都市開発が進むイースト・ロンドン地区の工事現場で、古代遺跡とともに、ゾンビを発見!
その一方では、閉鎖の危機に追い込まれた老人ホームを救うため、地元のボンクラ兄弟が銀行強盗計画を進めていた・・・
2つの事件が同時に起こった時、ロンドンは前代未聞のパニックに陥る! ?
Cockneys vs Zombies 2012年
感想
監督はマティアス・ハーネー。
これが、ほんと、バカばっかり。
イーストエンドがどうのこうのって言ってるんですが、原題のCockney(コックニー)というと多少現代イギリスものに親しんでいる人なら気付くと思う。ロンドンの下町。イーストというのは、テムズ川の東岸ということです。シャーロック・ホームズがよく沈没するアヘン窟はここにあっただろうし。現実には切り裂きジャックの舞台にもなった、ビクトリア朝時代から昔からの治安のあまり良くない労働者階級の街です。行ったことないけど。
コナン・ドイルがアヘン中毒者を描写した時に「青白い」とあったのだが、本作でも登場人物が青白くて、栄養失調気味で(そういうメイクでしょうよ)、直接的なシーンはなかったけれど、思考回路がめちゃくちゃでお薬をやってるんじゃないかと思われるんですね。イラク帰りで頭に金属プレートが埋め込まれてる黒人の壊れ方も、シャーロックのアフガン帰りのワトソンを思い出します。
不景気で老人ホームが閉鎖されるというよりも、不景気で地価が安い→再開発という流れかなと思わなくはないです。事実、ロンドンオリンピック(2012年)ごろにイーストエンドも再開発をしたようですし。
背景が、代々の貧困の再生産と、高齢化。
それにゾンビが合わさってエンターテイメントになるということですね。
ショーン・オブ・ザ・デッド以来かな。なんでもゾンビを合わせると面白くなるのは、高慢と偏見とゾンビでそうだなあって思ったんだけど、失敗した作品もある。
本作は成功したパターンですね。さすがイギリスというところかな。一番良かったのは、歩行器の爺さんとゾンビのおっかけっこ。
反省しない壊れた黒人と、自称心臓が悪い嫌味な男がそのまんま死ぬのも良いですね。