台北の朝、僕は恋をする

5.0
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台北に住むカイ(ジャック・ヤオ)の大好きな恋人がパリに留学してしまう。
彼は、昼間は両親が営む中華麺店を手伝い、夜になると地元の本屋に通いフランス語の本を読み、パリの恋人を想いながら寂しい日々を過ごしている。
本屋で働く可愛く、でもどこか孤独な面影を持つ少女スージーは毎日やってくるカイが気になって仕方ない。
そんなある日、カイは突然恋人からの別れの電話を受ける。
彼女を失いたくなくて、どうしてもパリに行きたいカイは、地元のボスからお金を借りることにし、その代わりにと与えられた謎の小包を運ぶという怪しげな仕事を受けることにする。
それは、カイと偶然巻き込まれたスージーのスリリングでコミカルでロマンティックな一夜の始まりだった。

原題:一頁台北 Au Revoir Taipei 2010年

感想

とてもかわいい映画だった。群像劇ではテンポの良さがキモだと思うのだが、アジア映画にはなかなかない小気味の良さだ。監督のアーヴィン・チェン(陳駿霖)は台湾系アメリカ人の二世らしく、良い意味でアジア的ではないのが功を奏したと思う。

刑事の場面など、所々、「恋する惑星」を狙ってる?と思わなくもないのだが、私は「恋する惑星」よりも本作の方がずっと好きだ。同じく刑事や警官の恋を(も)描いて、スタイリッシュよりはキッチュ、なくせに気取ってる映画なのだが。それは、私にとって香港は大好きだがエネルギーを吸い取られると感じるのに対し、台北は緩くて逆にエネルギーを貰ったと思うようなところだからかもしれない。(思いついたのだが、「ジェイ・チョウを探して」も、香港ではなく、ローカル色が強くてかなりださい台北を舞台にすればあのバランスの悪さも少しは修正できたかもしれない。)

ジャック・ヤオ

主役のカイ役のジャック・ヤオは「目つきの良い20代前半のジェイ・チョウ」と言えば良いだろうか。「はにかみモードの20代前半のジェイ・チョウ」でもいいか。ちっとも冴えない、しかも、恋人に振られたのも受け止められない、しかし、あきらめられない。おまけにスージーに好かれているのにも気づかない、というダメダメ男子を好演していた。確かに、単身留学するような女の子からするとカイのような男の子は退屈だろう。もちろん、カイは囮だった、という落ちも似合う。ラストシーンのゆるーいダンスのかわいいことかわいいこと。セックスのメタファーなのだけど、これほど可愛らしいメタファーはなかなかないし、似合う男の子もなかなかいない。素晴らしい。

アンバー・クオ

スージー役のアンバー・クオも良かった。そういえば、香港女子が「台湾の女の子の喋り方ってほんっとにかわいくって、香港の男はイチコロなのよ」と言っていたが、この子のような舌ったらずな喋り方がかわいいのだろう。で、男どもは騙されるんだな。河原のそばでオレンジのスーツの強盗団の一味と対決するシーンのキッとした目。そういえば、刑事1に追いかけられるときも逃げるのはスージー主導。もちろん、強盗団(軽自動車)を追いかけるのもスージー主導。こういう女の子は無茶苦茶気が強い。目を見ればわかるんだが。

その他

ちょっと抜けてるカオ役はほのぼのとして良かった。

笑ったのは、刑事1役のジョセフ・チャンの登場からだ。「花連の夏」のせいか、坊主頭の印象が強く、髪の毛がカツラに見えて仕方がなかった。地下鉄(小南門駅だった)で追っかけっこのシーンで駅員に「走ったら危ないですよ」と言われてスージーとカイも歩くし、刑事1もちゃんと歩くのだ。刑事1は競歩っぽくて笑える笑える。男と歩く恋人を見つけたシーンのぽかんとした顔も見物だった。恋人の連れの男とのやり取りもくすっとくる。その後のがっくりと気落ちしたところも、ちょっとマッチョな感じの役なのでとてもかわいい。それと、カツラに見えてしょうがない髪なのだが、髪がちゃんとあると、この人なかなかイケメンだった。そして背が高かった。

オレンジのスーツの強盗団の首領(パオの甥)の、クー・ユールンは結構若そうだと思ったのだが、うつむくと法令線がものすごく深くてびっくり。そうそう、宝くじ屋の強盗だって、オレンジのスーツを着たままやるんだから目立つ目立つ。この人の周辺だけ空気感が違った。どういうことかというと、他の人にはリアリティがあるのだけど、この人の周辺だけはリアリティがない。そのくせ映画の中で(ふわふわしていているが)浮くことはない。とっても良かった。

ちなみに、お気に入りのシーンはラブホ。ラブホが出てくるところはほんっと笑える笑える。

この作品の台北はとてもキッチュでかわいい。台北に行く前に見ていればもっと楽しめたかもしれない。

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コメント

  1. […] 二度目に見ると、間が悪いなと思ってしまう。小気味の良い「台北の朝」を見たせいか。ただ、前回はジェンシン側から見ていたのが、ショウヘン側から見られると少し印象が変わった。 […]

  2. […] 「練習」相手のリャンだが、「台北の朝」のオレンジのギャングだった、クー・ユールン。軽くて愛しようがなくて、こんな相手が練習相手だなんて、というところ。今回もちょっと捕らえようがない人だった。「練習」の最中の「慣れてきたね?」「そんな言い方しないで」「ごめん」の会話がグッジョブ。 […]

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