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蒼蘭訣~エターナル・ラブ~ (苍兰诀)

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2022年最大のヒットかな。私、あんまり仙侠ものは好きじゃないんだけど、「花千骨」は好き。「三生三世」はうーむ。というわけで、私的に当たり外れが大きいジャンルなんだよ。本作はびみょーなラインだったけど、最後の方の東方青苍の決断と、长珩と丹音の終わり方で、好きな方にカウント。ヒロインはかなり…だった作品にしては珍しい。

2022年に一番売れた俳優は王鶴棣だったのだと思うけれど、これのおかげ。王鶴棣は「ディーディー」。2022年に結構売れた健次が(ポンコツ兄さん的な使い方の)「大哥」で、賞で一緒になっても客席から王鶴棣が「た〜が〜」って声をかけたり、跨年で肩を抱いたり結構仲良しっぽく振舞ってて(本当の関係は知らん)。ということで健次のお友達(?)を見る回。

タイトルの意味は「苍」と「兰」の秘密、ですかね?日本語タイトルもそのまんま「そうらんけつ」ぽいのがありがたい。

頼むから「壮大な世界観」とか言わないでくれ。あの3Dプリンターで作ったっぽい髪飾りとか鎧とか見ておくれよ、ドタバタコメディだから。あと、「ゴージャス」ではない。これ、下馬評を覆してヒットしたもので、予算かけてないから。あれ絶対3Dプリンターで簡単に作ったでしょって感じのものだらけだから。

苍こと、東方青苍が月尊さん。兰こと小兰花はランから生まれた仙女。「兰」は蘭です。

小兰花と東方青苍が入れ替わってまた戻るのだけど、東方青苍は小兰花の感覚にひきずられるようになって、息兰の術をかけられたと気づき、これを解いて欲しくて小兰花に近づく。小兰花は東方青苍は何千年も閉じ込められた初めて自分を見たから好きになっちゃったのだと思い込み…

って、コメディですから、これ。結構深刻そうな顔をしてスタートするし、東方青苍も深刻そうな顔をしているのだけど、コメディです。仙侠ものには大抵どこかに変な造形の人がいるんですけど、花千骨の姐姐と眉毛のコンビとか。これ…月尊と雲中君がよく背負ってるのも変だし、髪飾りも変だし、长珩仙君をはじめとした鎧のデザインも変なの。

コメディです。後半からSMチックになるけど、「花千骨」ほどではない。

ただし、最終話の東方青苍の戦いは禅的なというか、仙侠ものに仏を出さずに仏教的な思想を打ち込んだなあと思う。あれで良い話だったなあって変わったので。

感想

以下結構ネタバレしちゃってる感想文なので、嫌な人は逃げるべし。先に書いたからね。

小兰花が长珩仙君の宮に仕える試験(仙考)のところは「花千骨」そっくりですね。ところが、长珩は白子画ではないんだなあ。白子画もだったけど、気持ちに素直になれよ、长珩。友達はアレだしねえ。ポンコツ白子画ほどではないけど、戦神长珩仙君も結構(抜けてる)。しかしいい人。本当にいい人。面白月尊は、愚かでうるさくておせっかいな小兰花にあげるから、カモン。みたいな気分になってくる。(二番手くんが好きなのよ、本当に)

あ!白子画と言えば、これは「花千骨」の花千骨と姐姐がくっつくようなものか!王鶴棣のメイクが濃いと…たまに天海祐希っぽさがあってイケメンというよりも女顔だったんですね…。表情と行動が乖離してる月尊さんが、世話焼きのおばちゃんに見えてくるんだけど、そこも姐姐なら納得だ…。(そういや、花千骨の尊上こと白子画の一人称は「本座」ではなかったですね。「さはん」「には」含め、中国の作品で一人称が「本座」なのってみんなおもしろ系?)

ただ、小兰花の方は、中華圏のいわゆる「元気満々少女」なんだけど、あんまり…。「大強が来るまで私は孤独だった」と言うけれど、泥棒娘には「友達でしょ、私たち」と言ったり。一貫性がないというか。性善説を大義名分にして人の心の中に踏み込み、泥棒娘含めてあまりにもデリカシーがなさすぎる。東方青苍に感情を取り戻させるところなんか、気の毒だったもの。感情を捨てることによって業火をあやつれるようになったわけで、それがなかったら負けかねないんですよ。いろんなのに狙われてるんですから、東方青苍さん。あの、感情を奪うのだって、父親の愛情ゆえだろうということもわかるでしょうに。本座が満足してるからいいということなんでしょうけど…。ストーリー上も「東方青苍」が良い人になるのが必要なのも、この二人をくっつけたり、中国の検閲をパスするのに必要なんだろうと思うんだけど。本当に業火を失うし、苦労するし。

むしろ丹音の方が共感できた。花千骨の霓漫天的な存在が二人いるのかな?いつ闇落ち?と思ってたら地味顔の片方はさっさとxされて。こっちが傲慢なお嬢様なのかと思ってたら、小兰花のことを信じてるし、ツンデレ系?と思うと、キャラクターとして割と共感できるところのある花千骨のメアリー・スーぶりは許せても、キャラクターとして共感できない小兰花のメアリー・スーぶりが許せないのかな、私。丹音の「母親」のところで、あー、そういうことかー、と気がついた。

ラストの长珩と丹音の関係もとても良かった。

婚約者がいるからと気持ちを伝えられない长珩より、长珩としての意識というか記憶を持たない、人間としての萧润の方が素直に小兰花を愛せた、というのも。惚れ込んだ相手がよりによっても婚約者本人なのに、本人と长珩だけが気づいてないのも、长珩の残念な感じがよく出て私は好きです。息芸に「東君の末っ子よ、我々にはこういう責務があります。結婚してその責務を果たしましょう」と言われても全然嬉しくないという、素直な、残念キャラとして私は长珩が好きです。(もともと好きなんですよ、この手のキャラが。なので下駄を六つも七つも履かせてるよ)「東方青苍を救うつもりで、そのために自分の命を犠牲にするつもりなんですね…じゃあ、俺は?俺はその手伝いをさせられるの?」って、答えももらえない。どうでもいい相手だからそういう扱いされてるのも理解できちゃう、もう…この残念な感じがたまらん。しかもあれを見せられるんですよ、もう…。このキャラが好き。

萧润として谢惋卿をアレしてしまわないとならない運命なのに…あのポンコツカップルが介入してしまい、という設定だけど、そりゃまあ、元神(ここの「神」は魂的な意味。元神の意味は精神のコアというか。転生する魂というか)が戦神赤地女子なら、元神が戦神长珩の萧润とは引き付け合うか反発するかでどっちに転んでも激しそうだ…。とは言っても、東方青苍にも惚れ込んでたから、戦神赤地女子、激しいのが好きそう…。そういうところだ、容昊。あの人は激しいのが好きなんだよ、多分。

キャストについて

おもしろ月尊さんこと東方青苍を演じる王鶴棣の演技がうまいうまい。特に入れ替わったときが本当に上手でおかしかった。「本座」「本座」と言ってる月尊…。かわいいの。「她是本座的人…」って現れるところの妙なかっこよさよ。その人の最後の選択が禅的で、予想を外した。

本当、月尊は「クセになる妙なかっこよさ」なので、要注意。

歯並びがすごく悪いらしく、口元がちょっと残念なんだけど、下手に矯正すると老けるしねえ、考えもの。

中身もわりにいい子みたいで、私の知る限り、バラエティで虞書欣のぶりっ子にちゃんとつきあってやる唯一の俳優さんだもの。商売する家の子らしい、小さい頃から人前に立ってそうないい子ぶり。あ!「月光変奏曲」の丁禹兮もバラエティで比較的相手をしてたけど、王鶴棣よりは腰が引けてた感じ。

长珩を演じた張凌赫だけど、この手の役を私が嫌いなわけはない。下駄を七つぐらい履かせてるんだよ。ただ、萧润の方が持ち味がよく出せるのかな?という感じで。この役は主役よりも同情できる役だし、悪いことに手を染めないし。长珩は本当に残念ないい人で。长珩としては「俺に対してひどすぎない?」のところで腹を抱えて笑ってしまったけどねえ。

ただしキャラの中身も外見も面白すぎる月尊さんと張り合わないとならないから、そう言う意味でもちょっと不利だったのかも。うまく演じられれば王鶴棣を喰えただろうに。萧润がこのドタバタコメディにフィットしてたので、本気を出していいんだよ?遠慮しなくていいんだよ?と思ったわけ。なんか惜しかった。あれ、なんなんでしょうね。人と人のケミストリーとしか言いようがないんでしょうけれど、フラれ役で売れる人と微妙な人と。

あと、なんか見覚えがあると思ったら。白鹿の、だし。ドラマ版の天官の花城か!というので納得。ところであれは撮影が途中で中断してる?撮影に入ったところで、山河令の騒動になったでしょ?無事に撮影は終われたの?とそっちに意識がいってしまう。

容昊を演じたのは、ポンコツ男ばっかり出てくる「花千骨」の中の、ポンコツ皇上じゃないですか。徐海喬。ポンコツ皇上以来お久しぶりなんだけど、演技が上手になった気がする(何様よ?って話だが)。そこそこ悪人だらけの仙界で二番目に悪いやつだけど結構同情したもん。一番悪いのは云中君でしょ、毎回この手が一番悪い奴に見える。

赤地女子(どういう意味?赤の女?)を演じた郭曉婷は最近かなり猛プッシュされてる人なんだけど、子役出身で、私が見た中なら、仙剣3のじゃがいもとか。ジャクギの敏敏(モンゴルの姫)。戦神赤地女子では若すぎる感じがしたけど、谢惋卿としてはすごくきれい。ただ、そんなに演技が上手いかなあ…というところ。

そういえば、王鶴棣は月尊と、小兰花が入った月尊の二つ、虞書欣も小兰花と、月尊が入った小兰花、そして息芸の三つ、張凌赫は长珩と萧润の二つを演じてて、郭曉婷は赤地女子と谢惋卿。割りにみんな二つずつ演じてたんだなあ。

バラエティに出てくると、ぶりっ子ぎみでドン引きされたり、塩対応空気扱いされる虞書欣なんですけど、これがまたぶりっ子な演技で。ただ東方青苍と入れ替わった時のダークな雰囲気は割に良かったので、年をとってぶりっ子がきつくなったらそっちに行くといいと思います。多分李純よりもうまく悪女を演じられると思うんですよ。蒋欣の路線が近いかな。

声は自分で吹き込んでいるようですが、なんとなーく台北女子の喋り方に似てる。ほんと、中国語能力が多少上がった状態で(と言ってもHSK5級でしかないが)台北に行ったら、つられてわたくしも声が日本よりも高くなった。多分日本だったら吉高由里子の台詞回し(ただしハイトーンボイス)が近そう。バラエティでもこの喋り方で出てきます。このまんまの喋り方で悪女をやるといいと、すっごく怖くて良いと思うんだよね。でも、崇气の影響を受けたときも本座と同じ演技だったからな、演じ分けるんだよ。あそこは本座じゃないんだから同じじゃダメなんだよ…。

三つ目の息芸は、小兰花のキャラクターと正反対だから演じ分けやすかったんでしょうね。低めの声にして良かった。やっぱりあのぶりっ子は天然じゃないんだろうな…。戦略的ぶりっ子。

虞書欣は角度によっては福原愛に見えるし、確かに福原愛の中国語は台湾風だし声の出し方なんかも虞書欣っぽいんだなって。多分時系列的には逆で、虞書欣が福原愛っぽいんだろうな。中国の人が福原愛が大好きなのはこういうのが好きなのか…と思いました。

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