対照的な二人のやくざが次期会長の座を巡る争いに巻き込まれていく…。血で血を洗う、非情の黒社会。俺たちの未来は、自分で決める!
飛砂風中轉 ONCE A GANGSTER 2010年
感想
監督はフェリックス・チョン(莊文強)。
コメディや。これ、コメディや。
「エレクション」のコメディかと思ったら「インファナル・アフェア」のコメディだった。本気で「エレクション」のコメディをするなら。レンゲばりばりは外せないでしょう。「インファナル・アンフェア」以上のお間抜けさんだけど、香港コメディのてんこ盛りではないのが意外だった。香港のコメディってマイケル・ホイものに、レイモンド・ウォンものをみすぎたせいか、徹底的にてんこ盛りするイメージだったのだが。上品だね、フェリックス・チョン。
今回アラン・マックはプロデュース。やっぱり、アンドリュー・ラウが欲しいところ。微妙にゆるいのだ。
ジョーダン・チャンといえば「頭文字D」なのだが、悪そうにないのがよろしい。若い頃を演じている俳優に見覚えがあるのだが誰だー?と思ったらデレク・ツァンか。父に似ず体格がいい。ただ、老けてきたね。
イーキンは髪を上げているせいでとっても髪がヤバイ人になっている。おろすとそうでもないのになあ。40近くなってからのレスリー・チャンの薄毛っぷりもきつかったが、イーキンもきつい。レスリーは短髪にしていたじゃないか。イーキン、髪を切ろう。まあ、まだレスリーほど薄くはなっていないけれど。イーキンの若い頃を演じたのがウォン・ユーナン。この人まだ一応アイドル枠?イーキンの髪の心配よりもこっちの髪を心配したほうがいいかもしれない。
気になったのは、放火のシーンで通行人の男に灯油をかけてしまい、その人に火がついて、というシーンだった。あれ、死んでるんでしょう??あの人は手下だったの?そこの後味が徹底的に悪かった。
沙田の銀行がどうの、といっていた。確かに沙田ってああいう感じ。いわゆる九龍の下町のごみごみさよりは、道が少し広くなっていていかにも新興住宅地、という場所だ。沙田だけでそこそこ仕事はあるし十分生きていけるのだけど、やっぱり遊ぶならモンコックにチムサーチョイだし、働くならセントラル。こう、ださいというか、新界は一つ落ちるのである。落ち目のフォーソイを表現するのに適したところだけれど、そこそこリッチなフォーナンは沙田をうろちょろするのだろうか。いや、放火するには人通りが少ないところが良いわけで、ということか。