マイ・ブルーベリー・ナイツ

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ニューヨーク。失恋したエリザベスは、彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるカフェのオーナー、ジェレミー。彼と交わす会話に、心が慰められるエリザベスだったが、二人の距離が縮まったかに見えたある日、失恋相手が新しい恋人といるところを見てしまい、突然ニューヨークから遠い旅へ出る。失恋から57日、1,120マイル、メンフィス。別れた妻への愛を断ち切れず、アルコール中毒になった男と、その元妻に出会う。失恋から251日、5,603マイル、ラスベガス。人を信じないことを信念とする若くて美しいギャンブラーに出会い、旅をともにする。出会った人々の人生と、自分の人生を照らし合わせて、エリザベスは思う。「人を愛し、信じることっていったい何なんだろう・・・」それを真っ先に伝えたい相手がジェレミーだった。

My Blueberry Nights 2007年

感想

今の所、王家衛唯一の全編英語の作品。

恋する惑星」的なものを、ちょっとフランス映画のテイストを加えてアメリカで撮影したというところだろうか。

かわいいと言えばかわいい。ファンタジックでもある。ただ、どうも乗れなかった。絵は王家衛らしくごっちゃごちゃに見えるくせに綺麗な色彩だ。この色彩感覚の美的センスは羨ましいとは思う。

出てくる三人の女たちはみな何かを「失って」いるのだが、スー・リン役のレイチェル・ワイズはヒスってるだけのように見えてしょうがなかった。スー・リンとアーニーの愛はお互いを焼尽す愛だと思うのだが。ギャンブラーのレスリーは父を失うのだが、演じるナタリー・ポートマンのしゃがれたような声(セシリア・チャンもこの声だね)に相まって、小悪魔的キュートさと訳の分からなさが混在していて非常に魅力的だった。

主演のノラ・ジョーンズは大根ではないのだが、だからといって良い演技をしているわけでもない。さらに言えば、ジュード・ロウ。トニー・レオン的な使い方をしたかったのだろうとは思うのだが。「お人好しで世話好きだけど、自分の世話は難しい」ジェレミーには配役ミスのように思えた。あった役を得ると水を得た魚になる人なのだが。キーとなるこの二人がかみ合っていないように見えるのが痛かった。

「恋する惑星」で、香港はキッチュな魅力の溢れる場所になっている。けれど、ニューヨークも南部も西部も魅力的には映っていなかった。

マイ・ブルーベリー・ナイツ(字幕版)

マイ・ブルーベリー・ナイツ(字幕版)

ノラ・ジョーンズ, ジュード・ロウ, デヴィッド・ストラザーン, レイチェル・ワイズ, ナタリー・ポートマン
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