ほぼ全ページにアフィリエイトリンクが存在します。アフィリエイト収入は、ドメイン・サーバー維持、ブログメンテナンス、ブログ執筆にかかるデバイス代、視聴料に費やし、ブログ読者さまに還元しています。

あの日を乗り越えて

スポンサーリンク

1年365日のうち300日は雨が降ると言われる台湾東北部の海岸沿いに暮らすフーハイは、サックスに夢中な17歳の高校生。
いつものように雨の降るある日、フーハイの実家の商店に一人の不思議な少女が自転車で突っ込んできた。
間もなくして、その少女は、フーハイの高校の転入生であることが分かる。
転入生のユーチンは風災で家族を亡くし、心に癒えない深い傷を負っていた…。

原題:那年,雨不停國 2010年

感想

監督を探してびっくりした。
拝金女王」の監督ではないか。プロデューサーがヴァネス。あのコンビだったのか。さらに、プロデューサーには「ブラック&ホワイト」で「ボス」を演じたジミー・ハンも名前を連ねる。

舞台は高校。日本でもドラマの高校の制服はおしゃれ。だけど実際にはおしゃれな制服の学校もあるけれど、ださい学校だって少なくない。台湾だって「言えない秘密」のようなおしゃれな制服ではない。実際の淡江高中の制服はかなりださいっぽい。(黄土色の作業着みたいな制服をジェイが着て、きっと似たようなものをヴィックやジェリーも着ていたかと思うと結構じわじわくるのだが。)

本作の男子高校生の制服は黄土色の作業着だ。「九月に降る風」や「モンガに散る」で着ていた、あのださい制服の系統だ。それだけでも、かなり写実的だと思う。今まで台湾ドラマは「ブラック&ホワイト」を除けば、全て少女マンガちっくだったので、新鮮だった。

カラフルだった、まさに「七彩」だった「王子様の条件」とは異なり、全体的に青みがかった絵作りも、台湾ドラマというよりはむしろ「台湾映画」の色だった。大きな波がなくて、静かで淡々と進む物語も「台湾映画」好み。

ヴァネスは台湾映画よりも香港映画、しかもアクションの方が多かったし、ジミー・ハンの「楽之路」も青春ものとしては台湾映画の王道だけど、むしろ日本映画にようだった。二人ともアメリカ生まれのアメリカ育ちで、俳優としては大味だったり、「サモ・ハンの息子」ではなかったらデビューは無理そうなオーラがまるでない人たちだ。監督も映画メインではなくドラマメインの監督っぽい。それなのに、ぷんと漂う「台湾映画」の香り。なぜなのだろう。

「九月に降る風」の主演を務めた張捷がフーハイの親友役でいるからだろうか。
俳優に端正な顔立ちの、テレビ向きのフォトジェニックな男がいないからだろうか。ラストはファンタジックではあるが、台湾映画のリアリズムを濃厚に感じたドラマだった。

原題をそのまま直訳すると「あの年、雨のやまない国(場所)で」だろうか。

あの日を乗り越えて [DVD]

あの日を乗り越えて [DVD]

ジエン・マンシュー, チャン・シューハオ, チャン・チエ, コー・シューチン, ヴァネス・ウー
Amazonの情報を掲載しています
タイトルとURLをコピーしました