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君、花海棠の紅にあらず(鬓边不是海棠红)

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個人的には、下にリンクを貼った、戏曲(戯曲)パートだけで良いような気がする。後半が抗日ドラマですから、多分日本には入ってこない。って、「君、花海棠の紅にあらず」ってタイトルで入れるの!?!?于正、強い。

しかも、戯曲パートがジオブロックwwwサムネもブロックか!!!!

人の世は、美しい――。

時は1930年代、北平(ほくへい:現在の北京)。稀代の辣腕で台頭した豪商、程鳳台(チョン・フォンタイ)は、伝統に縛られない大胆な手法が地元の商人たちの反感を買っていた。
しかし、彼の勢いを無視できない北平の商会の会長は、そんな程鳳台の機嫌をとろうと、彼を北平一の人気役者、商細蕊(シャン・シールイ)の舞台に招待する。
確かな実力と妖艶な魅力を持った商細蕊に惹かれる程鳳台。芸は逸品だが、その強すぎるこだわりと荒い気性が仇となり商細蕊は、対立する地元の京劇界が仕込んだ客に難癖をつけられる。
そこに居合わせた程鳳台が商細蕊を救ったことをきっかけに2人は心を通わせ、程鳳台は商細蕊の一座を全面的に支援するようになる。共に支え合い、歩み始めた程鳳台と商細蕊だったが、程鳳台の妻は役者に入れ込む夫を快く思ってはいなかった。
そんな中、戦争の影が色濃くなると、自由に舞台を上演することができなくなり…。

鬓边不是海棠红(2020年)

感想

檀健次祭りです。と言っても、健次の役の陈纫香(香香)の名前が出てくるのが9話か10話。本人が登場するのが11話。ただ、出てきてからコメディになってくるし、14話以降はどんどん主人公の商细蕊にブンブン尻尾を振り回すのよ。蕊蕊と香香のBLになってきた・・・。本当に香香いい人。18話くらいの南京のパートで一度お別れして、33話の上海パートで再会してそのままお別れ。

檀健次だけではなく、Youkuで流している「追光吧哥哥」という、デビュー済みアニキたち(盛りをとうに過ぎた台湾・香港のアイドルと、実力はあるのに売れない中国のアイドルと俳優さんとラッパーとコメディアン)がアイドルを目指す番組のメンバーは、三人。順番に、李澤鋒・檀健次・杜淳。李澤鋒が一番出演時間が長くて、檀健次が退場してから、後半に杜淳がゲストで出てきます。于正のプロデュース作品は男性の配役にミスキャストがあまりないと思うけれど、本作の杜淳はミスキャストだったような気がする。あまりに華がない。

于正ものなので、テンポよく進むだろうと期待してたし、事実テンポはいいんだけど、私には京劇に関するような知識はぜんっぜんないの。「覇王別姫」くらいなの。健次の役は、陈纫香(香香)といって、ドラマオリジナルのキャスト。檀健次が何かのインタビューに「程蝶衣」がああだこうだ、レスリー・チャンの「覇王別姫」がああだこうだという話もあったので、おそらく、この作品に関連したんだろうと思う。傑作よね。

京劇ものなので、宮中もの、現代物とはまた別の種類の難しさがあります。尹正演じる、京劇俳優の「商」さんなんだけど、「商老板」と呼ばれていて、日本でも落語家さんたちが真打になると「ナントカ師匠」と呼び合う、あの感じなんだなというところがわかったくらい。実に低レベルな発見。「班主」と一座のメンバーから呼ばれるのは「座長」と呼ばれていることなのかな、というところからスタートするのでどうしようもない。。

と思ってたんだけど、脇役は見たことのある人だらけですよ。まあ、于正だし。特に同じく于正の「延禧攻略」のキャストたちがゴロゴロと。佘詩曼は「延禧攻略」撮影中に本作の話が来たとも書いていた。

・・・妃嬪が尹正と檀健次になったの?そりゃ、健次本人が美人でしょって自慢するほどの美人ぶりですけど。

(白いのが健次、ピンクが尹正)なお、この次にくるのが健次による顔芸コメディです。

楓ちゃん(程楓。以前は「程皓楓」と名乗ってた。お誕生日をぶちこわされる人ですよ)まで出てきて、楓に健次に脇役が強いんだけど、主演は主演で尹正だからな・・・。

日本には入らないと踏んでた

舞台が30年代北平(北京)ということで、おそらく日本で公開されることはない。だって、(比較的)軽く見ることのできる「無心法師」だって出ないんだもの。あっちは抗日要素はほとんどない(2は確かに日本軍の空爆があるけれど、それくらいのものだし)

さらに本作は題材が京劇、後半が抗日とくれば出そうにない。黄暁明すらも日本ではもともとそんなに知名度のある人ではないし。(なんか髪の毛が怪しくない?)

と思ってたら日本で出すんだから、すごいわ于正。

リアリティのある、臭そうなビジュアル

見始めると、「無心法師」も多少そういうところがあるんだけど、どうしても1930年代ものって絵柄に不潔感が多少ある。お風呂に入ってないだろうなぁという感じというと分かるだろうか。

程家は裕福なのでまだいいんだけど、あまり豊かではないだろうということがわかる京劇役者たちは、鼠色の服を着てるし。スタジオかセットロケっぽくて、出されていた撮影風景は普通にセットだった。なのに、完成されたものはフィルターがうまい具合にかけてあって、舗装されていない道路の上には💩が落ちてそうな不潔さが見えて、そこを長めの衣の裾が引きずって裾が汚れてるという感じ。見事にリアリティのある臭そうなビジュアルに仕上がってて、それがいいんでしょうかね。

例えば清朝までの宮廷劇だって(俳優さんたちはお風呂に入ってるだろうけど)、キャラクターはお風呂に入りません。お風呂に入るシーンはベッドシーンの記号でもある。ただ、武侠ものでも不潔感はほとんどないでしょ?

しかし、なんかどれも鼠色で薄汚いんだよなあ、30年代物って。

キャスト

主演は尹正。「他来了」で唯一怪しくない人だったけど、日本に入ってる作品では、ほかには主演作の「オリジナル・シン」くらいでしょうかね。記憶にない。そんなに顔色の悪い人ではないと思ってたんだけど、本作ではすさまじく顔色が悪い。病気設定なのかな?というくらい。顔の作りも特に周迅に似ているわけでもないのに、「如懿伝」の周迅の演技になんか似てたのはなんでだろうか。弾幕コメントでも、周迅にそっくりだね、というのが流れてたので、私だけではなさそう。周迅が京劇の何かを取り入れた可能性はあると思う。女顔とは思わなかったけれど、メイクして京劇の女形に入るとすごく可愛い。びっくり。

原作小説はBLで、もちろん中国ではBLドラマは放送できない。だからそれを改編したらしいけれど、黄暁明の演じる程凤台は、十分商细蕊にフォーリンラブしてる。子供の頃に去った母親が演じることが好きで、その母親に商细蕊がそっくりで、という感じで、あいや、マザコンか・・・。無駄に奥さんといちゃついてるところなども、不必要なまでにベッドシーンの多かった「三国機密」を連想させて、ああ、これまた典型的なBL隠し。そしてしょっちゅう「奇怪的cp又増加/出現了」とコメントが入ってくるほど、そういう感じ。

ただ、なんと言うか。やはり、黄暁明は黄暁明なんだよなあ。商细蕊を見る程凤台の目が慈愛に満ちて、父というか兄。そう。「琅琊榜2」。あっちは兄ちゃんが死んでそこからなんか過剰な歌い方のエンディングに入って号泣ものなんだけども、あれは、特別出演ということでどこでいなくなるんや?という一種の期待があったのに、今回は主演CPでしょ。これを見続けるのか・・・。見続けられるかな・・・。と思ってたけれど、香香が出てきたらぐっとコメディ寄りになってきた。

檀健次の演じるキャラクター(香香)をドラマオリジナルで追加、って、悪い笑顔を見せて似合ってたし、悪役美女役でしょ。と思ったら!コメディロールっぽくなってきたんですけれども。コメディロールも演じられるのか、君は❤️。コメディの演じられる美男なんて最高。

坊主頭をわさわさされてみたり、完全に蕊蕊×香香。また百合か。百合だな。ここに関しては、コメントが「閨蜜」になってた。おそらくこの直後に撮影に入ったのではなかろうかと思われる「モフれる愛」という映画でも坊主頭だったのだが、私は子猫よりもこの頭をモフりたかったぞ。

もちろん香香は大人気女形役らしく、すごい清楚系美女を演じている。でも、京劇の格好をしていないときは、髪の毛が不自然。それはストーリー展開上理由がわかる。さらに顔芸披露。最高。14話は美人さん2人からコメディに入ったりする、良い回だった。

続く15話もコメディ。16話では香香が上海の恋人のところにいって(北平には戻らないつもり)と言って蕊蕊も連れ出すシーンで、字幕弾幕が「閨蜜」(ぐいみー、女の子同士の親友のこと)って書かれてた。正しい。17話18話も香香はすごくいい人だった。その後チートキャラすぎて香香さえいれば解決するじゃん?上海から香香を呼んでくればいいじゃない?という話がいくつかあったり。

上海で再会する33話では、恋人と駆け落ちするのに失敗して、捕まって足を折られて人里離れたところに放置された、という話だけども、あれですよ、そこから上海の街中にどうやって戻ってきたんですか、その生命力のある人が、なぜ??

32話まではなんだかんだテンポの良い京劇役者の話です。チャレンジングな人なので重鎮に嫌われたり、別の重鎮に気に入られたりする話ですよ。しかし、32話から33話の実妹に名乗り出られない話はまだ良い。妹が私生児として産んだ姪は自分の手元にいるんだから。しかし、33話後半の(コメディ担当だった)香香の死から商细蕊は周囲にいて理解してくれていた人たち(俞青・小来・宁九郎・侯玉魁)とお別れしていかなければならなくなっていく。いわば、チートキャラの香香は商细蕊にとって比較的幸せだった時代の、青年時代の象徴だったのだなあと思った。

実際、34話からは日本人との関係でいろいろこじれていくからね・・・。1937年、盧溝橋事件から北京(北平)陥落の時代だから。33話までなら日本で受け入れられるとしても、34話からは多分無理。「覇王別姫」の「京劇に理解があり文化的な青木」のような人は出てこないわけではないけれど、そういう話ではないから。(しかし、DVDで全部出す予定なの!?!?こっちが心配してるんだけど)

戯曲パートだけ切り出してあるので、それはおすすめ

京劇役者の話なのでメタな戯曲がいくつもいくつもあります。その部分が切り出してあったんだけどなあ。全部削除されてるのかなあ。

【经典戏曲片段盘点】《鬓边不是海棠红 Winter Begonia》 | 民国传奇情感大剧 正在热播! 传递戏曲魅力 传承经典文化 | 欢娱影视 - YouTube
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演じているのは(主に)キャストですが、地では自分で吹き替えた尹正や檀健次も歌は京劇の人たちが吹き替えているようです。これはお勧めでした。

ディスクで戯曲パートだけの編集があればいいんですが。

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努力が実ったのね

健次は先に于正の別の作品にキャスティングされていたからか、香香役をさがしていた于正と話して決まって「じゃ、明日横店に来て。他の出演者も集まることになってるから」と言われてほとんど準備期間もなかったらしいのに。2015年の努力が実ったのね。

サムネは別の人よ?剣を二本持って青蛇ちゃん(青い衣を着てる)を演じてるのが健次。こっちは声も自分でやってる。かわいい。曲はジェイ・チョウの「千里之外」

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