スクラップ・ヘブン

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2005年

感想

監督は李相日。

加瀬亮が黒服を殴る妄想をしてる間に気づいた。「ファイト・クラブ」がやりたいわけか。黒服との戦いのシーンはなんとなく「マトリックス」を連想した。鈴木砂羽の携帯の着メロの「やっちまいな」は「キル・ビル」か。

エドワード・ノートンを加瀬亮が、ブラッド・ピットをオダギリジョーがやるわけか。ヘレナ・ボナム・カーターを栗山千明。爆破担当が栗山千明と少しずらしたのは正解。

加瀬亮は細い。溝に両膝をつけてはまれるほど細くて華奢で、肩に合わせたスーツはだぼだぼと余るほどだ。ガリガリ君は好みのはずなのだが、あれ?ちっとも萌えない。これが5年程度で「瀬文さん」になっちゃうのか。マッチョ瀬文の方が好みだ。
今回は決して滑舌が悪くない。たまにやんちゃな表情をするのがちょっとかわいい。役中いろいろな格好をするのだが化ける。髪が長くてだらしない感じだ。2005年頃って、あんなリーマンファッションだったっけ?と思うのだが、もう記憶にない。

オダギリジョーは若くてピチピチしていて、「しゅっとした」感じが非常に良かった。恵まれた容姿に、無駄のない身体の、綺麗でバランスの良い筋肉。なぜかこの人はほとんど避けてきたのだが、凄く良い。追いかける、かもしれない。この人の存在感で、ただの雰囲気映画に落ちてしまうのを救った。

栗山千明はセリフ回しが徹底的に悪い、と思っていた。本作ではそこまでではないが、やっぱり何か悪い。間が悪いというか。でも、喋らなかったら綺麗ですっごい迫力なのだ。ちゃんとセリフが喋れてて演技も悪くないのに壊滅的にオーラがない女優さんって少なくないのに世の中不公平だ。ただ、爆破実験に成功したときは非常に幼稚だった。当時まだ若かったし仕方がないのだろうが、あの演出はない。監督の責任。そしてなぜこの人を、このキャラクターをきちんと生かさなかったのだろう。

虐待ママの鈴木砂羽は良かった。いろんな仕草が妙に色っぽい。こけるシーンですら。

やりたかったことはわからなくはない。けれど、妙に耽美的になっている。ところが、こちとら血みどろお耽美ジョニー・トー作品を見慣れている。散々見てきた香港映画はゲロはつきもので、自称アイドルのジェイ・チョウですら、アイドル映画の「頭文字D」でもげーげーやっていた。汚い公衆便所だが、「些細なこと」のエディソンの話見てくれ。

復讐シーン以外がちんたらしてる感じがよろしくない。二時間が極めて長く感じられた。警察署のトイレのシーンなんてちゃっちゃとテンポ良く進めた方が面白いと思う。スローモーションは少しだけ。効果的に使おうじゃないか。なんだかスローモーションを多用するダメ映画が何処かにあったような気がするが、もはや忘却の彼方。

それと、子供をビニール袋にいれてはいけない。少なくとも、上は絶対に絞っちゃダメ。本当に死にます。後半、殴られてからの加瀬亮だが、公衆便所で殴られたのだ。…臭いだろうなあ。不潔だろうなあ。傷口も化膿するだろうなあ。とリアリティがなくなっていく。「あいつら、想像力がないんだよ」と語る警察官だったが、本当に浅はかで想像力が足りないのは警察官の方だった。

「ファイトクラブ」をひっくり返そうとしたのだろうが、そこにリアリティがないのは監督の想像力のなさだろうかね。

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