「ナチスが月から攻めてきた!?」2018年、アメリカ大統領命により月に送り込まれたワシントンは、無事に月面に上陸して後、何者かに拉致されてしまう!なんとそれは、第二次大戦以降、地球へ復讐を果たすべく月の裏側に第四帝国を築き、軍備を増強していたナチスだった!
2013年 Iron Sky
感想
べたべたなコメディだ。
ナチは茶化され、もう一方のアメリカも返す刀で茶化される。大統領はサラ・ペイリンそっくりだし。パウエルがどうの、とか、使う宇宙船はブッシュ号だし。国連もからかいの対象だ。クラウスが攻撃を始めると、「インド、お前か?」「ちがう!」「これはわれわれがやったのです。偉大なる首領さまが・・・」(By北朝鮮)「(爆笑)」など。
アメリカが宇宙船で攻撃をする、というと、オーストラリア、カナダ、など平和条約を無視して開発を続けていた各国の宇宙船も参戦する。ロシアはミールだ!唯一武器を持っていなかったのが、フィンランド、らしい。
もちろん、月面との戦いに勝ったと思えば、アメリカが我が物顔をする。そうすれば、国連は荒れる荒れる。
この映画は反独か
こういう映画を見るたびに思うのだ。
日本で製作できるだろうか。例えば、香港映画で月面から日本軍が攻めてくる、というものがあったとする。
そうすれば、ネトウヨどもは「反日映画」とレッテルをはり、日本では上映できないだろう。
けれど、この映画はドイツも製作に関わっている。クラウスはいかにもドイツ顔だし、ドイツ人、もしくはオーストリア人俳優ではないだろうか。
これが日本でできるだろうか。日本人俳優が参加することはあるだろう。けれど、製作国の中に日本が入ることはあるだろうか。おそらくない。
そもそも、この映画は反独映画だろうか。
もちろん、現代のヨーロッパでナチスを礼賛することは禁じられている。タブーなのではない。刑法犯になる。本作も反ナチス映画であることは事実だ。けれど、現代ドイツにたいして敵対しようとする映画ではない。
どうして日本では切り分けて考えられないのだろうか。もちろんこれは、中国や朝鮮半島にも言える。