君には絶対恋してない! ~Down with Love

4.0
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ヤン・グオ(エラ・チェン)は裕福な家で育つが母親を亡くし、父親の破産により人生が一転。
莫大な借金を背負うことになる。グオは姉と共に手当たり次第バイトを始め、新たな人生が始まった。
一方、シャン・ユーピン(ジェリー・イェン)は兄を交通事故で亡くし、兄が残した二人の子供を引き取ることになる。
弁護士として忙しい日々を送るユーピン。ひょんなことからグオはユーピンの家で家政婦として働くことになる。
離婚弁護士ゆえに人の愛を信じられないユーピンと、純粋で楽天的なグオ。
対照的な2人が出会い、新たな生活が始まるのだが…

原題:就想賴著妳 2010年

感想

お金が出演者と内装くらいにしかかかっていないチープなドラマだ。ストーリーも予定調和的だ。「サボテン君」を受け入れず、クージョンを追いかけもせず、自己実現を計ろうとするドオ以外に意外な選択をする人物もいない。変調があるとすれば、二番手君クージョンとグオがつきあっている間、一番手君のユーピンが徹底的に「花沢類」を務めることだろうか。

手あかのついた物語で、台湾ドラマらしくちょっと鈍臭くストーリーは動いていく。ただ、感動させよう、泣かせようなどとはせずに、コメディに徹する姿勢が良い。

登場人物に悪人はいない。ホイファンもストーカー気味なのだが最後には「私はヒロインだと思っていた。けれど、こんな役は憎まれ役よ。私は女優。役者は引き際が肝腎よ」とあっさりと身を引く。二番手君クージョンは悪役だが魅力的だ。ホイファンへの愛に自滅し、グオも失う。マイケル・チャンのホイファンへの愛、グオへの自責の念の演技のおかげで「グオとつきあって一番傷ついたのは君(クージョン)だろう?」という台詞が生きていた。

【予告篇】君には絶対恋してない

薔薇のために」「花様少年少女」に続いてエラ・チェンの作品を見るのは三本目だ。前の二本では口ひげが見えていたエラはおそらくほとんどすっぴんだったのだろうか。今回、口ひげは見えない。花君ほどではないが、黄色みの強い画調なのだが、エラの肌はつややかなナチュラルメイクだった。眉毛は触らず、目はライナーだけ、チークもリップも使わないが肌だけは徹底的に磨き上げた、そんな感じだった。気になるのはほほが垂れていて、法令線がひどいことになっていたことだろうか。もう、エラも若くはない。

だが、演技は花君当時と変わらない。というよりも、男装していない「瑞稀」だ。つまり、ひどいオーバーアクション。高い声できゃんきゃんやらないのは良いのだが。オリジナル作品なのだが、グオはエラ(というよりも瑞稀)に当て書きしたように思える。いい子なのだが、考えが足りず、ドジなところも「瑞稀」だ。だから、「男装していない瑞稀」が求められたのだろう。実現しなかった「花様少年少女2」の代わりの作品、だったのだろうか。ちなみに製作は「花君」も「君恋」も八大(GTV)。

ジェリー・イェンを見るのは「ホットショット」「マジックキッチン」に続き三本目。実は今「流星花園」を見ていて、台湾で買ってきた「君恋」を見たというわけ。

なのでどうしても、ジェリー=道明寺になってしまう。ユーピンの髪型もニューヨークから帰ってきた後の道明寺の髪型だし(というよりも、マジックキッチンもこれじゃなかった?いや、そもそもこの人は髪型をほとんど変えないのか?そこも木村拓哉みたいじゃないか)。ユーピンの人物造形は人のいい(というよりも人畜無害な)道明寺司だ。誰かを本気で愛したことのないところ、力があるところ、金があるところ、拘束しようとするところ、たまに凶暴化する(ユーピンはそうでもないけれど)ところに共通性がある。

しかし、7年もつきあっていて「誰かを本気で愛したことがない」と言うのは設定ミスだと思う。前半、ホイファンがプロポーズを断るまで、ユーピンはホイファンが絡むと「人が変わる」とドオに言われているくらい恋する少年なのだ。ホイファンとの思い出も「幸せ」とは思わないだろう。「冷血弁護士」設定も崩壊する。人は良いし、いくら敏腕弁護士だからといえ、人が良くなければあれだけ人を動かすのは無理だ。

さらに、20代後半のユーピンを演じるには、ジェリーにはきつい。確か、休業というか長期オフをとっていて久々に復帰したのが本作ではなかっただろうか。それは「ホットショット」だっただろうか。「流星」を見ながら本作を見ると、マッチョな道明寺と痩せ型(とはいえ、動きは敏捷で成長期にしっかり体を作った人なのはわかるが)のユーピンは、肌のツヤとかハリが全然違う。ユーピンではかなりファンデーションを塗ってるなあ、という感じでもあった。それでも、眼力は衰えない。この人の魅力はあの目だ。

演技も「流星」当時とそれほど変わらない。道明寺アゲインなので仕方がないのだろう。ただ、本気で変顔をして笑いを取りに行くところが違う。一緒にスターになったヴィック・チョウは「流星」当時「幼かった」。それに対してジェリーはすでに完成された男だった。「流星」を見るとヴィックの成長を感じるが、ジェリーの変わらなさは貴重だ。

でもやっぱり、ジェリーの変顔は必見。一番笑ったのは、信義(台北101のあるところ)でグオと生理用品を配っていて、ドオに見つかりそうになって、というシーンだった。見終わったらすっきりと忘れてよくて、笑いたくなったらまた見れば良い。そんなドラマだった。

あと一つ。 ジェリーとエラが並ぶとそれほどエラが小さく見えないのに対して、「流星」でジェリーとバービィが並ぶとバービィが非常に小さく見える。それは横幅の比のせいなのだろうか。エラもバービィも身長は160センチ前半。華奢なバービィに対してエラが細いががっしりしている。「流星」のジェリーがマッチョだったのに対し、本作ではジェリーは痩せている。そういうことなのだろうか。迫力から言えば、「流星」のバービィが上なのだが。

マイケル・チャンの演技は良いのだが「ホットショット」の時と比べると落ちる。また、知的障害者の台北101での失踪事件以降、クージョンのキャラが崩壊していくように思うのだが。あれは仮面が剥がれたどころではない。

シャオシェン(ドオ役)は、非常に良かった。お金大好きドオというキャラクターは、普通は決して共感されやすいキャラクターではない。下手をすればかさかさとした人で終わってしまう。けれど私はドオの立場で見てしまう。真面目に生きている。生きていくために夢もあきらめた。けれど、なかなか報われない。それでもやさぐれたりしない。そんな普通の、人だった。

陳紫函は「女ドラゴン」で大活躍だった。ただ、可憐なホイファンにしては肉付きもよく、健康的だった。この人の台詞は吹き替えられていたようで、背後の音(これがしょっちゅう入る)がこの人の台詞だけ小さくなって、気持ちが悪かった。

気になったこと

台湾ドラマのロケに屋外が多いことも、夏の映像には背後に蝉の大合唱が入っているのももう慣れた。けれど、ホイファンを吹き替えるときに、背後の音の音量を下げ、その他の人はそのまま、という気持ちの悪い雑さ加減は止めてほしかった。

日本版はキャラクターなどがぼかしすぎだ。(「ブラック&ホワイト」もひどかった)杭州でクージョンの見合い相手のリウ・リーヤン(挿入歌を歌っている)の歌もそのままながせれば良かったのに。権利関係でいろいろあるのはわかるのだが。アメリカドラマでこんなに変えていただろうか、と思う。台湾版ではモザイクもいくつかかかっていたが、日本版ほどではない。

ハイコンテキストすぎ

S.H.E [ 中國話 Chinese ] Official Music Video

内輪ネタが多すぎる。リウ・リーヤンに対抗してエラが歌うのはSHEの「中国話」。その後に「SHEよりうまいね」はいいが、「ジャーファー(エラ)っているじゃない。あの子だめね」はやりすぎ。

ユーピンが連れ出して慰めるシーンでも、ジェリー・イェンに似ていると言われるというシーンもあるし。車の上に座ってジェリーが「ほら、昔のドラマでさ、辛いときは休憩と思えば良いってあるだろ」というのがあるが「日本のドラマだよ」と言われてもわからない。グオじゃなが「若いからわかんないわよ」と返すしかない。「流星花園って知ってる?」「韓国版のF4がかっこいいわね」もひどい。もちろん、これはジェリー=道明寺司なのがわかっていれば笑えるところなのだが、内輪ネタで笑いを取ろうとするのは如何なものか。ジェリーとエラという名前に頼った視聴率、販売方法はいただけない。

台湾版との違い

(少なくとも)レンタル版は台湾版の短縮である。台湾で台湾版を買っているのだが、もう少し尺が長いせいで唐突度が少し低めだ。そのおかげかバタバタとした感じが低くなって、上質なラブコメに仕上がっている。台湾ドラマのゆるさが許せるならば、台湾版を買うのがオススメ。ただ、もう台湾でも売ってないかなあ。

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コメント

  1. […] ジェリー・イェンは病気?というくらい線が細い。けれど、嫌いではなかった。実を言うと、このジェリーを見たから「マジック・キッチン」も「君には絶対恋してない」も見る気になったのだ。 […]

  2. […] ジェリー・イェンは、ファーストシーズンよりも演技が上手くなっている。ぎこちなくエルサにパスタを作ってやるシーンや、屋上で食べるシーンは「君には絶対恋してない」を連想させた。つまり、ここからこの人、成長してない・・・。パンケーキ屋で黒いものでロン毛をまとめているのだが「パンダマン」のジェリー警部ではないか。 […]

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