今年のYoukuは飛ばすよね。この夏(前半)私には一番面白いのが本作かな。やっぱり、気の強い女の子が人生をドライブする話のほうが好きだよ。流されてしまうタイプの長相思2がきつかった。
CS衛星劇場にて、2月14日(金)午後10:00より第1話先行放送! 3月より本放送スタート!衛星劇場はスカパーで見られるよ!
Youkuの飛ばしっぷりと来たら、花間令から惜花芷(見てない)、墨雨云间(見てない)から本作と、ずーっとそれなりに話題作を出し続けてる。ここ数年の沈黙はなんだったんだよ。
2024年 度华年
感想
お話は
皇帝・李川は病気だ。皇帝は最愛の秦真真が産んだ皇子を首補の裴文宣に託そうとするのだが、最大のネックは世家の中の世家、長公主の李蓉。裴文宣の妻だ。こちらは皇后の上官雅が産んだ廃太子を即位させたい。李蓉も伏せているのだが、裴文宣が世継ぎのことを伝えに行き、去ってから李蓉は吐血した。一方、その帰り道に裴文宣も襲われ、二人は死んでしまう…のだが、李蓉は十八歳、裴文宣は二十歳の結婚直前に戻ってしまった…
李川と秦真真。上官雅と蘇容華。かつて悲劇に終わった二組は、今回も出会い惹かれあってしまう。
ということで。張凌赫はオープニングの裴文宣って寧安如梦の謝危とどう違うんですか?髭だけ?と思うじゃないですか。
ところがこっちはよりラブコメ要素と、謎解き要素が強いです。寧安如夢には謎解き要素はあんまりなかった。謎部分が謝危本人にあったからかな。こちらは李蓉にも裴文宣にも謎要素がない。
謝危は一人でらんやーばんの1と2をやってたところに姜雪宁に引っかき回されてた。あれは謝危にとっては復讐譚だから。
しかしこっちの裴文宣は「百姓(この場合は民草)にも皇帝(李川)にも負うところはない。ただ長公主一人に…」です。恨みはなーんにもない。ただ、妻の誤解を解くことができなかったことに後悔があった。
夫婦は行き違いがあり新婚当初を除けば二十年間の仮面夫婦だったけれど、ずっと碁だけは打っていた。再会して碁を打ち始めるけれど「二十歳のガキに負けるもんか…あれ?四十の老獪さがある…」「…この手は十八ではない…」と気づいちゃう。そこをもうちょっとひっぱったら、花間令みたいな腹の探り合いの面白さがあると思うけど、こっちはそこは(かなり)スルー。
前回の新婚時代の楽しかったことを思い出してるところは、ちゃんと若者カップルっぽいけれど、38と40のところは老けメイクなしと髭メイクだけなのでねえ。
趙今麦をきちんと38に見せろよ、と。髪の毛に白髪を混ぜても良いし。目尻に皺を描いても良いし。そこには大変不満がある。こっちもちょっと口がぽかんとして前歯が二枚のぞきがちなのがもったいない。同じ子役出身でも楊紫は演技が上手い。でも長相思の小夭と比べると李蓉の方が好き。
中身は38と40という設定なので。二十歳の若者を演じるところがわざとらしかったり。やたらと度胸がある十八歳だったり。やたらめったら口が立って道理を説く二十歳だったり。処刑される前の男が「若者よ、年寄りの言うことは聞いておけ。泥にまみれずにいられる者はいない」と言っても、「なーんにも響きません」という顔とか。
寧安如夢では、おそらく男4人のうち、謝危以外の3人はひょっとしたら帰ってきた人では?というほのめかしはあった。確かに一人が帰ってきたなら、他の人が帰ってきてない保証はないよね。
本作ははっきりと、夫婦が二人とも帰ってきた人たちで。さらにもう一つ帰ってきた人がいるのがはっきりしてるところでしょうか。
蘇容卿を演じるのが陳鶴一。九霄寒夜暖ではこの皇子はなんかあるだろ?と思ってたのになかったんだけど、今回は腹にある人で。本当に夫婦を殺したのは蘇容卿なのか…という、不気味さとか。「こんなことがあったんですよ…」と兄に語り始めてからの(静かな)狂気とか。大変良かった。
柔妃の中の人は、慶余年の継母なんだけど、演出のせいなのかメイクのせいなのかすごく老けて見えるのよ。唇は乾燥して(実は趙今麦もガサガサ)縦皺だらけ、しかもきちんと塗れてない。のぞく歯は歯茎が下がってる(ように見える)し、目をカッと見開くけど、なんか整形に失敗した人みたい…とか。皇后との対比なんですかね…
秦真真と上官雅の中の人たちの演技がちょっと学芸会っぽかったのが残念だった。皇后の上官雅と、裏の顔(市井の男のふりをして賭け事に興じる姿)のコミカルさなど、もうちょっと演技で表現できると、かつての上官雅の選択を知った李蓉の衝撃が伝わるんだけど。