空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎

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1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。
あるきっかけで知り合った白楽天という詩人(のちの白居易)との交流を深めていく中、世界最大の都・長安の街は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われる。
空海は、白楽天とともに一連の事件を探るのだが、約50年前に同じく唐に渡った、鍵を握るもう一人の日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る。
仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、そこには国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃がいた。
極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実、歴史を揺るがす巨大な「謎」――。
楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂は何を知っていたのか…?
空海と白楽天、二人が辿り着いた真実とは…?

原題:妖猫伝

感想

見に行けるかどうかが微妙だし、日本では吹き替えのみだということなので、YoukuのVIP会員になって見た。中国版は、日本語は日本人俳優・女優がそのまましゃべっているし、染谷将太の吹き替えはすごく自然。本人じゃないか!?というくらい自然。中国語音声で日本語字幕で見たかった。吹き替えについては、プロの声優さんが行うのがベスト、次がプロの俳優さん、一番嫌なのが芸人さんが吹き替えるやつ。今回は芸人さんがいないのだけど、なんだか微妙なんでねえ。

Youkuで見たけれど、「30年前」のシーンはCG多めでできれば大画面で見たいところ。

陳凱歌作品は、「覇王別姫」のようにぴーーーーーんと張り詰めたものと、キャストは豪華なくせに「花の影」だの「無極」だの、「道士下山」のような間延びしたものがあるので安全牌とは言えない。でも大丈夫。これはすごく面白かった。

それは置いておいて、実は、中国側のキャストは「見慣れたメンバー」で、しかもベストの配役だと言っていい。

だから字幕で見られると本当にいいのよ。このキャストはハマりにハマってるのだから

白楽天を演じた黄軒は「女医明妃伝」で見た。なかなかイライラさせる役だったけれど、こちらは爽やかな青年詩人。李白を敬愛し、李白の表現した楊貴妃に恋してしまい、猫さんを呼び寄せてしまう。「女医明妃伝」ではいい子(ただし空気が読めない)モードと、暗黒面に落ちてるのと、よく演じていたのだけど、映画は尺が短いからね。たまにやさぐれるけれど、爽やかな青年詩人ぶりである。ただ、「宮仕えはやーめた!」と言っておきながらそんなにいろんなところに入り込めるもんなんだろうか。

楊貴妃の死因は何だったのか、が本作のテーマなのだが、楊貴妃を演じた張榕容は、「光にふれる」では「サンドリーナ・ピンナ」で出ていた。今回も張榕容という漢字の上にSandrine Pinnaと振られる。日本では、「山田太郎ものがたり」では張榕容(チャン・ロンロン)と書かれていたし、サンドリーナ・ピンナと書かれたりするので、そろそろ統一してあげてほしい。楊貴妃は胡人の血を引く設定でハーフ女優が使われたようだ。ハーフ女優といえば、Angelababyだったり、ハーフっぽい少数民族出身だったら設定に近いだろう迪麗熱巴(ディリラバ)が中国にいるのだけれども、今回は台湾から張榕容。確かに玄宗皇帝=デブ専なのは壁画その他で残っているし、おデブちゃんだったのではないかと言われる楊貴妃なのだけれども、張榕容は太くはない。ただし、Angelababyやディリラバのようには細くない。妖艶さというよりもそれなりに迫力があった。「皇帝が国を傾けさせ、白龍・丹龍が人生をかけ、阿倍仲麻呂が帰国を諦め、30年後の白楽天が夢中になる楊貴妃」に説得力があるこの役、ベスト中のベストならばおそらく孫麗。ただし、お金がかかるね。

この、皇帝の与える栄華は永遠ではないだろう。どこかでこれは失うものだろう。反乱が起きれば自分は死ななければならない。仮死状態にするというけれども、皇帝はおそらく救い出してはくれないだろう。全部知って騙される楊貴妃。・・・恐ろしい話である。

鲁一は、お化け俳優の一人。主演ではなく三番目・脇役で大変気持ち悪くなる良い俳優さん。一番気持ちが悪かったのは「他来了」。「容疑者X」も気持ち悪いけれど、「他来了」には負ける(でもあれは主演が一番キモい)。今回も出演時間は短いくせに、太鼓のシーンのぶっ飛んだ感じとか、国を傾けさせちゃったね、という感じがよーくわかる。

出演時間がかなり長かったキティ・チャン(張雨綺)は、妖艶。こちらも張榕容とは別の妖艶さだった。ただ、この人の夫が入れ込む踊り子の玉蓮役の張天愛は「太子妃」で魅力を爆発させていたけれど、今回は不発。どうしてこっちに走っちゃう?という感じでこの二人は役を反対にした方が良かった。別に春琴って別に妖艶である必要はないもの。それでも、張天愛の線の細さで「にゃー」とやられても怖くないし・・・やはりキティ・チャンで、張天愛が失敗したということか。でもまあ、あの役は本当にチョイ役だから仕方ないか。

そして、楊貴妃と並んでもう一人のキーの白龍役の劉昊然。この人は多分それなりに売れますよ。琅琊榜之風起長林(琅琊榜2)の主演さんなのでこちらもよろしく。どう見ても綺麗めな周杰倫ですが、楊貴妃に惚れ込んで人生を捨ててしまう少年奇術師にきっちりとはまっているのが大変よろしい。

日本人キャストだって悪くないよ!

日本人キャストは、主演の染谷将太がいい意味できもい。空海という人は謎なところのある人だし、実際に目の前にいたらこういう感じで気持ち悪いんじゃないかと思う。確かになんでいきなり恵果に呼び出されて秘伝を伝授されるのかもわからんのですよ。そこにこういう経緯がありまして、と言われると、ああ、なんかあったんだろうね、とすごく説得的になってしまう。良い仕掛けだった。

阿部寛が阿倍仲麻呂というあべさんだったのだけど、「いるだけ」。確かに何かできるわけでもないので、それでいいのだけど、額が大変気になった。被らせてあげてほしい。

うちのばあさまに似た人に松坂慶子が声を当ててるなあ、とおもったのだけど、松坂慶子本人だった。安倍仲麻呂の現地妻なのだろうが、衣装と髪型がなんとなくいきなり江戸時代の長屋の大家のおかみさんという感じになっていて、あれでよかったのだろうか。現地妻っぽいので日本人ではないと思うんだ。遣唐使船に女は乗せないだろうし。中国か台湾か香港の女優で日本語ができなくはない人を持って来ればよかったのではないかと思うのだけど、思いついたのが伊能静。実は陳雲樵を演じた秦昊は、いのーさんの年下夫だったもので、それは難しかったか。それでも、松坂慶子は最後の中国語は自分で言っていたっぽいのだけど、それはすごいと思った。

空海-KU-KAI-美しき王妃の謎 インターナショナル版(字幕版)

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コメント

  1. […] これ以降、チェン・カイコー(陳凱歌)の作品は何作か見たけれど、結局これ一本ではないか?と思ったり。エンターテイメントに振り切った「妖猫伝」は面白いよ。 […]

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