裕福とは言えないが、ごく普通の温かい家庭で育った市村麦子。
ある朝、そんな麦子の前に、黒い服を着た男たちが突然現れる!
なんと麦子は大富豪・紫堂雄三郎の孫娘だった。
こうして麦子は、紫堂家の娘として生活を送ることに。
しかし、それは麦子が想像していた「お嬢様の生活」とは程遠いものだった。
紫堂家の4人の跡継ぎ候補から、麦子の夫を選ぼうとしていていた雄三郎の計画を知った麦子は・・・
原題:公主小妹 2007年
感想
アイデンティティーを奪われた少年少女の物語だった。
いきなり「孫だ」と言われて今までの環境から引っぱがされた麦子(小麦)と、素直にベストを尽くしたせいで出た自分の能力ゆえに意志に従った生き方をすることを否定された由基(瑾)は二人ともぼろぼろだ。自分の能力を隠し、飄々と生きる彩人(彩)はまだいい。
麦子は決して「すみれ子(珊)」とは呼ばせない。それが最後の残されたアイデンティティーだからだ。しかし、この気の強い麦子にとっては名前などどうでも良いものになっていきそうだ。
それにしても、麦子もじいさんも、由基に彩人も策を弄し過ぎだ。結局、小手先だけで問題の本質的な解決には至らず、麦子は逃走を繰り返すだけだ。それが、マンガらしいと言えばマンガらしいのだが。ラストも花様ほどではないがひどい。
アンジェラ・チャンは結構可愛いが、演技はまあまあ。ただ、「お嬢さま」になったときの、歩き方は本当にひどい。前半は白いルブタンを履くのだが、がっくんがっくんひどい歩き方だ。これよりもひどいのは「オーシャンズ11」のジュリア・ロバーツだけだ。まあ、ふつーの女の子がいきなりルブタン履いたらそうなるし、リアリティがあるなあ、と見ていたのだが、帰ってきてから歩き方を習ったりするのに、今度は黒のルブタンでやっぱりがっくんがっくん。わざとじゃなかったようだ。私自身は重心が上にあるし、バランス感覚も悪いので怖くって、そもそもヒールの高いものは履けないのだが。
しかし、歌える。この人は女優はせずに、シンガーに専念するほうがいいと思う。
どっちもかったもの、私。
ウーズンはやっぱり下手だ。髪型も変。服はふりふりのブラウス(シャツではない)が、筋肉でぱっつんぱっつんなのが痛々しい。けれど王子ぶりは眼福。けれど、花様でエラといちゃいちゃしていたような楽しそうな雰囲気はあまりなかった。FBに上がってたビハインドショットらしいもので、更衣室で密会するシーンでウーズンが女物のパーカーを着ざるを得なくなる、というシーンの直後に、ウーズンが胸を閉じようとしてしかも顔がすごく恥ずかしそうな写真があるんですね。ファンのコメントに「はは、Chunは乳首が見えるのが恥ずかしいんだね」なんて書かれちゃうような写真だ。エラだったら「見せなさいよ」とあけさせようとするとか、大笑いするかしそうですけど、アンジェラは…引いてる。うまく合わないようで、二人とも少し気の毒だった。
今回は花様とは違ってウーズンはほとんど脱がないが、アンジェラとジニー・チュオの妄想の中で脱がされている。しかも、すっごく笑える。
主役の二人がはっきり言って下手(ファンでも認めるしかない。本作のウーズンは顔要員だった)なので、助演で引き締めるべきなのだが、二番手君役のケルビンが決して上手くはないのが辛い。でも、前半の如才なさと後半のだめっぷりが、そうよね、お坊ちゃんって細いわよね、小ざかしいけど駄目よねと…実は母性本能をくすぐる。髪が短いとナイトメア・ビフォア・クリスマスのジャックに見えちゃうのに、長髪で王子ルックだと華奢な体によく似合う。ただ、ケルビンはこの頃が一番かっこ良かったのではないかと思う。
後半から出てくるジニー・チュオは「お嬢さま」なのに、安っぽい黄色い服ばかり着ているようだ。かわいそうだ。
二人の弟たちもあわせて、四人の男の子が出てくる。やりようによればF4なのだが、弟たち(ジョージ・フー、エリック・リー)はあまり絡んでこないのでもったいない。
台湾ドラマの日本のドラマを原作にしたドラマシリーズは結構ある。名前も台湾風に変えられるのだが、字幕では原作の日本の名前に戻される。それが妙な気分にさせられる。しゃお・まい!と呼びかけて字幕が「お前」とか「麦子」はありだ。「しゃお・まい」が「小麦」だから。「なんふぇん・つぁい!」が「彩人」(カルヴィン)なのも、ま、いっか、となりました。南風彩だもんで。でもね。「なんふぇん・じん!」と叫んでるのに「由基」はきつい。前半しょっちゅうアンジェラが叫んでるので、なんか気になってしまう。
繁体字字幕が入っている場合は繁体字字幕で読んでもなんとかなる。本DVDは繁体字字幕が選択できたのでそれで見ても十分。まあ、ラブコメはわかるし。
コメント
[…] ウーズンも細くなってしまった、というよりもやつれていて気の毒なほどだ。五段活用と違って、眉間にしわを寄せないのが良い。ウーズンとショウが追いかけっこをするシーンがあるのだが、躍動感があってとても美しいシーンだった。突っ込みどころ満載のこのドラマ、ウーズン目当てで見ていたのだが、各話に5分も出てればいい方なのに、中盤過ぎから恋愛模様が中心になるころから一フェイドアウトしてしまうのでいらいらしてしまった。 […]
[…] MCはF4ではなく、フィービーとアヤ。フィービーは見たことがあると思ったら「ろまんす五段活用」の麦子の育ての母だし、アヤは「山田太郎」の隆子。でもまあ、この二人がぎゃんぎゃんうるさいうるさい。撮影時期はおそらく「流星雨」後「流星花園2」前だろう。「流星花園2」放映直前だったのだろうか。 […]