2012年
感想
監督は朱延平。
ヴィックがすんでいる家が少しぼろいけれど、かわいい家だった。窓が大きくとってあっていい感じ。夜は海に沈む月が見える。エラの大きな木の下のお店も雰囲気たっぷり。
けれど、どちらも現実的ではなくて、生活感がなくて「テンポラリー」というか、「根付いた暮らし」をしている人には見えない。阿Bはバーで皿洗いをしたり、農作業を手伝ってその日をしのいでいるだけだし、エラの店も「海の家」のような感じ。でも、楽しそう。
自然いっぱいなロケ地で小学校に上がるか上がらないか、ぐらいの子供が「夏休み」を過ごすには良さそうだ。あれくらい無茶苦茶というか、自由な男と一緒だと面白いだろう。
台湾らしい、悪人のいない(ちょっとドラマチックな)物語であった。
エラは「君には絶対恋してない」に引き続いてお世話好きで子供好きな「大きいお姉さん」。二人いる子役も一人同じだから特にそう思う。地がどんな人かは知らないけれど。でも、ジェリーにしてもヴィック・チョウにしてもエラのような人(というか、エラが演じるような人)とくっつけると良いだろうに、と思うが、エラ本人は人妻で幸せなのだから仕方がない。
それにしても、「シングルファーザー」をたらしこむ癖は直した方が良い。(←フィクションですから!)ラストの「綺麗なエラ」も良かった。
子供を妻に渡すシーンは遊園地なのだが、その前に映った絵が上海っぽいのだが。舞台はどこなのだろう?
一瞬だけでてきたビビアン・スー、凄い出っ歯。「ファッションの達人」どころの不細工さではないのである。こういうのを喜々として演じられる美女っていいわあ。
元レーサーの物語。連想するよね。「戦神」
昔の写真の中に「陳零」がいるかと思ったが、いなかった。ふっくらとした陳零の面影はなく、阿Bはやつれた男だった。零の殺気だった凄みもない。「大人になった零」ではなかった。つまり、きちんと演じ分けられていたということだ。キラに捨てられた零、というわけではない。
そんなことを言っていたら「え?俺はもうアイドルじゃないし。あれは昔の話だし」とか言いそうだけど。
エンディングソングについてはまた別で。