武器作りに必要なものは3つ。“良質な鋼”、“1400度を超える炎”、そして“命を狙う者”。叢林村にはそのすべてが揃っていた──。時は19世紀。武装集団が割拠し、争いが絶えない中国。黒い肌をした名もない鍛冶屋は、愛する女と暮らす金を稼ぐため、黙々と鉄を叩き続ける。ある日、金塊を巡り、最大勢力の猛獅会で内部抗争が勃発し、巻き込まれた鍛冶屋は両腕を切り落とされ、そして女までも・・・。不屈の魂で“鉄の拳”を作り上げ“アイアン・フィスト”となった鍛冶屋は、復讐のため猛獅会に戦いを挑む!
The Man with the Iron Fists 2012年
感想
監督はRZA。
舞台は清末期のようだ。しかし主な言語は英語だ。
連想したのがダメ映画の「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」だ。
しかし、ダニエル・ウーなどの起用を見ても、中華系(アジア系)アメリカ人を中心に起用しているようで、英語が非常に滑らかだ。それだけでも見やすいのだ。
ただ、シルクを初めとした娼館の女の子たちがみなアメリカのアジア系ビッチっぽくて笑ってしまった。
白髪頭の提督はテレンス・イン。
珍しくテレンスが生きて終わる。けれど、今回も途中で消える。
そのそばにダニエル・ウー。
双飛の男はアンドリュー・リン。
最後に気づいたのだが、鍛冶屋の母はパム・グリアー。僧侶がゴードン・リウだったのはちゃんと気づいた。
そこかしこにプロデューサーのクエンティン・タランティーノの気配に満ち満ちている。タランティーノは有名だったが今は売れなくなった俳優を使うのが上手い。今回はラッセル・クロウ。本当に久しぶりに見たよ。
もう一つ上手い俳優の使い方をするのが、非英語圏で活躍する(が英語はできる)俳優の起用だ。
たとえば、「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ。今回ダニエル・ウーが印象的だったらまた話が変わったのだろうが、エンディングでの紹介が一人お耽美だったのが笑えたが、そこまで至らなかったのが残念。
もう少しテンポよく進めばもっと楽しかっただろうに。やはり、タランティーノ本人が監督しなければダメだね。