グリーン・デスティニー
400年前に作られ、太古のパワーに満ちた秘剣“グリーン・デスティニー”。
その使い手として名を轟かせる英雄リー・ムーバイと、女弟子シューリン。
貴族の娘イェンと、盗賊の頭ロー。
神秘の名剣に魅せられた4人の男女の死闘、復讐、そして運命の恋・・・。
2000年 臥虎蔵龍
感想
監督は言わずと知れた、アン・リー(李安)。
チャン・ツィイーとチョウ・ユンファの竹林のアクション。竹のしなやかさと人の体のしなやかさの美しさ。初めて見たときには美しさに驚いたのだった。あれから散々使い古された演出だが、それでも美しい。
ところでイェンはどうも西域に行く前に武術を学んでいるのだがどこで学んだのだろう。そしてどこで碧眼狐を拾ったのだろう。碧眼狐は「恩はもう返したはず」とか言ってるし。
初めに見たときには、なんてひどい!ムーバイは妹弟子を捨ててイェンに走ったうえに死んでしまった!と思ったのだが今回はそうではないように思えた。イェンに走ったわけではなかったようだ。それでも妹弟子は気の毒であった。
気の毒と言えば西域の男もだ。「為せば成る」といいたくて「少年は山から飛んだ」と言ったのだが、実際にイェンを飛ばさざるを得ないのだった。でも、イェンから見ればイェンが惹かれたのは西域の男の自由さだったのに、それがなくなってしまった男に縛られるのは我慢ならない。それに西域で自由にやろう、と言ったって、以前のように追っ手も来るだろう。イェンには山から飛ぶしか自由になる道はなかった。
音楽の担当はヨーヨー・マ。チェロが二胡のようである。
ソード・オブ・デスティニー
Crouching Tiger, Hidden Dragon: Sword of Destiny 2016
感想
製作はNetflixと派格太合環球傳媒公司だの中国电影集团だの。なので、オリジナルが英語の模様です。
中華圏用には中国語吹き替え、広東語吹き替えが存在していて、しかも3D上映までしたようです。上のDVDは香港版らしく、おそらくそういうものだと思う。そこでのタイトルは「臥虎藏龍:青冥寶劍」か「卧虎藏龙:青冥宝剑」。
姉さんは、姉さんなので中国用のものを中国語の吹き替えで見てる。どうもジオブロックされてなかった模様だけど、中国のVODの挙動はなんとも言い難いので、毎回のごとく私が見られたからといって、次の瞬間見られる保証はどこにもない。
ロケ地はニュージーランドと北京で、なんとも景色が中国風ではない。CGが北京なのか、なんとも、チープ。とはいえ、監督は袁和平なのでアクションはきっちりとアクションしてるし、安定のミッシェル・ヨーとドニー・イェンのコンビなので、そこは問題ではない。
ミッシェル姉さんは同じく俞秀蓮の18年後を演じている。相変わらず運び屋をやってるわけだ。そこへまたあの青冥剣が…という話で、相変わらずの「武林の内輪揉め」というかコップの中の嵐なんだよね。
ミッシェル姉さんのすごさというのは、50を過ぎて動けるというよりも、無駄な動きが一切ないところなんだなあとつくづく思わされる。ドニー・イェンもドニー・イェンであまり派手なアクションでもない。このドニー・イェンの演じる孟思昭が俞秀蓮の死んだはずの婚約者だったという設定で、例によって「崖から落ちた人は生きている」の、あのパターン。
Netflixが入っていて、英語作品だからなのだけど、若手や脇役が中国ドラマ、中国映画のイツメンではないのが新鮮でした。
とはいっても、魏方を演じたのは、ハリー・シャム・ジュニア。Gleeのアジア系の男の子、あの子ですよ。見覚えがある顔なんだが、あまり中華圏で受ける顔じゃないような気がするしなあと思ったらあの子かあ!ってわけ。この子とナターシャ・リュー・ボルディッツォの演じる雪瓶が今回の若手なのだけど、ナターシャ・リュー・ボルディッツォがちょいちょい表情の作り方がアジア系ではなく、英語圏の女の子になってて、惜しかったかなあ。
ワイヤーアクションの古典中の古典ともいうべき、グリーン・デスティニーのクオリティを求めちゃいけないです。ほんと、これ、スマホだったり機内だったりで見るような作品。