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「スウォーズマン/剣士列伝」「スウォーズマン 女神伝説の章」「スウォーズマン 女神復活の章」

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原作は、金庸の「笑傲江湖」。この「女神」でブリジット・リンが演じたために、東方不敗を女優さんが演じるようになっちゃう。

スウォーズマン/剣士列伝

究極の秘伝書「葵花宝典」を巡る最強の武術家たちの戦いが始まる……!

原題: 笑傲江湖 1990年

感想

監督は、キン・フー。ただ、途中降板して、ツイ・ハークとチン・シウトンが引き継いだというもの。ツイ・ハークでカウントしていいのか、チン・シウトンでカウントすべきか。

チビってなんだか見覚えがあると思ったらセシリア・イップじゃない。これから13年で「薔薇のために」か。たった13年!

本作の主人公は「令狐冲」。令狐が苗字。 

ホイ兄弟ものとして見たのだが、サミュエルは「Mr.Boo!」から14年。相変わらずいい人っぽく見えるし、コミカルな部分はさすがに上手い。ただ、14年たっても少し老けただけで変わらないのは如何なものかと思うぞ。

ジャッキー・チュンに演技達者なイメージはなかった。
しかし、今回は悪役で非常に良い。ペンジーのふりをしたときの良い人っぽさが不気味であった。

キン・フー監督ということだが、どこをどう見てもツイ・ハーク&武術指導のチン・シウトン映画(上手くいったバージョン)であった。

スウォーズマン/剣士列伝(字幕版)

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サミュエル・ホイ, イップ・トン, ジャッキー・チュン, チョン・マン
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スウォーズマン 女神伝説の章

日月教を信仰する苗族を支配する魔人・東方不敗は、武術の秘伝書“葵花宝典”を狙っていた。剣の達人令狐冲は、それを阻止するべく立ち上がる。

原題:笑傲江湖之二 東方不敗 1992年

感想

監督はチン・シウトン(程小東)。もちろん、プロデュースはツイ・ハーク。

前作「スウォーズマン」からキャストが入れ替わり、令狐冲はサミュエル・ホーから、ジェット・リー。 

この荒唐無稽さがツイ・ハークとチン・シウトンの醍醐味ではないですか。という楽しさです。

キャストは一新されてジェット・リーにロザムンド。ロザムンドの声がなんだか聞きなれない。おそらく吹き替えられたな。(でもなんで吹き替えるんだ?)

前回「チビ」と字幕が振られていた妹弟子だが、今回の字幕は「ツァイツァイ」。岳靈珊なんだけどなあ。珊珊かな。

中国の英雄ものって、必要以上に美化することがある。例えば三国志演義の劉備とか。さらに水滸伝の宋江とか、妙におぼこい主人公(男)と決まっている。英雄色を好む、というけれど、なぜか童貞臭い(けれどもてもて)という男が主人公になることが多い。現代でもその伝統は生き残っていて、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」のフェイホンもそうだし、ジャッキー・チェンは常におぼこい役を演じる。そういう主人公に少し食傷気味だ。

さらに、助け出した人はいい人と決まっていたり。

けれど、本作は少し違う。東方不敗は野心的な人物であり、悪党だということになっている。しかし、令狐冲が助け、令狐冲が愛さないわけではないインの父であり、東方不敗の兄である教祖は東方不敗の上をゆく悪人だ。自分を助けてくれ、またインの愛する令狐冲ですら、漢人であるというだけでパージする。

いわゆる、「武侠モノ」の文脈からは随分と懸け離れた人々である。

ツイ・ハーク、チン・シウトン、ジェット・リーそしてロザムンド・クヮンとくれば、ご存知「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」なのだが、ジェット・リーは気が多いし、落ち着きがないし、酒に溺れている。人間臭さをあまり感じないジェット・リーなのだが、今回は合格。

さらに助け出した教祖はむはははは、と敵ではないけれど決して味方でもない、野望の塊である。これもまたよろしい。救った相手が敵以上にどうしようもない存在でむしろ邪悪だった、だなんて現実にはありがち。

問題はブリジット・リン。確かに美人だったんだろうな、と思うし、キリッとしている。しかし、色気はない。頬の下の部分が垂れ下がっていて、マリオネットラインばっちりだ。しかも野望を企む東方不敗にしてはやたら生真面目そうで、服部たち日本の忍者にだまされてるんでしょ?という感じなのだ。教祖の方が怪しいし、変態ちっくだよ?

でも「楽園の瑕」はこのブリジットあってなのだろうけれど、あちらで見せた妖艶さがないのが残念だった。

そして、忍者が喋る日本語に字幕が欲しかった(聞き取れない)

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ジェット・リー, ミシェール・リー, ブリジット・リン
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スウォーズマン 女神復活の章

魔人・東方不敗が身を投げた黒木崖に、明政府の将軍が訪れる。そこには墓守りと思われる老人がいたが、実はそれは東方不敗本人だった。

原題:東方不敗 風雲再起 1993年

感想

監督はチン・シウトン(程小東)。プロデューサーはツイ・ハーク。

物語としてはナンノコッチャ、だろう。仕方がない。そういう作品なのだから。

ジョイ・ウォンと女優(作中では男)が舌を絡ませるところとか、そのときのジョイ・ウォンの回想でのジョイ・ウォンとブリジット・リンのレズシーンとか。ここで気づいたね。とにかく、ブリジット・リンを見よう。ジョイ・ウォンを見ようという作品なのだから。

前作「女神伝説」ののち、東方不敗が深い反省をしているのもわかる。「民衆は希望を欲している!東方不敗こそ希望だ!」というのは明末の政治の失敗と内憂外患を表しているのもわかる。東方不敗が遊女の中に入って「私もお前たちと同じく、名前のない存在だ」というのもわかる。ただし、一つずつが繋がっていかない。

東方不敗とは何か。
ブリジット・リンがひたすら男顔の美人なのはわかった。遊女シーンとか今回は妖艶だ。でも、男装したジョイ・ウォンのきりっとした表情の方が美しい。ジョイ・ウォンって美人だけど、清潔性にかける美人なのに。

でもしょっちゅう爆笑シーンがあって、例えば、カジキに襲われるクー提督だが、カジキは人形だし、さらにカジキに乗るブリジット・リンには腹を抱えて笑った。あー、香港。これが香港。

きになるのは「East is Red」という英語タイトルだ。東は赤い。赤。それは共産党の色だ。97年、香港は中国に返還される。91年、ソ連は崩壊した。ヨーロッパにおける冷戦は終結。しかしアジアでは?東方は相変わらず赤い。

「東方不敗」が「東西方不敗」と名乗った。世界を征服してやる。
2015年における中国の政策こそ領土拡大・世界征服ではないか。「東西方不敗」それこそ習近平のいうところの「中国夢」ではないか。

ツイ・ハークという人は決して愚かな人物ではない。20年後を指摘しているように見えるのは、私が2015年に本作を見ているからだろうか。それでも、現在のツイ・ハークはむしろ中国とべったり。

本作において東方不敗は前作における惨劇を深く反省した。しかし、再び野望を抱く。最後はそれを捨てて立ち去る。今後の中国はどうなるのだろう。

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(すごい値段になってるけど、わたしゃレンタル)

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