陰陽師 二つの世界

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「陰陽師」というと、夢枕獏原作での岡野玲子の漫画の陰陽師じゃないです?

陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫)

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これが日本で映画化されてるわけ。

映画「陰陽師」

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映画「陰陽師II」

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2000年代の女子大生だった姉さん、履修済みです。

この、夢枕獏原作として「陰陽師」が中国に渡り、モバイルゲームになったようです。簡体字では「阴阳师」らしいよ。

2021年の春節映画に、陰陽師ものが二つあって、郭敬明が監督した「晴雅集」は小説から映画化してます。もう一つが、モバイルゲームを映画にしているのがこっち。原題は「侍神令」。監督は、李蔚然。主演は陳坤。中国がどう陰陽師を料理するんでしょう!ってちょっとワクワクしてた。日本の映画がアレだったのは当時のCG技術がアレだったから仕方がないんだけどねってことにしてる。

さて、ストーリーは、半人半妖の「晴明」が「平京城」を救う、と言うお話です。「二つの世界」の日本語サブタイトルは、人間世界と妖怪の世界という意味です。

で、ね。平城京でも、平安京でもなく、平京城なんです。

「源博雅」は、源博雅ではなくて、平京城の金吾衛侍衛の、袁柏雅というキャラクターです。これ、中国語学習者なら気づくと思うんだけど、袁柏雅(Yuán Bóyǎ)と源博雅(Yuán Bóyǎ)。発音が四声まで全く同じです。演じたのは、屈楚蕭という若い俳優さんで、どうやら「如懿伝」で大人になった永琪(第五皇子。海蘭の子。)を演じていた子らしく、周迅との縁での起用でしょうか。

その周迅が演じたのは、阴阳寮掌案の百旎。これ、八百比丘尼(北陸地方の、不老長寿伝説の人)が元であると百度に書いてあって、周迅には似合います。七年前、晴明が阴阳寮から失踪した事件で、大師兄だった慈沐は死に、天才晴明も失踪して百旎が次代の阴阳寮掌案(掌門)になったわけです。日本の平安時代に女性が外を走り回るなんて、まあ、ありえない。ありえないから「とりかえばや物語」になるわけです。しかし、ここでは、男装しているけれど、みなこの人が女だと知っているわけです。日本だったら、天海祐希に振りたい役だ。

ここまではいいんだ。「侍神」というのは、結局のところ式神でして、妖怪は主人を得て侍神になり、主人が悪人ではないなら侍神も悪いことはしない、というのが本作のテーマでもある。日本語なら赤鬼だなあ、というのが鬼赤になるのも「赤」という名前の「鬼」と捉えたんだねえということで、悪くはないんだ、悪くは。ストーリーテリング上、妖女に育てられた神乐という少女がいたっていいんですよ。だってここは平安京ではなくて「平京城」なんだから。

問題は、慈沐。茨木童子が原型らしいのだけど、んー。陳偉霆が周迅と陳坤に勝てるわけがなかろう、ってすぐに思うじゃないですか。まるっと十歳若いのに若さがない点が兄弟子にふさわしいけれど、あまりに軽いのよね。周迅と陳坤という、50歳に手が届きそうなコンビを起用している点で、この作品に若さがなく、柏雅に若手を持ってきたけれど、若すぎてその間に陳偉霆というのはわかるんだけど、とにかく軽すぎる&演技が雑すぎる。逆にね、陳偉霆が晴明で、陳坤が慈沐、だったら、客が入らない&陳偉霆が演じられないか。仕方がないか。陳偉霆は王凱と並んで、相性がよくないから避けとけってフラグなのに見た私が悪かったか。

そういうことです。十年前だったら、陳坤でいいんです。それが「画皮」でしょ?

ところが2021年には晴明には年をとりすぎているということ。スマホで見るのが前提だから、顔がアップ、アップ、アップの連続で、メイクでもなかなか年齢を誤魔化せない。やはり晴明に三十代半ばくらいまでの俳優を持ってきて、師姐だった百旎に周迅、慈沐に陳坤、という方がよかったんじゃないかなあ。そうすると、柏雅が二十代でバランスが取れてたと思うのよ。問題は誰を主演に据えるかですけどね。

ストーリー的にも問題があって、柏雅が後半は蚊帳の外。そもそも晴明と仲良くなっていくシーンもないし、どこで信頼関係を構築するの?という感じ。アクションシーンはいくつもあるけれど、仲間感がない。酒を飲んで笑ってるシーンはあっても、それだけです。切り離されてしまっていて、続編に乞うご期待!ってのが全然効かない。鬼赤と柏雅の仲は描けたのにねえ。

春節映画なので、周迅と陳坤でおめでたい映画なんだというのはわかっちゃいるけど。CGもそうですか、ストーリーテリングもプア、キャスティングも問題とくると、やっぱり中国映画ってダメだなってことになってくる。ですから、いつまで「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」やるんでしょうね、って。

良かった点は、日本映画なら、晴明と百旎の間の恋愛感情みたいなのがあって、慈沐が横恋慕しててそっちが理由で黒化しそうだったり。「おほほ、○○さん、あなたが熱くなる理由がわかりましたよ」みたいなのが、全部ないところ。晴明と百旎の間には信頼関係だけがあるんだなってのがすごく良かったし、百旎というキャラクターには性別すら不要で、三人が子供の頃に桃園の誓いをやってても良かったような雰囲気すらあります。

私は中国VODアプリで見るから、郭敬明の方はいつ見られるのか、永遠に見られないのかがわからないのだけど、あっちは明確に怖いもの見たさで見たいんだよ。

コメント

  1. […] 先日見た、「侍神令」に「唐人街3」の出来があまりに悪かったのだけど、これはステージが変わった感じがする。 […]

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