香港の、林正英のキョンシーシリーズは「霊玄道士」というタイトルで日本で展開されたわけです。それをうけて、台湾でもキョンシーものをつくるんだけど、それが、「幽玄道士」シリーズとして入ってきたわけよ。
キョンシーがブームだった時代は、私は幼稚園から小学校低学年で物語がよくわかってなかったかな。恐ろしいキョンシーと、恐ろしくないキョンシーがあって、間違えて恐ろしいキョンシーのほうを見て怖がるなどするわけですよ。で、恐ろしくないキョンシーというのが、こっち。台湾のほうです。
今見ると子供用なのにみんなすごいアクションだよね。
あと、金おじいさんが笑っちゃうほど品がない。ただ、「世知長けた台湾のおじいさん」というのはあんな感じなのかもね。
舞台は、清末の群雄割拠時代、湘西が舞台らしいのだけどそこは、湖南省西部のことらしい。
幽玄道士 キョンシーズ
4人の子供たちと大道芸の旅をする親方は、キョンシーに自分の影を踏まれて、死んでしまう。残された子供たちは優しい金おじいさんとカワイイテンテンのいる葬儀屋に引き取られるが、死んだ親方が狂暴キョンシーとして蘇って街は大混乱に!どうするテンテン?
1986年 殭屍小子
感想
昔話として始まる物語。
デジタルリマスターされていないものを見たけど、これ、2010年以前にYouTubeに違法にアップされてるかな!?ってくらい荒かったよ。
来来を先に見たのだけど、あっちは「義荘」と言っていて、こっちでは「葬儀屋」ってことになってて、あああ、これ魔道祖師・陳情令で見たやつ!ってなりました。
あと地獄からの迎えって言ってたっけ、白無常と黒無常が出てきて、私の中国理解が深まったってことですかね。
すごく幼い子供たちなのに、本当に大道芸でも仕込まれてる子たちだったのかしらってくらいのアクションです。
親方のように善人なのに不運に不運を重ねたような人というものも、この世にはいます。善人でもキョンシーになるんだよねえ。諸行無常という感じがしなくはない。
劉致妤がなぜシャドウ・リュウと名乗るかわかったような気がします。テンテンは美少女だけどすごく影があるの。
私はプライムのオリジナル版を見たけれど、有料だったらデジタルリマスター版も存在します。
幽玄道士 キョンシーズ 2
森の中でキョンシー隊を先導する長三道士の前に突如ベビーキョンシー現る!いたずら好きのベビーキョンシーは親方キョンシーの納められた棺の封印を解いてしまい、そのまま忽然と消えてしまった。
哈囉殭屍 1987年
感想
ストーリーは続いていて、親方キョンシーを故郷に埋葬しに行こうとする大道芸人の子供たちに、爺さんとテンテンはついていくことに。
これ、最後の「西瓜頭ー!」は覚えてる。次に、西瓜頭はそのまんまキョンシーとして出てくるのがおかしかった。
記憶になかったのは神父とかシスターとかですね。
キリスト教はねえ。中国はあれですよ。連中がやってきたことを考えれば、伴天連追放令は100%支持できる。というか、アジアに生まれ育ったアジア人がキリスト教徒、特にカトリック系であることができるというのは、なかなかNaiveなのか、そこに何らかの相克があったかのどちらかだよね。
幽幻道士(キョンシーズ)2 <デジタルリマスター版> (吹替版)
幽幻道士 キョンシーズ3
キョンシーになってしまったスイカ頭を引き連れて、旅に出たテンテンたち。一行は森の中で、闇の法術使いムササビ道士に狙われる。戦いの中、闇の法術に倒れた金おじいさんを助けようと、元婚約者のマーボおばあさんが立ち上がり、究極の秘儀を使うことに。
1988年 幽幻道士
感想
これは本当にタイトルが 幽幻道士。多分日本でこのタイトルで売れるようになったからってことなんでしょう。
1から3までは話が続いていて、3のキャストは「来来」ともかぶってる。
ただし、「来来」にせよ、1にせよ、子どもの浅知恵、浅はかさ、無鉄砲さが災難を引き起こすることがあるけれど、これはみんないい子ちゃんになっててなんだかなあ。コメディではあるんだよね。それは確か。1の親方がキョンシーになってしまう「悲劇」のリアルさとか。2の西瓜頭の最後のような、後味の悪さのようなものはない。
幽幻道士(キョンシーズ)3 <デジタルリマスター版> (吹替版)
来来!キョンシーズ
チビクロの父・杜平が旅先で無念の死を遂げた。杜平キョンシーは、凶暴キョンシーとなり人々を襲いはじめる。テンテンたちの活躍により無事成仏させるも、後にテンテンたちは杜平が悪名高き悪漢コウモリ道士に殺されたことを知る。杜平の敵を討つために、子どもたちは最後の戦いに挑む!
1988年 哈囉殭屍
感想
これは、台湾版のキョンシーが人気だったので、TBSが台湾の制作会社に出資して作られたというものです。
カエデさんというチビクロの母親の名前は「銀杏」だった模様。
コーンと聞こえたのは、浩雲道長だったらしい。80年代の音声技術はあまり良くないから仕方ないわね。
ありがとう、ウィキ繁体字版。
CG前夜で、顔はそこまでうまくない特殊メイクに、いろんな力はフィルムに絵をかいてますよね。
ワイヤーアクションはもう存在するねえ。しかも子どものアクションがすごいわけよ。
幽幻道士 キョンシーズ4
テンテンには秘密があった。かつて魔王との対決で父の身体は乗っ取られ、テンテンを身ごもっていた母も絶命してしまう。テンテンは、金おじいさんの法術によって棺の中で生を受けたのだ。大きくなったテンテンの前に、魔王の化身となった父の操るフルメタルキョンシーが現れた!
孩子王 1988年
感想
本作ではテンテンが林小樓に交代。西瓜頭ももういなくて、劉兄妹はいません。いわゆる「テンテン」こと 劉致妤 の姿は本当にちらっとしか出てきません。
孤児たちのほうも、ベビーキョンシーもずっと同じ子たちがメインではないかと思う。テンテンの出生の秘密という設定だけど、やはり、短期間に同じシリーズで出してしまうと、制作側が失速してしまう感じがしないわけじゃないですね。
幽幻道士(キョンシーズ)4 <デジタルリマスター版> (吹替版)
新・幽幻道士(キョンシーズ) 立体奇兵
テンテンチームとアンアンチームの白熱する大運動会。テンテンチームの勝利にケチをつけたアンアンは森にテンテンたちを呼び出した。その森で不思議少女ミミとベビーキョンシーに出会う。仲良くなった子どもたちだったがミミとベビーキョンシーが魔界へ連れ去られてしまう。
立體奇兵 1989年
感想
ストーリーは、3から連続しているようで、4のことはなかったことに。
本来、恬恬(テンテン)の位置にいる女の子の名前は娟娟(チェンチェン)らしいけれど、吹き替えではテンテンになってた。演じたのは李宜娟。この名前をググると、もう少し上だろう女優さんが出てきます。諍い女の瑞妃の女優さんです。同姓同名で別人だと繁体字wikiが言っていた。
お子さまたちはずっとベビーキョンシーの男の子だけが同じなのかなあ。(弟でも変じゃないよね)
孤児グループは、ちびくろとトンボ。アンアンがスイカ頭キャラですかね。
3Dメガネ(昔、赤と緑のフィルムを貼ったのをかけて見る作品があったんですよ。今の3Dがはやるはるか昔、本当に90年前後のごくごく一瞬です。多分そのシーンが、後半の「立体奇兵」だったんでしょうけれども、なかなか怖いよ。
紙の家に吸い込まれるのだけど、中華圏のものに親しんだ人ならわかってもらえると思う。死者へのお供え物なんですね。その中で、(中には人が入ってるんだが)紙でできた人形が遊んでるってだけで、かなりの恐怖シーン。立体奇兵も無表情で同じ顔の人形が襲ってくるので、めっちゃ怖かった。幽幻シリーズ随一の怖さだった。
どれくらい怖かったかって、It’s a small worldくらい怖かった。イラチにおすすめ香港ディズニーランド なお姉さんは、ディズニーランドへは香港でしか行ったことがない。恐怖の館だったぞ、It’s a small world.
この後、幽幻少女があるらしいんだけど、アマプラに入ったら見よう。
新・幽幻道士(キョンシーズ) 立体奇兵 <デジタルリマスター版> (吹替版)