月下の恋歌

2.5
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江湖の世界では、正派と邪派とが覇権を争っていた。
正派の一派・華山派の一番弟子・令狐冲(れいこちゅう)は、自由奔放な性格。
武術の腕は平凡だったが、ひょんなことから天下最強の剣術“独狐九剣”を授けられ、
武林屈指の剣の使い手となる。
だがそのことが華山派総帥の疑いを引き起こし、令狐冲は華山派を破門され、
さらには邪派の日月神教からも追われるはめになってしまう。
そうした中、令狐冲に助けられた東方不敗はっ正邪という枠を超え、ほのかな恋心を抱きはじめていた。
それは周囲に翻弄されながらも深く切ない愛の始まりだった・・・。

原題:笑傲江湖 2013年

感想

本作では原題の「新 笑傲江湖」ではなく、「月下の恋歌 笑傲江湖」としている。

それは改変かかなりあるからだ。

なんと。

東方不敗は女の子!そして令狐冲と愛し合う。(この二人は、「伝説」でも惹かれあっていた。)

教主の弟が妹になったのではなく、才能に恵まれた女の子(とはいっても、演じるのはジョー・チェンだが)が「もったいないな、女だから黒木崖で修行できない」と言われて男になる決意をする。

出てくるわ、出てくるわ、先行作品からの引用が

もちろん、乗っ取ったのちの東方不敗の10年後の登場シーンは、妓女である。・・・同じく笑傲江湖を題材にした、「スウォーズマン・女神復活」でのブリジット・リン(東方不敗)ですか。(だったら「東方不敗!(ドーン!)」「東西方不敗!(ドーン!)」までやってほしいよね。)

霍建華の令狐冲の衣装がどれも青ベースで、ジョー・チェンの東方不敗の衣装が赤ベースである。二人が決裂して竹林のようなところで戦うシーンは「HERO」の色使いを連想させられた。もちろん、アクション監督はチン・シウトン。

そして、東方不敗の衣装は「女神伝説」のブリジット・リンっぽい。

神輿が空を飛び、担いでいる人の足が動いて降りてくる、あのシーンは「チャウ・シンチーのロイヤル・トランプ」。王晶監督だが、アクション監督にチン・シウトンが入っている。(ラスト・シーンはブリジット・リンに変身して終わるのだった。)

・・・チン・シウトンとブリジット・リンが好きすぎない?

そして、霍建華の令狐冲の衣装は青ベース。その上に白を合わせることがあるのだが、生成りのような白で連想していたのが、「楽園の疵」で梁家輝の演じた黄薬師の衣装だ。髪は長くないが、これ。(このオリジナルのほうは、オープニングではレスリー・チャンが黄薬師の技を使っている。終極版では消えた。こっちをデジタルリマスターしてほしい・・・)

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今回一番上に使ったDVDパッケージで着ている霍建華の衣装も青に黄色を重ねていて、ね・・・。

金庸の他の作品からの引用も多い。

妓楼でジョー・チェンが殺して屍体の処理をさせるのだが、液体をかけて溶かすって「鹿鼎記」じゃない?あれもきちんと読めてないけれど、トニー・レオン&アンディ・ラウのはそのシーンがあった。

きちんと読み終えていないのだが、「笑傲江湖」は令狐冲が病気の人だったと思う。もちろん、本作でも内効を失って右往左往するシーンはあった。

しかし、すれ違う令狐冲と東方不敗、令狐冲と任盈盈はむしろ私が大好きな「神雕剣侠(神鵰俠侶)」の楊過と小龍女の姿だ。任盈盈が毒のせいで余生が短く倒れたら令狐冲が「一人では行かせない」と自殺を図るシーンは、毒に犯された小龍女に楊過が「僕も追います」というところそっくりだ。「笑傲江湖」の原作をきちんと読んでいないので、同じネタなのかもしれないけれど、いや、さあ・・・。

そして、妖怪めいた東方不敗と任盈盈がいて、令狐冲は・・・という構図は「画皮」「画皮2」。もちろん、ラストシーンで心臓を、というのは「画皮2」。妖怪の周迅が、趙薇から奪っていくのだが、趙薇の陳坤への愛が本物で、それを知った周迅は自分を犠牲にして趙薇を救う、というパターン。

で見つけるたびに「于正とは語り合える」と思った。

褒めてない。

壊れていく令狐冲・・・

令狐冲はその瞬間瞬間全力で目の前にいる女を愛している、のか?多情な男性の中には、その瞬間瞬間目の前にいる女のことをきちんと愛しているのもいるのだが、そういうわけにも見えない。

はじめは、小師妹。振られても小師妹は大切な人だ。確かに小師妹のことは全力で愛した。

次は東方ねえさん。
小師妹はとられちゃったし、なんか気の合う董兄さんは実は女の子!?女の子!?で、命をかけてくれた唯一の女の子!?❤︎❤︎❤︎

ちょっと安易だが、魔教の聖姑と思い込んでも、愛する人だし、愛情を抑えられるものではない。

しかし、別に魔教の聖姑がいると、東方ねえさんは誰・・・え・・・東方・・・不敗・・・。僕を助けて一人死んじゃった・・・。あなたは永遠だよ❤︎

で近くにいた任盈盈に手を出した、としか思えない。

東方ねえさんリターン!のときは東方ねえさんに「盈盈と婚約してましてね」と口では言うものの、任盈盈が毒で死んだら東方ねえさんと❤︎に見えてしょうがなかった。それだけ、楊過・小龍女ごっこが嘘っぽかったということである。

あと、儀琳を使って「愛する人が喜べば、自分も嬉しい」で東方不敗が令狐冲の幸せを願って、令狐冲の愛する任盈盈の為に心臓を差し出すのだが、それが残念だ、になるのだ。だって令狐冲・・・任盈盈を愛している、のか?だもの。

・・・原因は任盈盈は、女子化した東方不敗にいろんな美味しいシーンを奪われたからだろう。

もう、ここまできたら、結婚式に乗り込む東方ねえさんが、令狐冲を誘拐して手に手を取って行方不明エンドが良かった。というかその手に手をとって行方不明エンドって「神雕剣侠(神鵰俠侶)」。

第14話 幻の達人

最大の戦犯は袁姍姍

18話にしてようやく現れる任盈盈だが、演じる袁姍姍がひどい。

まず、表情のパターンが少ない(整形のしすぎか?)。さらに、目が死んでいるというか、こう・・・不気味。きちんと演じられればまだいいのだが、演じられないのだから目も当てられない。

確かにぱっと見は大変おきれいだ。しかし、動き始めるともうダメ。

お前はその男を好きなのか?誰かが好きな男、が好きなのか?というか、好きなのか??お前はなんなんだ?どうしようもなく惹かれてしまう、そういうところがない。

袁姍姍が出てきてから物語そのものが失速してしまう。見るに堪えるのは林平之と小師妹のパートくらいのものだもの。

おそらく、楊過小龍女エンドはキャスティングから不可能だ。

台湾の霍建華が令狐冲、同じく台湾のジョー・チェンが東方不敗でこの二人が結ばれて中国女優の袁姍姍が振られてはまずいのだろう。

願わくば東方不敗のジョー・チェンの程度には演じられる女優が良かった。ただしかし、そこで演技の下手なヤン・ミーだの、表情が袁姍姍並みに少ない唐嫣では目も当てられない。劉詩詩はヒットとエラーが大きすぎ、小師妹を演じればヒットだが、任盈盈では厳しい。孫麗・李冰冰あたりなら納得か。

もしも香港から持ってこれるなら、ベストはセシリア・チャン。本気のセシリアが後半出てくるとジョー・チェンでは太刀打ちできない。

セカンドベストはジリアン・チョン。だったらいっそ東方不敗もシャーリーン・チョイでツインズがわちゃわちゃやるやつにしてくれればよかった。

女優として才能が一切ない、とまでは言わなくても、この役は完全にミスキャストだった。あなたに適した役は多分別にあるよ。

戦犯その2はやはり霍建華

中国ものではヒロインは遅れてやってくる。

だから琅琊榜では、郡主よりも遅れて登場する靖王が本当のヒロインなのである。

確かに任盈盈は遅れてやってきた。しかし、登場が18話、活躍し始めるのが折り返してから24話では遅すぎるだろう。

主要キャストでは東方不敗・令狐冲・任盈盈と登場する。二番目、令狐冲が本作のヒロインである。前半はそんなに強くないし、戦闘美少女ぶりが最高である。後半に入ってもいろいろな人に疑いの目を向けられ、恒山派の尼さんたちの用心棒のようになるのだが、どうみても、保護されている。掌門なのに、儀玉ねえさんに保護されているではないか。

令狐冲というか、霍建華の戦闘美少女っぷりは可愛さの塊。どんな女優よりも美しい。

儀琳を救おうと、花嫁衣裳をつけてみたり、呉将軍と名乗るところも、ノリノリで楽しい。

しかし、とっても美味しいはずの一人二役、楊蓮亭が良くない。濃いメイクもアイライナーのせいかより寄り目になってしまいなんだかおかしい。アイメイクをしすぎたのか目が充血気味で痛そうだし。ただ声は霍建華本人の、それほど高くない声で、それは耳に心地良かった。しかし、もう少しねっとりと、陰湿に、そして小物ぶりを演じるべきである。

そして最後。任盈盈に走るのだが、そこの説得力のなさ。セリフは立派なものである。しかし、説得力がないのである。相手が良くないのだろうが、それにしてもねえ。

楊蓉、がんばりました

大師兄(発音は大師哥)を追いかけていた、幸せでわがまま一杯な少女時代のうるささに辟易した。ただし、話が進むと林平之と「出会ってしまった」。

「大師兄はやっぱり好きだしこの人と結婚して大師兄が華山派を継ぐ。私はその夫人になる。でも・・・小林子とヤりたい」というところからエンジンがかかっていく。二人の男の間で揺れるところも。確かにねえ、多少粗野なところのある大師兄より、お坊ちゃんの平之は新鮮だしねえ。たまに自分をほったらかす大師兄よりも、平之は向き合ってくれるよねえ。

そして令狐冲との決別、平之との幸せなようで幸せではない婚約時代、そして不幸せな人妻。そして「ああ、懐かしい大師兄」。

腕比でその懐かしい大師兄・令狐冲と対戦することになり、令狐冲との演舞の楽しさと令狐冲を刺してしまうところ。それでもやっぱり平之の妻として死んでいくところ。
「岳霊珊」という人の、不幸な人生をきっちりと演じきった。

どこかの女優とは大違いだ。そしてどこかの女優よりも出演時間が長い。

張暁!張暁!

林平之というキャラは大変おいしい。

わがままなおぼっちゃまくんから、猜疑心を抱くようになるところ。才能のなさを自覚して、特には愛していない師姐へのハニートラップ。師父への恐怖と壊れていく精神・・・。

自宮して変身した後の美しさよ。

もうさあ。霍建華と張暁で良いんじゃないの?この二人がいちゃいちゃすると良いんじゃないの?と思うほどだった。

お綺麗でした。のちにこの人とミシェル・チェンで「神鵰俠侶」をするのだが、確かにそれわかるかも。

ジョー・チェン

ブリジット・リンの東方不敗を思い出させる演出のオンパレードはどんな女優にとっても厳しい。

しかもラストは周迅・・・。これはきつい。「画皮」シリーズは、周迅アニキ・趙薇アニキと陳坤姉さんのトライアングルだからできたのであって、この一角が袁姍姍みたいなミスキャストでは成立しない。

豊満なブリジット・リンと比べてジョー・チェンは体も小さく、薄く、細い。ただ、腕力勝負の世界ではないので、これもこれで良いのである。

東方ねえさんの危ない愛情表現は及第であったし、某女優と比べるとはるかに霍建華を愛していた。

23話くらいまでかな。この話、23話なら大変面白いです。

Amazonで動画が出ていることも。

残念ながら、DVDには中国語字幕はない模様。

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コメント

  1. […] 「ジャクギ」の韓国版。いやー、原作の力が強いんだなあ。見ながらわんわん泣いたのよ。たまにすぐそばにいる人の話かというくらい、感情移入してしまうことがあるのだけど(なんでですかね、変な話が多いんですよ。月下の恋歌の前半部分みたいなの)、久しぶりに感情移入してしまった。 […]

  2. […] もう一人、楓ちゃんの娘の貴妃を演じていたのが鄧莎。「月下の恋歌」では清楚な儀琳ちゃんを演じていたあの人か!と、すでにストーリーから離れたチェックポイントになってしまいました。 […]

  3. […] 于正ものは、「月下の恋歌」の張暁や、「延禧攻略」の許凱のように、要所要所に無駄なくらいの美男をキャスティングすることに、私の中で定評がある。 […]

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