天上の剣-The Legend of ZU

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時は数千年前。蜀山では、善と悪の力が互いに拮抗していた。だが、統治する師である弧月が、弟子の天宗に心を奪われたことで感情を乱し剣の力が衰えてしまった。それにより、邪悪な力が魔界から出現し、蜀山は超剣士たちが命を賭けて戦うかつてない乱世の時代を迎えるのであった……。

原題:蜀山伝 The Legend of Zu 2001年

感想

上のあらすじを読んだだけで理解できた方はおられるだろうか。
ご覧になった方は、そうだね、と思われるだろうが、未見の方は何がなんだかわからないに違いない。ひょっとしたら何か誤解したかもしれない。ただ、「そういう」仙人とか剣士のお話なんだから仕方がないのだ。ツイ・ハークらしい、わかりやすさはないんだけど。

2001年公開なので今見るとCGのチープさが際立ってしまう。チャイニーズ・ゴーストストーリーはCGがチープでもそれなりに面白いのだが、これはどうもいけない。ほぼ全編が戦隊もののアクションドラマ風だからというのもあるだろう。造形もずいぶんといただけなかった。黒い雲で表現される「魔王」も恐ろしさもなく、当初、魔王はどこなんだと思った。ルイス・クーも寄生された後は頭からにゅっと頭が出てくるし。あの鋼鉄の羽も気持ち悪かった。

途中、名前が誰が誰だかわからなくなってしまったのだが、どうせ字幕なのだ、名前を全て漢字表記にしてくれれば良かったものを。

ほめるべきはテンポの良さか。セブンソードと比べると、ずいぶんと小気味良かった。ただ、それが逆に何かのダイジェストでも見ているようで何がなんだかわからなくなる所以でもあったと思うが。

輪廻

自信はないのだが、輪廻かなにかがモチーフになっているのではないだろうか。クーユ(A)は自分の師父を思っている。その師父とは誰なのだろうか。クーユ(A)の弟子の天宗は師父のクーユ(A)を思う。再生(転生)したクーユ(B)は、電炎剣の使い手(ア)と共に修行を積み、電炎剣の使い手(ア)が滅んだ後には、再生した電炎剣の使い手(イ)の師父となり、天宗が雷炎剣の使い手(イ)を導く。だが、二度目にクーユが再生する(クーユ(C))と、電炎剣の使い手(イ)が師父となる。やはり、電炎剣の使い手(ア)の前世がクーユ(A)の師父なのだろうか。そうやって三人は永遠にぐるぐる回り続けるのだろうか。そうすると、「天宗」というものは、電炎剣の使い手とクーユ(天撃剣の使い手)を結ぶ糸かなにかなのか。なかなか哀れなお方だ。

キャスト

何より、セシリアだ。セシリア・チャンは神懸かり的で、まさに仙女だった。最初にクーユが滅ぶシーンの美しさ。顔からパリっとはがれ落ちて崩れていくのだが、チープなCGでも凄絶な美しさだった。それで期待してしまった私が悪い。セシリアの声がいつもよりもしっとりとしていたのも良かった。

雷炎剣の使い手は、再生(?)してから演じるが変わってウー・ジンになったと思ったが、違っただろうか?ウー・ジンといえば、「インビジブル・ターゲット」の無茶苦茶強い人。だが、坊主頭の彼は笑ったらとても目が可愛らしかった。

それと、ルイス・クーは変な格好ばかりさせられていたが、若くて、ぴちぴちした感じだった。

「天上の剣」にはブリジット・リンで前日譚があるらしく、そちらのできは良いようなので、そちらを見てみ、るかはわからない。いずれにせよ、本作単体ではセシリア目的以外では見る必要はない。

書かねばなるまいか。
パッケージはチャン・ツイィーがでーんと出ているが、この人のパートは全くいらなかった。「仙人や剣士の世界」と「人間界」があって、前者と後者は不可分なんだよ、と言いたいのだろうが、ストーリーには絡まないし、伏線にもならないのでさっぱり切ってしまった方がすっきりして良かったと思う、

天上の剣 The Legend of ZU

天上の剣 The Legend of ZU

イーキン・チェン, チャン・ツィイー, セシリア・チャン, ルイス・クー, サモ・ハン・キンポー
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コメント

  1. […] ニコラス・ツェーとの結婚と妊娠、エディソン・チャンの写真流出事件に巻き込まれ、第二子妊娠、と長く女優業を休んでいたセシリアの復帰作だった。この作品の出演後にニコラスと離婚することになったのではなかったかと思う。 セシリアと言えば、「喜劇王」のコミカルさから、「ワンナイト・イン・モンコック」の悲惨さ、「忘れえぬ思い」の健気さ、「天上の剣」や「プロミス」の美貌と幅の広い演技のできる女優だった。なのに、本作では戦う以外には、目を見開いたり、泣くのを我慢して顔をこわばらせたり、という演技しかない。演出ミスなのか、演技ができなくなっているのかよくわからないが、女優「セシリア・チャン」を見ようとしてはいけない。 声はいつものガラガラ声ではない。北京語でもあり、おそらく吹き替えだ。たしかに、この顔にはこういう声の方が似合うよねえ、というような声だが。メイキング(ここまで見たぞ!)ではあのガラガラ声だった。 […]

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