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ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

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明の時代の中国。辺境の地の宿屋“龍門”には、60年に一度の恐るべき砂嵐が迫っていた。
その影響で300年前に消失した幻の財宝都市が現れるとの噂が囁かれるなか、
皇帝の子を身籠もって逃亡した官女スー(メイビス・ファン)と女侠客リン(ジョウ・シュン)が“龍門”にたどり着く。
折しもこの宿屋には、秘宝を狙う遊牧部族の王女チャン(グイ・ルンメイ)率いる盗賊が陣取っていた。
やがてスーの命を狙う邪悪な宦官ユー(チェン・クン)の暗殺団と、打倒ユーを誓った凄腕の義士ジャオ(ジェット・リー)も現地に到着。
かくして天が荒れ狂い、大地が揺れるさなか、運命に導かれるように“龍門”に集結した豪傑たちは、それぞれの野望と使命感を胸に秘め、命懸けの大決戦になだれ込んでいく…。

2011年 原題:龍門飛甲

感想

なんてプアなCGなんだ!アクションシーンもジェット・リーを使ってこれか?ワイヤーでなくてCGでアクションをさせるなよ〜。のオンパレードだった。実は、台北の映画館で本作のフライヤー(日本と同じような大きさ)を見て「あー、ルンメイ姐か。見たいなあ」と思ったのだが、ちょうど見られず、そして映画館で見なくて良かったと思う。いつまでも「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」ではいけないだろう。ストーリーは悪くないし(面白くなくはないし、武侠ものってこういう感じじゃない)、女優三人もいい。そしてチェン・クンも良い。演出全体も悪くはない。なのにどうしてだろうか。このプア感。

主演はジェット・リーなのだが、出番は多くはない。二役やっているチェン・クンはもちろん、ジョウ・シュンの方がアクションの数も多いのではないだろうか。

チェン・クン、ユーを演じているときはほっそいアイライナーで目力倍増。そう言えば私はこの人が悪役を演じているの初めて見ると思う。ただでさえ綺麗な男が酷薄なメイクをして悪役を演じると怖いねえ。M系女子はぞくぞくくるのではないだろうか。さらに、二役だったか。こちらのフォンは軽薄で女好きの情報屋。これもこの人には少ない役だ。もちろん、私はフォンの方が好みである。

砂漠で男装のジョウ・シュンの髪を結った布が風にたなびくのが美しい。しかし、首には相当な力がかかっただろう。このジョウ・シュン、低音の声が男装にあっていてとても良い。そういえば、ラストで男に頼らず一人で立ち去り(男が追いかけていく)というラストは「魔術師Xのダブルトリック」もそうだった。これがなんだか似合うのだ。カマトト・ジョウ・シュン、などと言って本当に悪かったと思う。なんとなく、「楽園の瑕」のブリジット・リンを連想した。

砂漠の宿屋で「箸を使うな」「肉を食べるな」だが、水滸伝でおなじみ。ここで土地のアウトローと都系のものが争うのは「処刑剣」もそうだったな。「処刑剣」でウーズンが砂漠の判官を演じたが、今回砂漠のアウトローは韃靼。演じるのはグイ・ルンメイ。アクションにワイヤーは仕方あるまい。台湾では「言えない秘密」「藍色夏恋」などで熱演しても中性的な女の子、なのだがどうして香港系の映画では「密告・者」のような一種の強い女を演じるのだろう。ただし、どちらも非常に上手く、「もっとやれ」である。

「若君」は「孫文の義士団」にもいた李宇春だ。本作には前日譚があったようだ。リンはこの人を若い頃の自分と重ねあわせたのだろう。きっと新たなる宿の女主人になるのだ。それは二人が顔を合わせたところから徐々に出てくるので、この結末は読めていた。この人でもう一本撮影できる。

スー役の女優はかなり美味しい役だと思うのだが、印象に残らない。

ミソジニーのないアクション映画

こういうアクションの多い映画でしかもジェット・リーとくるとどうしても俳優中心の映画になりがちだ。女優はいわゆる「花瓶」、つまりお飾りだ。しかも、監督がツイ・ハークとくれば決まっている。

しかし、こうして見ると、本作は女優のための映画だった。リン、「若君」、韃靼娘、スーによるアマゾネス映画と見ることすらできる。百合。

俳優ではチェン・クン一人頑張っていたのだが(大成功)、悪役のユーは非常に美しく、やはり女優カテゴリに入れたくなる。アマゾネスものにつきもののミソジニーからも解放された映画だ。中華系のアクション映画は一つ新たなステージに入ったのかな、と思った。欧米もの、日本もののアマゾネス映画が何かのトラウマだのを抱えた娘による女戦士を主人公にしようとするのに対して、中華ではその設定そのものがないものが受け入れられようとしているのだろうか。

なのに、なのに、なのに、なんなんだよ、あのCG!!!!!!!!!号泣ものの残念さだった。

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝

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