祖国復帰の喜びもつかの間、港町・基隆で酒屋を営む林阿祿の一家は、
大陸の中華民国から流入しタイワンを投じする。外省人の横暴に苦しめられていた。
四男で耳の聞こえない文清は、仲間の思想家たちと共に新しい台湾の姿を夢見つつ、
優しい看護婦の寛美とささやかな恋を育んでいたが……
1989年
感想
監督は侯孝賢。
舞台は、二二八事件前後の台湾。白色テロ(=政府による市民に対するテロ)時代。
九份だということになっているけれど、行ってもそんなに非情城市っぽさは感じない。
行き場がなくなり、山に行く大学生たちは、こんな山だったのかも。

妻のお兄さんたち共産党かぶれの学生たちが危険を避けて山にいくじゃない。こんな感じのところだったのかなって。ただ、この峰だったら隠れる所はないわよねえ。東屋を見ていただければわかるし、よくよくみたら人もおられるのでわかると思うのだけど、まともに木が生えてない。あれだけ、高温多湿なのに。
逃げようと思っても、行き先がなくなる悲劇。
語らず、淡々と物語が進んでいくだからこそ、ずっと悲惨なのである。薄味なのだが、古典。
これはDVDのレンタルがなくて、出たばかりのときに買った。(そして同じ値段で売った)