金や名声のため、強力な武器を求めて世界中を旅する男、ウィリアム(マット・デイモン)。
彼はたどり着いた万里の長城で、巨大な地響きとともに圧倒的な数で迫りくる謎の生物に遭遇する。
それは、饕餮(とうてつ)と呼ばれる、人間の欲深さを罰するために60年に一度現れる伝説の怪物であり、万里の長城が築かれた最大の要因だった。
饕餮が長城を越えて都に迫れば国の滅亡が避けられないばかりか、人類すべてが食いつくされてしまう――
饕餮の大襲来を食い止めようと、中国の戦士たちが万里の長城に集結していた。
ウィリアムは、彼らの戦いを目の当たりにし、その気高い自己犠牲の精神に心動かされ、自分の目的のためでなく、世界を守るために戦う事を決意する。
果たして、饕餮の進撃を止める方法とは?そして、ウィリアムたちの運命は――。
原題:长城 2016年
感想
監督はチャン・イーモウ。
イーモウは、王妃の紋章くらいから色彩感覚がおかしくなってるんじゃないかというほど、変。アメリカに市場を設定したいのか。「エイラク」を見ても現代中国人でもクラシカルな色彩が受けるようになってるんだけどなあ。
衣装も、2021年に出てくる中国ドラマの衣装のクオリティと比較すると、もうとんでもなく。皇帝(演じているのはTFBoysの王俊凱)の、折り紙の金色で作ってる?というチャチな衣装なんて、ありえないですよね。
饕餮(とうてつ)というのは、中国の伝説の生き物で、饕餮文とされている模様は、青銅器によくある。
饕餮文のものはアップしてなかったかな。
上海の青銅器博物館や、台北の故宮博物院、多分奈良国立博物館の青銅器パート、福岡市美術館でも見られると思うんですよ。
魔除けでもあるらしく、その饕餮をこう使っちゃうの!?!?!?ということで、これは中国人監督でないと撮影できなかったでしょうね。
クオリティも「エンターテイメント」以上のものではなく、そりゃ、3Dで見れば変わるかなあと思うレベル。「チャン・イーモウ」の名前でキャストを集めてきました、という感じ。
キャスト
アメリカ側は、マット・デイモンにウィレム・デフォーと、よく引っ張ってきた。
ところが、マット・デイモンは、「インファナル・アフェア」をリメイクした「ディパーテッド」に出演していましたし。結構アジア系のものが好きなのかしら。
中国側には、そのインファナル・アフェアのアンディ・ラウを持ってくるのは、そういう配慮でしょうか。チャン・イーモウとは、Loversですね。
若手は、ケニー・リンに、黄軒、エディ・ポン。どこにいたかよく覚えてないけど、ルハンまで引っ張ってきた。
ヒロインは、景甜。いまいちヒットできない人ではあるのだけど、これは作品選びだなあという感じ。