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開端 -RESET- (开端)

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洛陽」も「雪中」も面白い。

でも、「开端」がここまで面白いとは思わなかったよ。2021年のダークホースが「山河令」なら、私的な、2022年のダークホースが「开端」かもね。と思ってたけど、それを塗り替えたのが同じく廈門ロケだった「猎罪图鉴」。

衛星劇場にて3月24日(日)午後11:05スタート!

衛星劇場は↓で見られるよ!

最終的に予定調和になるのは、中国だから仕方がないのは仕方がないけれど、予定調和だなということはメモとして指摘しておかねばならない点だな。

中国は最近サスペンス系ドラマの出来が割に良いのよ。「バーニング・アイス」とか。案外予算を使うんでしょうね、サスペンス。一話45分の15話(15集)で完結させるので、80話近くある古装劇のように15話くらいでようやく話が動き始めると言うようなこともなく。本作に限って言えば、一話目の初めの15分で鷲掴みにしていくタイプのドラマです。サクッと見やすいのもヒットの秘訣でしょうか。

感想

「开端(kāiduān)」という中国語の辞書的な意味は、日本語で端的に言えば「発端」。(ただし、繁体字では「開端」です。発の簡体字は髪と同じく「发」だよ❤︎。発ならfā。髪ならfà。)。しょっぱな、開始するところってことですかね。

実は「旋風少女」で切り干し大根にでもしてしまいたかった白敬亭でパスしようと思ったんだけど、そんなに面白いと言うならと思って見てみたら、面白かった。中国だから予定調和はどうしようもないんだけど(何度でも指摘しなければならない点)。

製作は东阳正午阳光。とくると、そうです「琅琊榜」。プロデューサーに侯鸿亮の名前があると、妙に安心する。監督が孙墨龙、刘洪源、老算なのだけど、孫墨龍は「琅琊榜」で撮影を担当してた人なので、そういうことです。安心の正午陽光クオリティならばと見る気になったよ。だって、中国の(自分の生きている世界線への)タイムトラベル・タイムリープものって時間の扱いが変だから、あんまりみたくなかったんだもん。

お話は

お話はと言うと、バスに乗ってた女子大生がバスの爆発に遭っては戻りを繰り返し、5回目に隣に座ってるゲームアーキテクトを痴漢と言ってバスを降りることに成功した。しかしまた気づくと爆発前のバスに乗っている。6回目がそれまでと違うのは、ゲームアーキテクトもループに入っていたこと。二人は女子大生の10回目、ゲームアーキテクトの5回目にやっぱりアーキテクトを痴漢としてバスから降りるのだが…

(以下は、毎度おなじみの感想文だけど、真犯人は書いてないしほのめかしてもないと思うけど、要注意な。要注意って書いてるからな。ここから下は、見た人とネタバレされてもいい人だけにしよう。書いてるからね〜)

ということで、何度も何度も何度もバス爆発に遭う。ところがタンクローリーとの事故で爆発するパターンや、電話の着信音を聞いてから爆発するパターンがある。眠ったらバスに戻ってしまう?とか。戻るたびにどんどん遡ってない?とか。回数を繰り返すたびに気づきがあるのね。犯人は乗客の中にいる!?1:45って時間に何か意味があるのでは?と。

どんどん遡るならバス停で先に降りてしまえば良い。で降りるんだけど、今度はどうするんですか。通報するんですか。通報したらその結果自分が取り調べを受けるのみならず、警官がバスに入ったので…とかさ。

毎回毎回、失敗する。恐怖による精神的な疲労をきっちりと描くのよ。

一つ回収できてない伏線というか、理解できなかった(見逃した?)点があるならば、なぜ肖鹤云は途中からリープし始めたのか。そしてなぜ弱っていくのか。そこはイマイチ理解できなかった。李诗情が選ばれたのは大学とか、年齢とか、性格とかあるんでしょう。

中国の、自分が生きている世界線の過去にタイムスリップするものは、過去の自分に会う話があるじゃないですか。楊冪が霍建華をなんどもなんどもXしに行く「リセット」とか。過去の自分(孤児)を未来の皇帝に預けちゃう「今夕何夕」とか。バックトゥーザフューチャーで、マーティーがどんだけ「過去の自分」に会わないようにしてたんだって話ですよ。

しかし今回はタイムリープなので、過去の自分に会うことはなく、「過去の自分」に戻るわけ。知識と経験はそのままに。

本作は、上にも書いたように私にはよく理解できなかったところはあったけれど、大きな穴はない。もう一つの「穴」があるとすると、ゲームアーキテクトの肖鹤云は25歳。もしもこの街の大学を出たならば、おそらく事故当時に20歳で、事件のことを知ってるだろうし、ひょっとして同じ大学ではなかろうか。チューター(舎監?)は男子学生の肖鹤云を知らないかもしれないけど、学内掲示板その他へのアクセスって、多分ゲームアーキテクトの方が…的な。よその街から来た人でしたっけ、あの人。 

正午陽光クオリティだ…。とはいえ、ここのサスペンスには名探偵が最後まで一番怪しい「他来了」ってのもあるんだけどね。あれが「シャーロック」のコピーだったとすると、成長したよねえ。って、何さまだよって話ではあるけど。

BGMも合わさって、なんとなーく雰囲気が台湾ドラマの「我的未来男友」の最後の20分的な雰囲気がどことなくあった。(あっちは時間の操作が変だったのよね…)あれは台湾でロケしてるから私から見ると南国。こっちの「嘉林」のロケ地は廈門らしく、台湾の対岸じゃん。そういや、青空に見えたんだけど、廈門の空気は綺麗なんでしょうか。大気汚染でガスっててもカメラのレンズを通すと青空に見えるということは実際にある。(香港で体験したよ。この会がそう。あんまりカメラが良くないけどね。)

ただし同じ廈門ロケで、2021年の春に撮影していた猎罪图鉴(檀健次だからネットでおっかけてた)の空がどんより気味だったのとは異なり、本作では青空で太陽光線もかなり強かったのではなかろうかと思う。

廈門を選ぶのは、天候が安定してるんでしょうか。この長さのドラマは三ヶ月間くらいかけて撮影するものなので、大気のじっとり感とか、植生が同じでないと。そういう変化が激しいと、こういうタイムリープ系の撮影はできないよね。

中盤までは、昔懐かしいサンドラ・ブロックとキアヌ・リーブスの「スピード」です。

スピード (字幕版)

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Keanu Reeves, Sandra Bullock, Dennis Hopper
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キアヌ・リーブスの役があの弱々しいキャラの似合う白敬亭がwwwというわけでもないんですけどね。キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが何度もなんども失敗してるという感じ。

タイムリープするので、一人ずつ怪しい乗客を洗い出すことができるのね。そこからは人間ドラマという感じで。それが最終的な予定調和に至るのだけど。そして、怪しい犯人は、当初サイコパスに見えるのだけど、その裏側には…ということで、そこは完全に謎解き。

15話によくまとめたなあと思うけど、15話でぎゅっと引き締めたからこそかな。これ、45話でやられてみたら、複雑すぎて何がどうなるわけ?ってなりかねない。

キャスト

白敬亭の(実際のところは知らないけれど)弱々しい感じが肖鹤云のキャラと作品にマッチしてて、役とキャラがマッチしてれば、俳優さんは光るよねと思ったり。ブルブル震えてるところが良かった。あんた、演技ができるんじゃん。

それよりも、女子大生の李诗情を演じた趙今麦ちゃん。顔立ちとかスタイルは若い頃の鈴木杏を連想する感じなんだけど、子役か子タレ出身のようで、そこも鈴木杏っぽさがあった。この李诗情の真面目さが、すごく良くてねえ。最終的は、肖鹤云ではなくて李诗情が解決するのも、現代中国女子の力強さって感じで良い。

郡主こと劉涛がどこかにいるはずなんだけど、と思ったらショートカットでいたしね。玉ちゃんこと劉奕君が警官で「ああ、それは循環(タイムリープ)しているように聞こえる」と主人公の女の子に言ってるのだけど、玉ちゃんだし。「他来了」ではあれだったし。早々に不穏。他来了のことがあったので、最後までこの人に一捻りあるかな?と期待してた。そしたらこの人のパートは「警察を信用しよう」だったので、ずっこけた。ただ、そこも仕方がないんですよ。中国は捜査機関の捜査手法を明かしてはいけないってことになってるから、警察を持ち上げ持ち上げして、警察の協力を仰がないと、いくら架空都市とは言え「中華人民共和国だろうなあ」という国で、こんな話は撮影できませんよ。

东阳正午阳光は美術とかそういうところにお金を突っ込んじゃうところで、今回もお金を突っ込んだところは「繰り返し」でエキストラを使えず、端役までプロの俳優を拘束しないとならなかったことなのかな。

それで、中戯だの北電だのを出たスタッフが(セリフのある)端役をやるのだけど、「夏江」って役名があってこれ、遊んでるでしょ。

中国(私の場合は広州と上海)を歩いていると、いろんな標語が書かれた垂れ幕があるのよ。「工事中!」みたいなところもいちいち安全標語でもなさげなのがあって漢字ばっかりなのもあって圧が強い。漢字ばっかりなのは仕方がないんだけどさ。で。市中の描写の中に「阳光」が入ってるのもあって、これもまたお遊びよね。

衛星劇場にて3月24日(日)午後11:05スタート!

衛星劇場は↓で見られるよ!

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