軍」が初恋の人と結ばれた。リアルタイムで情報を一切入れずに観ていたのでびっくりした。ラブコメの「金玉良縁」とか。(どっちもむしろ猛々しい娘がおぼっちゃんに愛される話なのはなぜだろうか) […]

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