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曹操暗殺 三国志外伝

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壮絶な戦いとなった「赤壁の戦い」から12年後。曹操は、劉備、関羽を破り、魏を治める王として君臨していた。
後漢の献帝は、曹操に実権を握られ銅雀台で専断政治を行っていることをひそかに憤っており、同様の気持ちを持ち謀反を企てる大臣たちに曹操誅殺の密勅を発し、曹操暗殺を企てようとしていた。
一方、間中、馬超・韓逐の騎馬隊に連れ去られた男女たちが、陵墓を利用した牢獄で刺客として訓練を受けていた。
そしてその中から穆順と霊唯は曹操暗殺の密命を受け、穆順は宦官として、霊唯はその美貌で寵姫となって曹操の元に近づくのだが…。

原題:銅雀台 2012年

感想

監督はチャオ・リンシャン(趙林山)。

日本語タイトルが悪い。銅雀台で良かったのになぜ替えたのだろう。

さて、物語としては、あくまで「張良」(劉邦の軍師として前漢成立に深く関わった)でありたかった曹操を、曹操をめぐる人間関係を、曹操が寵愛した女を狂言回しにして物語るというもの。
皇位を狙う曹丕にとっては父が邪魔で、皇帝にとっては皇位を狙うものとしての曹操が邪魔。伏皇后にとっては皇位を狙うものとしての曹操が邪魔だし、失敗しても曹丕のためだとして曹操と曹丕の間に楔を打てる。誰もが願う、曹操の死。しかし、曹操の意図は皇位の簒奪ではなかった。曹操を理解した人間は曹操に刃を向けた宦官の穆順だけだった。

だからこそ、「曹操暗殺」ではタイトルがおかしいのだ。「銅雀台」における人間ドラマなのだから。相変わらずCGの多い中国映画だが、CGを使わずに人間ドラマに集中させることはできなかったのだろうか。そして、ラストに「女が飛んで男が残される」というのは完全に「グリーン・デスティニー」じゃん。別の方法があったと思うのだが。男の剣を渡されたのだよ?

そして、この手のネタなら、始皇帝暗殺を試みた、HEROでしょうよ。

チョウ・ユンファのこういう王様役は見飽きたな。「王妃の紋章」の怖い王様から、一見怖いんだけど良い人曹操の演じ分けがあまり上手くできていないのが残念。まあ「誤解される」曹操なので、仕方がないか。

狂言回しの霊睢を演じたリウ・イーフェイは、綺麗なのだが記憶に残らない美女である。これで貂蟬(霊睢の妄想)というのはきつい。

玉木宏はどう考えてもCMのチョイスが悪く、安っぽい人になってしまうのだが、悪い俳優ではない。声が吹き替えで高音になっているのが笑ってしまう。でも、わざわざ玉木宏である必要はなかったのではないだろうか。なぜこの人を起用したのか良くわからない。そしてなぜ受けたのかがわからない。

伊能静は「山田太郎」の綾子ママから本当に変わらない・・・。年齢相応の色気ではなく、若さで勝負するとは凄いわあ。

献帝

献帝という人をどう捉えるかでこういう物語は変わってしまう。
なんとなく、この人は日本で言えば一条天皇のような人だったのではないかと思う。皇后定子・中宮彰子の帝と言えばわかるだろうか。枕草子に出てくる「帝」はこの人。傀儡であっても「生き延びる」ことに集中し、そして生き延びることのできた人は決して本作のような暗愚ではありえない。ただし、周囲がその意図をどれだけ汲み取れるかは問題だが。

それより、献帝なら「三国機密」。

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