「街舞社」に新しく入った部員の蕾蕾(郭書瑤)は、ストリートダンスに対して、とても優れた考えを持っていて、すぐにメンバーと打ち解ける。学校が経費の問題でクラブを排除しようとする中、部員たちはクラブを守ろうとして必死に練習を重ね、「全国高校生ダンス大会」に参加し実力を証明しようとしていた。そんな中、部長がけがをしてしまい、部員たちの士気が下がってしまう。しかし、蕾蕾は武術をストリートダンスに取り入れ、起死回生を狙うことに…。
2015年
感想
監督は、何平 楊大慶。
・・・オープニングに爺さんがカンフーを始めたところで嫌な予感がした。「狂舞派」?と思ったのだ。
ひどい。本作は本当にひどい。
ストーリーはほぼない。対立グループがいて、というのも「狂舞派」と同じなのだが、踊らざるを得ない人たちの物語なのに、対立グループとの関係もほぼ無視だ。描こうと思えばいくらでも描き込めたはずだ。まずは、蕾蕾の両親が分かれたことが蕾蕾にどう影響したのか。両親が海外に行き、祖父のところに残された小天のこと。行方不明だった小天の祖母の物語。強と対立グループの関係はどういうものだったのだろう。実は兄弟なのではないかと思うのだけど。
小青が「狂舞派」のナイチャそのままだったけれど、それ以外にない。朵朵と小青の友情シーンもあっても良かったのに。
カンフーはこのダンサーたちの何の役に立ったのだろう。それすらない。棒を振り回しただけじゃない?
膨らませることのできるパートはたくさんあって、全てを膨らませれば2時間の映画では収拾がつかない。どこか、おそらく強と対立グループの関係あたりをクローズアップさせればメリハリがついただろうに。
「謝謝⚪︎⚪︎」と蕾蕾が言い、スマホで撮影するシーンがあったのでこの子死ぬのかと思ったのに死なないし。
ただし、ダンスシーンだけはさすがに圧巻。しかし、シーンシーンのつなぎが悪い「グリー」でしかない。勝たなければダンスチームは解散だというのにその切迫感はない。変な大会で勝てなかった、というところだけは笑ったけれど。
台北で見たのだが、そこそこ高かったのだ。今のレートで320元なら、日本と大差ないじゃない。これは見て損をしたと思った作品だった。
そうそう。郭書瑤はダンスシーンでさすがに口は閉じているのだが、歯の噛み合わせが悪いのだろうか。口を閉じた「ホ」という感じの口元になっていたのが大変に気になった。