面白いよー。これ、この春(花間令やってた頃)に撮影していたものなので、検閲を通ったらすぐに出してきたっぽい。多分それが正解です。呉謹言の結婚発表直後なのでwww
「春花」というのは、「死不了」という花が繰り返し出てきたり、眉林の母親がやろうとしていた「春花餅舗」などからですかね?最終盤にも花娘子のお店でもある。
お話は。
大炎国の第三皇子・慕容璟和は威北軍を率いて青州奪還を試みた。しかし慕容璟和が柳城に入場した直後、青州は炎上し十万人単位の死者が出た。眉林という少女は青州虐殺で両親を亡くす。眉林は兵士の腰から威北軍の佩を奪うことに成功した。必ず威北将軍・慕容璟和を討つと誓い、暗殺者集団の暗厂(暗廠)で長く辛い訓練を重ねる。一方、慕容璟和は人屠将軍としてリンチに合い、両足が動かなくなっていた。十年後、慕容璟和は景王として荊北に留め置かれていたのだが、狂人の名をほしいままにしていた。眉林は西焉の公主の嫁入りにしたがってやってくる百名の美人の中に紛れ込み、慕容璟和を討てと命じられたのだが、何かがおかしい…
から始まります。
暗殺者がターゲットとフォーリンラブしてしまい、足抜けを目指すのかと思ったけど、そうじゃなかった。暗廠の主人の正体は割りに早くに明かされるのですが、そっちかい、お前かよと。一応13集くらいまできて、ラスボスは太子としか思えないんだけど、もう一捻り来るかなあ…と思ったら、後半は主演二人のすったもんだでした。それでも面白かったけれど。
今回、脇役まで含めて見覚えのある人ばっかりなんだけどね。
眉林を演じる呉謹言が、こんなにアクションができる(ように見せられる)とは知らなかった。アクションは初めてだと言ってたけど、体がやわらかいのねえ。私はこの人の作品は延喜攻略以外あまり見てなくて。いつも復讐してるっぽいんだけど、やっぱり今回も復讐してますwww
眉林は結構ぶっ壊れた人(ぶっ壊されてる人)だという雰囲気だけど、こういうヒロインもいいよね。前半は人間としてぶっ壊れてたけれど、後半はちゃんと人間になってた。
慕容璟和を演じるのは劉学義。声はご本人の声ですね。花間令のPanda人は声をかなり低めに発声していたっぽいけど、こっちは地声に近い、すこし高めの発声かなと思う。最終盤にかけては低めに発声してたのではないかな。2集くらいまではまーじで怖い。1集の終わりの「こじきちゃーん。楽しませておくれよぉ」で終わらずそのまま2集まで行って!1集と2集はセット。ただ4集くらいからPanda人とよく似た感じの甘々スパダリかと思いきや、慕容璟和は…どっちかというと…ヒロインだと思う…
一応武術の達人設定だし、矢の名人だし、中の人もアクションできる(ように見せられる)人だけど、中盤まで来てアクションしてるのは主に呉謹言です。劉学義のアクションもゼロじゃないけど。
坊主のくせにヒロインだった「少年歌行」だけど、こっちも呉謹言に「三公主」と呼ばれてるくらいのお姫さまぶりで。やっぱりヒロインか…お前はヒロインだなwww
雪山のところなんて、明妃伝のエセンのところから脱走中の英宗並みの役の立たなさ加減wwwしかも、中の人がウォレスよりもでかいときたwwwお姫さまwww
Panda人がお砂糖でできてたけど、こっちの三公主の方が腹が黒いと思う。
しかし、最後の「こうだったらよかったのに」という、少年将軍慕容璟和が眉林に出会って一目惚れするシーン。その前が老けメイクだったから余計にそう思うんだろうけど、ちゃんと少年になってて。いやー30代半ばでその瞬間だけでも少年を演じられるのはすごいことですよ。それを思うと、慕容玄烈・殷落梅の回想も本人たちでやれば、と思うんだけど、趙小棠は良いとしても、陳楚河に少年はさすがにきついもんね…演技力の問題ではなく、加齢の問題。
いずれにせよ、眼福でした。
中盤まで悪役を一気に引き受けてるのは太子・慕容玄烈。この人は第一皇子で(身分の低い)母親を生まれたときに亡くしたけれど、皇后が後に生まれる第三皇子とともに育てた、という人。才能豊かで両親にも落梅にも愛される慕容璟和に嫉妬している。ただ、青州の虐殺以前の慕容璟和の方には立太子の意思はなかったんじゃなかろうかと思うんだけどなあ…
演じるのは陳楚河。いっやあ、こんなに悪役をノリノリで演じられる俳優さんになってたとは思わなかったよ。めっちゃ面白い。好きな人にはなかなか振り向いてもらえないしwww恋愛脳すぎるけどwww二十歳そこそこを演じるには厳しいけれど、三十すぎくらいを演じるのはまだまだいける。でもそろそろ気持ちの悪い怪人もノリノリで演じてくれると思うんだけど、どうだろ。見たいぞ。
西焉から送られた人質の皇子の越秦を演じるのは畢雯珺。あらー、温度差では老けた!?と思ったけれど、今回はちゃんと美少年。あれは演出だったか、お姉さんに対して背伸びをしていたかwww
「この人は揺れ動く人で」と言っていた通り、越秦は揺れ動くんだけど結構好感が持てた。
問題は越秦の妹の子顾を演じる黄日瑩。あのぉ。異国から来た孤児だった顔心記と異国から人質として送られてきた公主が同じ元気満々少女()演技でどうすんの?ということ。後半に入るとキャラそのものが落ち着いてくるんだけど、残念。
それよりも、殷落梅。女優さんとしては初めて見るような気がする趙小棠。バラエティで健次とプロレスしていじられてる人なんだけど、演技できるじゃん!メイクはあんまりバラエティのときと変わってない気がするけど。「初対面の恋敵らしき女に拳で殴りかかっていくタイプの女将軍」というと、拳で語るタイプの郡主とか。脳筋女とか。槍の名人とか。なんかそういう感じの人たちじゃないですか。女2なら元気満々少女()になりそうなところ、殷落梅はずっと好きだった男に愛されず、そんなに好きではない男には愛されて、意に沿わない結婚を求められ、という役をかなり静かに静かに演じるわけです。おそらくあの人は、慕容璟和の治世の十年間を忠実な将軍として過ごしたんでしょう。そこのワンカットも入れてあげて欲しかったよ、殷落梅のために。あまり表情にバラエティのないキャラっぽいけど、能面には見えないというのが演技と演出の力でしょうかね。健次とプロレスせずに二人で演技してろよ…二人ともアクション(しているように見せることが)できるんだし。