台北カフェストーリー

4.5
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OLからカフェのオーナーに転身したドゥアルと妹のチャンアルが念願のカフェを台北でオープンする。ドゥアル・カフェは、コーヒーのアロマ、手製のデザートの香りであふれている。しかし、やっと開店したものの、お客が入らない。そこで妹チャンアルが、カフェで物々交換を始めるアイデアを思いつく。様々な物が持ち込まれ、そして次のオーナーのもとへと去っていく。やがて物々交換はドゥアル・カフェの一番の魅力となっていく。そして物々交換がきっかけで出会った人たちが、心を通わせていく。

ある日、一人の男性がお店にやって来る。彼は世界35都市で集めたという35個の石鹸を持って来て、何か特別なものと交換したいという。以後、カフェに来る度に語られるそれらの石鹸のエキゾチックな物語にドゥアルの心は魅せられていく。そして、物々交換をきっかけに、姉妹の価値観が変わっていく。本当に大切なものは?台北を舞台に展開するオシャレ感覚溢れるカフェ・ストーリー。

2010年 台湾   第36個故事 Taipei Exchanges

感想

監督はシアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)。

たまには私もこういう穏やかな作品を気にいるのである。

え?台北?というほどおしゃれな地域だった。
センスも台湾ものとは思えない洗練度である。それでいて、何度も同じパターンを繰り返して笑いを誘うなど、笑いのセンスもあるという。ストーリーよし、演技よし、そしてファッションセンスもカフェのセンスもすごく良い。日本なら表参道から青山だろうなあ。人通りが少ないし台北の大きさからすれば、福岡市内天神から赤坂の国体通り沿いだろうか。いや、薬院から六本松の間、桜坂あたりか。

日本映画だったら、主人公は宮﨑あおいか蒼井優、もしくは市川実日子を起用するのではないかと思うのだが、あの三人、というかあの周辺に漂う「雰囲気だけ」の人たちの作った物語とは本作は大きく異なる。正直、日本映画は負けてるのではないかと思う。ああ、市川実和子と市川実日子で、というのはあるかもしれない。ただ、実和子が「器用貧乏な真面目な優等生」というのは似合わないので姉市川実日子、妹を美波あたりで、というのが日本でのキャスティングだろうか。置いておこう。

実は、本作を見る数日前に、「価値はすでに相対化してしまったね。自分が価値があると思ったものが全てじゃない?」と全然違うことについて仕事相手と話をしていたのである。だから、男Aはカフェにあるものが欲しい。「男Bは男Aが持っている物が欲しい。全てを交換したいが、チャンアルはそれよりもコーヒーのお代わり二杯が欲しい。そして男たちがそれぞれお代わりをしたからチャンアルは交換に応じる」という序盤のシーンで膝を打ったのである。まさに、日本の特に3.11後の価値観ではないか。先取りした作品だ。日本で息が長くDVD化せずに各地を回っているのはもしやそういうところが受けているのかもしれない。

もしも他人に対してブランドなどで押したい、と思うような方にはさぞ居心地が悪いだろう映画だ。実は数ヶ月前にそういうタイプにマウンティングされたのだが、・・・で?と私が身を翻したせいでずっこけたらしいその方が大いに怒り、私は笑いが止まらなくなった、ということがあった。仕事相手にそれを話すと大受けしたのである。あの方には本作は絶対にお勧めできない。けれど、仕事相手にはお勧めできる。

キャスト

グイ・ルンメイの英語は滑らかだけど声が少し高くなる。まるで日本女子。ちょっとフランス語っぽく聞こえたのは口先で発音していたからだろうか。フランス留学経験があったな、この人、と思った。この人の演技の幅は非常に広い。台湾での清楚な役と、香港でのぶっ飛び方。どちらもできる女優は少ない。

しかし、リー・チェンシーの不思議ちゃんぶりの方が気に入った。ボーイッシュな不思議ちゃんはなかなかいない。ボーイッシュだなあと思ったら「林仔仔(リン・ツァイツァイ)」と呼ばれているらしい。「仔仔」といえば周渝民なのだが、どうも「末っ子(男の子)」という意味のようだ。ボーイッシュだから「仔仔」なのかな。

中孝介は「海角七号」以来、台湾映画で独特のポジションを得たなあ、と思う。チャン・ハンはどこかで見ているのだが、記憶にない。と思ったら、チャン・チェンの兄か。なるほど。

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