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ジャンゴ 繋がれざる者

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主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツと出会い、自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で妻を買い戻そうと決意。お尋ね者を追うアメリカ横断の旅の最終目的地は、妻が捕らわれているキャンディ・ランド。そこは残忍な若き暴君カルビン・キャンディが君臨する農園だ。ジャンゴとシュルツは奴隷商人を装いキャンディ・ランドに乗り込むが、見かけは黒人、心は白人の老獪な奴隷頭スティーブンが二人の正体を見破り!思いも寄らない一大死闘が展開する!!最後に生き残るのは果たして―――?

Django Unchained 2012年

感想

監督はクエンティン・タランティーノ。

これが見たかったんだよ。
強烈な色使いと大仰なカメラワークと外連味の強い演出は、もはやタランティーノの特徴と言って良い。これらは下手をすると退屈になる原因なのだが、飽きさせないのはストーリーテリングの上手さと、演技、テンポの良さがあってこそ。それがわからないと「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」の惨状になってしまう。そういえば、タラちゃん、スキヤキに出演していた。ひょっとすると、本作はあの駄作のアンサーソングかもしれない。

まず、暴力シーンだ。
ねっとりとした血の飛び散る様は非常に凄惨だ。ただただ凄惨なだけだったスキヤキと違って、本作は明確に「やらなきゃ、やられる」世界だ。

次に、タランティーノは常に弱いものの味方だ。だから、見る方は安心してみることができる。
実際には、ジャンゴが捕まったあと、ブルームヒルダはそのまま閉じ込められるだけですんだだろうか?ミス・ララによって、興奮状態にある用心棒たちに褒美として与えられただろう。しかし、ストーリー上レイプシーンは決して必要ではないから、タランティーノは描かない。

奴隷の置かれた悲惨な状況を描き、奴隷のいないヨーロッパから来たドクターによって顔をしかめさせてみせる。奴隷デスマッチも性奴隷も実際にありそうな話だ。

黒人のジャンゴを自分と同等に扱うドクターに恐れ戦く南部の白人たちを描く。そして、もちろん忘れないKKK。これも頭の悪い存在としてコミカルに描いてみせる。このバランス感覚。ちょうど、トレイボン・マーティンという黒人少年をジマーマンという自称自警団の男が射殺し、無罪判決が出たばかりで、あの事件を思い出させられた。(「全米を揺るがせたジマーマン無罪判決の意味」詳しくはというニューズウィーク日本版の記事をどうぞ。

ヨーロッパ人のお供をしていたジャンゴには「アメリカ人なら知ってるぜ」と言わせて、そのアメリカ白人(トラッシュ)をぶち殺させる。

ミス・ララはただの農場主の娘にして現農場主の姉ではない。「雌馬」、つまり、性奴隷の鑑定ができ、「綺麗にしてやれる」ような女だ。いわゆる置屋の「おかあさん」どころではない。女衒である。女を食い物にする女にもきっちり罰を与える。

スティーブンソンは黒人奴隷であるにも関わらず、黒人奴隷を最も差別する存在だ。虎たるキャンディの威を借る狐というところだろうか。このスティーブンソンには最も辛辣な罰が与えられる。

ところで、タランティーノ、太った?

ジャンゴ 繋がれざる者 (字幕版)

ジャンゴ 繋がれざる者 (字幕版)

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