絶対彼氏~My Perfect Darling~ (台湾版)

5.0
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元彼に惨めにふられてしまった玩具会社のOL井沢リイコ(ク・ヘソン)。
そんなリイコはひょんなことからネット通販で恋人ロボットを購入してしまう。
ある日失恋したばかりの彼女の前に未来から来た完璧な恋人ロボット、天城ナイト(ジロー)が現れる。
ナイトはイケメンでユーモアがあり、しかも料理も洗濯もできる。
リイコと生活していく中で彼の人工知能は進化し続け、徐々に自分の性格を持っていく…。

原作:絕對達令 2012年

感想

あー、笑った笑った。後の最後まで、多幸感のある物語だった。ジロー・ワンの整形めいた顔も、あまりうまくない演技もロボットにはぴったり。ク・ヘソンのコメディエンヌぶりも最高だ。最「ロボットを愛せるか」というのが主題だが、これを乗り越えてしまえば後は楽。

逆ハーレム、最高!!!!!
じゃないんだね。人間のソウシを夫にして、ロボットを彼氏、でいいじゃない?と思うのは私が汚れた三十代だからだろうか。

ソウシ、良い奴だが世話女房すぎるんですよ。だが、こういう世話女房タイプの男子って女の幻想だとは思う。実際にいるのはコントロールフリークじゃないだろうか。「ソウシ」が技術者設定な理由がわかった気がする。ソウシがナイトを修理するんじゃないだろうか。愛するリイコのために。台湾ドラマお得意の二番手君ならそうしそう。と思ったらやはり。

この物語は、結局アスペルガーっぽい人とコントロールフリークな人の二人に愛されて、アスペルガー君を選んだ、と捉えなおしても良いかもしれない。

しかしながら、一点。ミカとリイコの関係。

ミカは典型的な「フレネミー」、つまりフレンド(友達)の振りをしたエネミー(敵)だ。データからしか読み取れないナイトは「親友って緊張してる人のこと?」と看破している。(ナイトはロボットだという設定だが、現実にいたらアスペルガーちっく。)

物語だからリイコは「無邪気」で済むのだが、実際にいたらリイコは「どじ」どころではない。物語ではおそらく、裏で糸を引くミカ、リイコは不運が回って来て嘆く、なのだろうけれど。

現実世界ではリイコは裏にミカがいることに気づいているだろう。なぜ自分に攻撃的になるのか気づくか気づかないかは別として、ミカがフレネミーであることを知りながら側に置いているのだ。「嫌がらせをされていること」に気づかない振りをするのが、嫌がらせをする相手に対する一番の嫌がらせだからだ。最もひどい無視の方法なのである。この点、ちょっとぞくっときた。

主演は当初予定されていた呉尊(写真だけは撮影していた)からジロー・ワン(以下大東)に変更されたものだった。(注 普段は日本での芸名もしくは本国での芸名を使うのだが、書きにくいのでこの人に関しては大東と書きたくなる)。その後呉尊はレイニー・ヤンとの「陽光天使」に入って飛輪海を抜けたのではなかったかなあと思う。うろ覚えなので前後しているかもしれないが。変更したのは正解だっただろう。とにかく脱がされて、というのも呉尊は嫌がるだろうし。

大東がロボットに似合う。とにかく、似合う。大東は表情筋が豊かなくせに目が冷たい。というか、目の奥が冷たく、笑っていない。その、大東という俳優をここまで生かす役があったとは!目の奥が笑っていないのに、表情筋だけは動いている、というのがひどくロボット的なのだ。パーフェクト。(演技べたのイケメンの呉尊ではこうはいかなかっただろう。 作品はさておき、「桃花タイフーン」でのこの人が半端でなく美しいのには変わりはないのだが、良い。本当に、良い。

わらちゃったのはモザイクがかかっていたことだろうか。しかも隠したシーンの多いこと多いこと。ひたすら俳優を脱がす中華の真骨頂ではないか。大東的にはせっかく鍛えた筋肉がこういう形で使われたのは本意ではないかもしれないが。

韓国の女優をもってくんの?わざわざ?と思ったのだが、こうしてみると、ク・へソンという人選は完璧だったのではないだろうか。コメディエンヌとしてなかなかではないか。ご本人様の地声を知らないけれど、吹き替えも今回はなかなか上手くいっているようで、少なくともキャラにはあっているのではないかと思う。変顔でもキュート。オーバーアクションが臭くならない女優は大変貴重。

演技のあまり上手くない大東に、オーバーな演技が自然にできる女優をあわせることによって、「ロボットと人間」はうまくいった。下唇を突き出すところも可愛い。台湾の女優だったら、やはり、エラ・チェンかな。でも、エラは押さえた演技が下手だから、やりすぎるだろうなあ。というわけで、この人選は当たっていたと思う。

二番手君のソウシ役のシェ・クンダーはおそらく初見。どことなく見覚えがあると思ったのだが、なんとなく小鬼に似ているからだろう。イケメンの小鬼、という感覚だ。どこにもタン・ユージャがいないのはなんだか変な感じだ。三番手君あたりでヒロインをかっさらってくれないだろうか。(あり得ない)

ガク・ナミキリ役の、那維動が「KO-One」や「100%」と同じ感じのオネエのような変な役。こういう役が好きなのか、あたり役なのか。ただ、演技がどれも同じパターンで。

オープニングソングはなんだか韓国風。そりゃ、主演が韓国の女優さんだし、と思ったが声を一つ一つ聞けば誰かがわかる。もちろん飛輪海。呉尊が抜けて以来初めて聞くが、一番の低音が抜けたせいか良い意味で韓国グループっぽい。よたよたと音をはずす犯人が抜けたせいでまとまっている。音楽的には抜けて良かったのかもしれないが、面白みがなくなってしまった。台湾アイドルの歌なんて、声を聞いてにたにたする(きもいですね♡)以外に用途はないのである。

エンディングソングは大東単独だろう。やはり、アーロンで締めていただきたい。

DVDについて

日本では配信版と、セルDVDと編集が違うと思う。少なくとも、本作は配信では20話、セルの「台湾オリジナル」は13話になっている。

台湾ドラマの尺はなぜかかなり長く、90分の枠で70分くらいドラマをやる。なので、日本の60分の枠で45分の尺に合わせる必要があるときは日本で編集することがあるから。

その点要注意。

また、残念ながら中国語字幕はない模様。

絶対彼氏~My Perfect Darling~(台湾オリジナル放送版)DVD-BOX

絶対彼氏~My Perfect Darling~(台湾オリジナル放送版)DVD-BOX

ジロー, ク・ヘソン, シェ・クンダー
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