斗羅大陸〜7つの光と武魂の謎〜(斗罗大陆)

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聖魂村(せいこんむら)で鍛冶職人の父と暮らす唐三(タン・サン)は、亡き母に代わって酒浸りの父の世話をしながら鍛冶と秘伝書『玄天宝録(げんてんほうろく)』の修練に励む日々を送っていた。
ある日、森で巨大な毒グモに襲われ間一髪のところを見知らぬ男に救われる。
狼男に変身できるその人物は武魂殿(ぶこんでん)の素雲涛(スー・ユンタオ)と名乗り、唐三に興味深いことを教えてくれた。
人は皆、武魂を持っていること、唐三を襲った毒グモは“魂獣(こんじゅう)”で、倒すとその力を得られること、自分は“魂師(こんし)”であることなど…。
そして、村の子供たちのために行われる武魂覚醒の儀式に招かれた唐三は、推薦を受けて初等魂師学苑に入学することに。
旅立つ唐三に父は、武魂殿に加わることを禁じ、『玄天宝録』の存在を秘すよう釘を刺す。
学苑では、武魂理論に詳しい不思議な雑用係“大師”を始め、一癖ある面々が待ち受けていた。
唐三は城主の息子に敵視され、ケンカが好きなウサギ武魂の娘・小舞(シャオウー)、大師とともに、事件を起こして追われる身となってしまう…。

2021年 斗罗大陆

感想

キャスト含めて、いろんなところが「蒼穹の剣」(これがまたあまり面白いわけではない)。これ、一種のジャンルなんでしょうね。端的に言えば、中華式の「ハリー・ポッター」なのよ。ということで、10話まで見たら、もういいでしょう?というお気持ちよ。ギブだギブ。本作はほとんど中国で話題にならなかったと思うけれど、そもそも私個人とは徹底的に相性が悪いから引っかからなかっただけかもしれない。

同じ時期に出た作品なら、実は2021年は「山河令」が出るまでは、一番「赘婿」が話題になってたような気がする。私同様、この手のストーリーと相性の悪い人は是非「赘婿」を見てみてほしい。

天性の才能(生まれながらの特別な能力)に恵まれた少年が学校(これが、ハリー・ポッターのホグワーツ式)で、意地悪なボンボンにいじめられ、仲間ができ、才能を開花させというところがまさしくハリー・ポッターです。血とか、運命とか、飽き飽きしてる。

押しかけ彼女がいて、物分かりのいい師匠がいて、というところが「蒼穹の剣」そっくりです。「蒼穹の剣」ほどモテてないけど。劉美彤がおんなじような素直じゃないツンデレ系お嬢さまっぽい役で、同じように演じるのもなんだかなあ。「蒼穹の剣」での印象が良かっただけに、同じように演じるから、「あー、こういう女優なんだ」というレッテルを貼ってしまう。

主演の肖戦があまり演技ができる人ではないのは、彼の出演作を数本見てるからわかってた。この世代の俳優の比較の対象が、檀健次(肖戦より一才上)なので、普通の俳優さんの歩が悪いのは仕方ない。肖戦って李易峰や馬天宇みたいなタイプの俳優さんでしょ。「陳情令」は世界の作り込みの美術であったり。演出であったり。BL風味なのが良い、とかさ。上げ底してもらってたんだなあとつくづく思います。ただし、上げ底をしてもらえるというポイントまで含めてが「実力」だと思いますよ。決して肖戦の実力が人気に追いついてないというわけではない。

しかしながら、「蒼穹の剣」で人は良さそうだけどぬぼっと演じた役と、本作の唐三が、このまんますっと入れ替えたって違和感がないと言えばいいでしょうかね。「蒼穹の剣」では途中で消えていたので、その間彼は彼で(同様に肉体とは別のところで)修行をしていてそれが本作の唐三であって、なーんて感じです。それだけ、世界観が近い作品で、やっぱり同じように演じてしまうと、あーこういう風に演じちゃう人か、という感じ。演技力が足りてないというのは、そういうところ。

ヒロインの小舞を演じた呉宣儀は、よくある通り、ヒロイン役にアニメ声声優を当てられているのが気の毒ではあります。しかし、それが似合うような、よく言えば(中国語で言うところの)「元気満満少女」というキャラなんですが、だからこそ「動ける人なのね」で終わってしまう。多分10年から15年前の作品なら劉詩詩の名前がキャスティングで上がってると思うのだけど、役にちっともはまってないときの劉詩詩より微妙じゃないか?というとわかる人はわかると思うんだ。

お久しぶりです、辰亦儒。彼が師匠なのよ。ほそーいイメージがあったのだけど、結構体をがちっと作られてる感じでちょっとびっくりです。顔も無理な若作りをしないのですごく自然です。

おひさしぶりとはいえ、終極一班5で俳優復帰を見てるからそうでもないんですけどね。3年か4年くらいキャリアにブランクがあるような気がするんですが、学校行ってたんでしょうかね。なんか最近MCやってるのを見かけたような記憶があるんだけど、俳優してない間は主持人業をやってましたっけ?この人はやはり賢くて、飛輪海ブームの後に無理なイケメン売りをしなかったので、男二・男三役も平気なんでしょうか。20代から30代を主役のイケメンでブイブイやってた人が年を重ねて40になったら、男二です、男三しか役がないですってのはちょっときついですよね。女優メインの作品の男一ならまだしも、みたいな。それで微妙に消えていく人は少なくないし。女優をひっかえとっかえ、それこそ、ここに自分のニーズがあると信じて、同じように演じていく人になるしかない。

なので案外、彼はのんびりと俳優として続きそうです。40代がイケメン売りできて何人もいるような市場はすでに新しいファンが入らない市場でもあり、お先真っ暗ですから。15年前の香港映画がそうだった。イケメンに40の壁があるエンタメ市場はある意味新陳代謝ができてる市場ということでもあるので、見る側は楽しい。中華圏なら武侠ものが一つのジャンルになってるので、主役の少年がきつくなってきても、その延長線上にある「お兄さん」「ちょっと若い師匠」枠を30代後半くらいから取りに行けると俳優として40代を生きのびる確率が上がりますし。生き延びればその先は「お父さん」役「皇帝」役「長老」役があるわけです。こういう人たちは、一番初めに死ぬ人かもしれないし。ラスボスになれればおいしい。

というわけで、一番初めにお亡くなりになるケルビンパパとか。白いつけ髭に長い白髪に長い白髪眉毛のケルビン仙人とか。40代のケルビン先生にちょっと期待。

でも、本作は本作でここでギブ。無理。本当に相性が悪い。もうお腹いっぱい。

私同様、この手のストーリーと相性の悪い人は是非「赘婿」を見てみてほしい。

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