世界で初めて幽霊を捕獲することに成功したかつての天才物理学者橋本。
しかし、捕獲した少年の霊は近寄るものたちを次々に死に追いやってしまう。
少年の背景を調べるべく、橋本は敏腕刑事イエ・チートンに調査を依頼する。
並外れた動体視力と読唇術を持つイエは、少年の目と目の間から細い糸が出ていることに気づくが…。
原題:詭絲 2006年
感想
まず、「幽霊は電磁波だ」「幽霊の行動は反射に過ぎない。生前の行動を反復するだけだ」というのが笑った。笑っちゃいけないんだけど。バービィも、チャン・チュンニンも、チェン・ボーリンも驚愕の表情を浮かべて死んでいくのだが、これも笑ってしまう。みんななんであんなに目をひん剥いて決まりきった表情で死ぬのだろう。笑っちゃいけないのだが、笑っちゃう。親子の愛で幽霊になる、というのはありがちだが、ストーリーとしては悪くない。
で、キーになるスポンジだが、あれに幽霊を閉じ込めて持つと、反重力装置になり、糖尿病で片足を失った橋本も歩くことができる、ということなのだろうか?何か見逃したかもしれない。
言葉の扱いはかなりリアルだった。チームの共通言語が日本語なのはボスの橋本が日本人だからそうなるだろう。ただ、ぽっと出てきたチートンも日本語で電話までできるのは微妙。けれど、みんなたどたどしいので、たまに聞き取れないのだ。
で、「所長」は日本語が非常にきれいだったのだが、日本人設定なのだろうか?日本語のできる台湾人設定なのだろうか。よくわからない。やはり、何か見逃しただろうか。
「髪が長くて痩せた人でした」といわれる母親だが、それ、セミロングですから。で、母親が幽霊化したときにはまるで「リング」の貞子だった。
それにしても華僑はマザコンだよなあ、と思う。少年が幽霊になって生きている母親とつながっているのはいいとしよう。ただ、大人のチートンは母親を抱えているせいか恋人にプロポーズもできない。母親と暮らしていたのはいい。世話をするのもいい。けれど、「ママなしには生きていけないよ~。→ママが死んじゃう。でも、あの子が結婚してくれるんだ。」というようなチートンにすこし呆れてしまった。これはチャン・チェンの演技がいいのだが。
江口洋介の汚れメイクが結構あってた。
チャン・チェンって、二人並ぶと区別がつくのだが、ピンで見るとたまにダニエル・ウーだ。何が似ているのだろう?浅黒い顔色と、目だろうか。おちょぼ口がダニエル。あごが細いのがチャン・チェン。
ところで、この人だけが生き残るのだが、使った目薬の効果はどれくらいの期間もつのだろうか。ずっと幽霊が見えるのだろうか。
意外や意外で日本語台詞がかなり多いのだが、びっくりするほどぶっきらぼうで乱暴な感じ。
バービィ・スーは、あっさり死んでしまう。バービィさん、不満顔でぎゅっとにらむ顔がど迫力だった。この時点でかなりあごが出ているように見えた。
一つ一つの日本語の発音はたまに非常にきれいだった。さすが、元祖ハーリーズー。
チャン・チュンニンが幼く見える、と思ったら2006年公開だ。顔がふっくらしていて非常に健康的に見える。やはり、前髪がないほうがいい。「闘茶」での日本語台詞があまり滑らかではないと思ったのだが、今回はあまり日本語台詞がないので気にならない。
チェン・ボーリンは、牛肉麺を食べ終えて、皿から出てきた母親の幽霊によって死ぬのだが、その前にチャン・チュンニンに「牛肉麺食いにいこ」と誘っていた。いやあ。腹が減ってたんだなあ、若い男子だもんだあ、と思うのだが、死んだときに、「食べ終えて」死ねてよかったねえなどという不謹慎な笑いをしてしまった。どうするよ?
カリーナ・ラムは、ふくふくした感じでかわいかった。