台北に舞う雪

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渓谷沿いを走るローカル線の終点、菁桐(チントン)。この小さな町で孤児として育ったモウは、幼い頃に出奔した母親がいつか帰ってくるのを待ちながら、町中の雑用をこなす日々を送っている。モウにとって町のために働くことは、彼の成長をあたたかく見守ってきた町の人々に対する恩返しなのだ。そんなある日、モウの前にメイと名乗る若い女性が現れる。メイは大型新人として売り出し中の歌手だったが新作発表の直前に声が出なくなり、誰にも行き先を告げずに台北を飛び出してきたのだった。

原題:台北飄雪 2009年

感想

駄目だ。これは中華圏で受けたのだろうか。手あかの付いたストーリーのせいか、なんとなく「ターゲットを日本に絞った」という感じがしないでもない。IMDBでもTaipei ni mau yukiで出るくらいだし。いっそアイドル映画にしてしまえば良かったものを。

日本映画の間の悪さと、香港映画の上滑りと、台湾映画の文芸気取りと、中国映画の手あかの付いたストーリー、と合作した各国の映画の悪いところがミックスしてどうにもこうにもいかなくなっている。

ほめるならば絵づらだ。何となく日本を思わせる台湾の田舎町の、日本にはない豊かな色彩が素晴らしかった。ただ、プロモーションビデオなんですか?アイドルの?もしくは、この場所や台湾の?という感じでその次がない。

台北は暑い。本編中に流れる曲のように台北の冬にふるのは雪ではなく雨だ。雪のふらない台北(しかも舞台は台北市ではないし)に雪が降れば願いが叶う、というのだが、その「雪」も消防のための薬剤にすぎない。南国の人の雪へのあこがれはわかったが、で?と思う。

チェン・ボーリンは何か膨れていて、誠実そうではあるが「藍色夏恋」のさわやかさや清々しさはない。

トン・ヤオはチャン・ツイィー風なのだが、チャン・ツイィーの迫力のようなものがなく物足りない。歌声はこの方のものなのだろうか。新人歌手ということなのだが、売れそうにない感じだ。もう一人の「私はメイじゃないのよ」という女優の方が声にハリがあって良かった。

トニー・ヤオはなんとなく、典型的な中華美男、というよりも、「大陸美男」という感じなのだが、次に別の作品で見たときには顔を覚えていないと思う。オーラがないのだ。

テレサ・チーはなかなか綺麗。どこかで見たのではないかと思うのだが記憶にない。喋り方が「台北の朝、僕は恋をする」のアンバー・クオのような、少し舌足らずな感じの喋り方だ。もしも中国語ネイティブだったらぶりっ子、と思うのだろうが。

冬の台湾は日本人には温かくてとても過ごしやすいです。舞台は平渓線

台北に舞う雪(字幕版)

台北に舞う雪(字幕版)

チェン・ボーリン, トン・ヤオ, トニー・ヤン
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