秘岸

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重慶にて。タクシー運転手が交通事故を起こした。運転手本人は行方不明。乗客だった若い女は足を負傷。運転手の遺体が長江から上がってこない。失踪宣告までの間、保険金も降りない。誠実に対応したいと思うが、動物病院で働く運転手の妻には、若い女の病院代が払えない。運転手の妻は女に自宅に来るように言う。夫妻の高校生の息子を含めた三人の生活が始まる。二年後、運転手の保険金がおりた。息子は保険金を渡すために女のところへ行き事故の真相を、。

原題:秘岸 Lost, Indulgence 2008年

感想

監督は張一白。

KTVで働いていた若い女・蘇丹を演じるのはカレン・モク。運転手はエリック・ツァン。運転手の妻はジャン・ウェンリー。で、息子・小川というのがおそらくMICの選抜直後くらいの檀健次。母親の目の前に現れる香港から来た男はイーソン・チャン。小川の同級生で気になる女の子は、なんと馬思純

というわけで、檀健次祭り。デビュー作です。MICでバラエティに出たときに「この子はイーソン・チャンと共演したことがある」と紹介されたり、自己紹介したりして、長らくご本人にとっては勲章のようなものだったらしい。とはいっても同じ画面に入るシーンはなかったと思う。声変わりは終わってるけど、まだ少年っぽさが微に残る感じ。無駄に半裸になるんですが、割に焼けた手足が長い。実際に少年ですが、美少年ではないです。そういう役ではないから。

一家の住んでるところが、なんとなく九龍塞城っぽさがあって、冷房もないのね。中国の三大竈と呼ばれる熱いらしい重慶で。坂の町重慶で、もちろんエレベーターなんかない。そんなところで足を怪我すれば大変難儀なことになります。

男の子の目の前に年上の女、それも体を武器にして生きていたような女が長い足を投げ出せば、もともと同級生が気になっててもそっちに目がいっちゃいますよね、そうですよね。まあ、フラストレーションたまりましょう。手先の器用な小川が蘇丹の足に絵を描いてやるシーンはちょっとセクシーでした。

本来、この少年・小川の成長記らしい。うまくいかない同級生・青青への恋。失踪した父親と入れ替わりにやってきた蘇丹。妊娠してるのに「母親」が「女」になる。そのくせ、母親は蘇丹には息子から離れろと言えば、まあ荒れますね。それよりショックだっただろうことは父の事故の「真相」だろうけど。どこまで本当やら。

母親はと言えば、アル中気味ではあっても誠実な人ではあったのに、夫が失踪したとたんに妊娠が判明。そして香港から来た男とねんごろになってしまう。その男がこれがまた、あまり質の良い男ではない。お金を出したり、お金を回収したり、どこまで本気やら。

蘇丹は、KTV=カラオケで働く女。中華圏のKTVというと、日本式のカラオケもあるけれど、お姉さんが接待してくれるところというイメージがあります。運転手の愛人で、KTVから抜け出すために起こした事故だと蘇丹は主張する。どこまで本当やら。

気になる青青はもっさりし「北京の大学に行く」と言ってたのに、バスの運転手とどうも怪しい。目を手術してメガネを外せば、美少女になってしまう。別れの際には「(バスの運転手とは)なんでもないのよ。手術代を出してくれただけ」と小川に言うけれど、どこまで本当やら。

というわけで、小川少年が三人の女に振り回される話らしいんですけれども、母親に時間を使いすぎたのか、焦点がはっきりしなくなってしまう。それが惜しい感じ。母親の新しい男と小川のシーンなり、何かあれば、小川の話に引き込めたと思うんですよ。そこが惜しい。

二年後、何もなかったかのように暮らす母と息子、そして幼児の妹。見なかったことにして、臭いものに蓋をしてすごす、普通の人の不気味さの表現なんか、悪くなかったのにね。アン・ホイ的な、市井の人々の生活に仕上がっただろうに。という惜しさがあります。

檀健次&馬思純

二年後、男と別れたのか母親は小さな女の子を抱えて、小川は小川で働いているのか、地元の学校に通っているのか。二年前の小川の行動が、童貞臭いというか、女扱いが下手というか。特に青青に対してキモいし、蘇丹には駆け落ちを持ちかけてみたり。それに対して、蘇丹を探しに広東省の田舎に行ったみたいだけど、そのときに父親とのツーショットが蘇丹(やはり足が悪い)の財布に入っているのを見てびっくりするんですね。そこから蘇丹の「真相」の話になるのだけど、「そんな話、信じるかよ。リスクが高すぎるだろ」とあしらう。そこの蘇丹とのやりとりに童貞臭さがありません。

確かに、父の運転していたタクシーは事故現場に落としてしまうけれど。それは誠実だと思っていた父親が家族を裏切っていた、そこだけは事実だからでしょう。

そこで確かに二年間の成長が感じられるんです。後に、「軍師連盟」では朗らかだけど倫理観の欠如した司馬昭少年がサイコパス青年になります。「三国機密」で幼気な少年だった曹丕が青年に闇落ちします。人の「成長」を演じられる人だと思ったけれど、そもそもこの頃からだった。

專訪檀健次:聽到吳秀波想見我,這肯定是騙人的
本文原標題爲《上《我就是演員》前,檀健次被吳秀波看好》從《軍師聯盟》《虎嘯龍吟》中野心外露的司馬昭,到《三國機密之潛龍在淵》裏心思深沉的曹丕,檀健次曾屢次在歷史劇中詮釋重要角色。但在搜索引擎中,大家對他的記憶仍停留在偶像團體M.I.C成員上

によると、MICに選抜された頃に演じたようです。檀健次の演技って、観察眼と想像力とある程度思い通りに動ける運動神経のたまものだなあと思っていたんです。上のリンクによると、本作では張一白に一日あたり5元渡されて、重慶を歩き回り、観察させて、夜にその真似をさせたというんですね。これですね。

肌にニキビがあって、確かに彼は今でもそんなに肌がきれいではない。「愛される花」では肌がちょっとボコボコ気味で、若い頃にニキビが噴火してたんだろうと思ったけど、健次少年、ステロイドで抑えておけばよかったね。

小川が気になってしょうがない同級生(しかもバスの運転手となんか出来てる)のメガネをかけた馬思純がすっごく芋っぽいの。ただ、小川の母親役の蒋雯麗の横顔が馬思純そっくりで、息子は母親そっくりの女の子に惹かれるの?と思ったら蒋雯麗の姉妹の娘が馬思純らしく、血縁関係にありました。

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