宋王朝の時代。皇帝を守る忠臣で楊一族の家長・楊業(ようぎょう)は北から侵攻してきた遼を討つため、先陣を任される。
敵国の指揮官は、かつて楊業が打ち破った将軍の息子・耶律原(やりつげん)。そして、宋の指揮官は楊業を逆恨みする潘仁美(はんじんび)。
戦乱を勝ち抜いてきた名将・楊業にも不吉な影が忍び寄っていた。出陣した楊業率いる先鋒隊は、敵の奇襲と味方の裏切りで多くの兵を失い、
ついには楊業が毒矢で負傷し窮地に追い込まれる。そのことを知った楊業の七人の息子たちは、何があっても父を連れ帰ると母に誓い、
圧倒的に不利な戦場へと赴く。瀕死の父を背負い、息子たちは命がけで故郷を目指すが…。
忠烈楊家將 SAVING GENERAL YANG 2013年
感想
監督はロニー・ユー。
原作は「楊家将」。
ちぇ。滑舌の悪い(ネイティブではない)ウーズンのみならず、周渝民まで吹き替えられているじゃないか。ほとんど喋らなかったよ、この人。「追っ手は80騎」「私ではなく馬を射ている」「殺してやる」だよ。それくらい良いじゃないか。セリフの多いウーズンが吹き替えられているせいで、誰が誰やら声では全然わからないのだ。困る。
演技下手なウーズンだが、主役起用(この物語は生きのびる六郎の話だよ)なのはラストのアクションとオープニングの半裸だろうか。そういえば、タトゥーは綺麗に消す処理がしてあった。年齢から言えばヴィックの方が下なのだが、あのアクションするのはちょっと難しいし、筋肉が多分ないね。「戦神」のアクションは力が入ってないの見え見えだったし、「ブラック&ホワイト」はアクション担当ではなかったし。ラストあったか。瞬発力はどうもありそうなのでやればできるかも。
久々にカメオではないイーキンを見たような気がする。老けたなあ。耶律原役にイーキン、大郎役にルイス・クーという予定だったのではなかったかな。あまり存在感がなかったが、元気なようで良かった。そういや、この人広東語の名前をひっくり返しただけだね。英名のない香港スター。
セリフのほとんどなかった周渝民さんだが、目力抜群で、射手役にぴったりだった。こう、きりっとしてこの人のこういう役をもっと見たい。つぎは殺し屋とかしないかなあ。ジョニー・トーさん、この人もおっさんになったし、お耽美おっさんシリーズに出しませんか??
四郎と五郎はどっちが四郎でどっちが五郎なのかがわからないのだが、片方(たぶん四郎)が韓国のパク・ユチョンそっくりだった。
願わくば、もう少し兄弟の描き分けが欲しかったけれど、馬の扱いに慣れた二郎、射手の三郎、考えなしの七郎、なんかめんどくさい六郎、仲良し四郎と五郎、そして兄ちゃん、というのは了解。それで良いのかな。
CGがたくさん使われているのだが、これが「天上の剣」ですか?というくらいチープ。テレビで見るからそうなるのかな。アクションもスローが多くてつまらない。編集も甘いし。
ま、ヴィック・チョウさんを見る以外に価値はない。
ストーリーはドラマで予習済みだったしね。ドラマの四郎五郎は物語の「楊家将」のまま(四郎は遼へ行き、五郎は出家する)だが、本作では失踪。失踪した方が悲劇性が高いしリアリティあるよね。史実では失踪、なのかな。そもそも、「六郎」が六男だったかすらもわからないわよね。
そうだ、中国語では「六郎」(リウラン)とか「三弟」(サンディ)、「五弟」(ウーディ)と呼ばれていたのに、字幕が「延昭」とか名前(てっか、字?)が出てきて誰が誰だかわからなくなってしまう。セリフの多いウーズンの声が吹き替えられているので、気分が乗らないし。仕方が無いから武器で区別する、みたいな?もうヴィックしかわからんじゃん