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高慢と偏見とゾンビ

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18世紀イギリス、謎のウィルスが蔓延、感染したものはゾンビとなって人々を襲っていた。
片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹は、裕福な人との結婚を夢見ながら得意のカンフーでゾンビと戦う日々を送っていた。
そんなある日、屋敷の隣に、大富豪の騎士ダーシーが引っ越してきた。
狂気乱舞する姉妹だったが、次女エリザベスは、初対面でみせた彼の高慢な態度に嫌悪感を抱いていた。
だが、人類とゾンビの最終戦争が勃発し、共に戦うことになった二人は、互いの偏見に徐々に気づきはじめ、そして―。

2016年

感想

監督は、バー・スティアーズ。

どこまでも「高慢と偏見」。
そしてどこまでもゾンビ。
現代的価値観では受け入れがたいところのある「高慢と偏見」の価値観をゾンビがいることによって受け入れられるものにしてしまったその手腕。見事としか言いようがない。

劇場まで大遠征だったが、大満足で帰ってきた。

ベネット家(姉妹のみなので財産を相続できない)の相続人のかるーい牧師役のマット・スミスが大変気持ち悪くてこれも良い。

ベネット家の姉妹たちの、パーティーへ行く準備の様子のなまめかしさったら!ペチコートをの下の露わな太ももにナイフを装着するのだけど、このなまめかしさが大変健康的なのである。最大の見せ場がこれだったら大変困ったのだけど、そんなことはない。

がっかりかな?と思ったのはダーシーのサム・ライリーが好みではないところだろうか。ハスキーな声も好みではない。

しかし。日本刀(この世界ではお金持ちは日本に留学し、身をとるなら中国に留学するのが流行っていて、学ぶのは武道)を振り回してゾンビと戦うサム・ライリーは大変よろしいのだ。

ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は好きなのだが、ダーシーが好みではない。エリザベスが好きだ。むしろ、「高慢と偏見」の進化版「エマ」のナイトリーの方が好きで、エマ本人は大嫌い。つまり、オースティンの登場人物ならエリザベスとナイトリーが好きなのだ。

原作の気難し屋ダーシーの1度目のプロポーズなんて最悪だ。がっかりプロポーズの極みである。エリザベスの知性に惚れ込んだダーシーだったのだが、そういう相手にそのセリフはないだろう。しかもダーシーのキャラクターのやり方ではない。キャラクターがここで破綻してしまうのだ。

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しかし、同じセリフでも、ゾンビハンターでお行儀は良いが無骨なダーシー大佐が、文武両道のエリザベスにどうしようもなく惚れ込んでしまって、のセリフであれば話が変わる。彼自身は家格と育ちを重視するけれど、好みは戦える女だ。嫌だと言い張り武術を用いてブン殴ろうとするエリザベスがダーシーのボタンを飛ばしてしまい、ダーシーもエリザベスのボタンを飛ばしてしまう。そのシーンの「・・・まずい」という二人の顔の奥ゆかしさと、セクシーさ!ダーシー、引き下がりはするけれど、絶対エリザベスを手に入れてやると決意したに違いない。

レディ・キャサリンが伝説の女戦士で高圧的にエリザベスに「私のお気に入りの甥と結婚するつもり?あれは私の娘と結婚させるつもりなのよ」とやるのだが、原作の通りであれば単に不快だ。しかし、キャサリンのお付きの戦士をエリザベスが建物の下敷きにして倒して、キャサリンが認めると一気に好感度を持つ。

現代的な価値観ではほぼ誘拐されるようにして駆け落ちしたリディアをそのままウィカムと結婚させるという原作の設定は受け入れられるものではない。だがしかし食わせ者ウィカムをゾンビにしてしまい、命がけのリディア奪還作戦にするなら良いではないか。だからこそ、最後の爆破を逃れたが倒れてしまうダーシーに「あなたが好きだ。初めて会ったときから好きだった」とエリザベスが涙ながらに話しかけるのが大変良いのだ。

2016年はあまり見ていないのだが(中国ドラマばかり見ていた)、これは見た中では「危城」と本作、甲乙つけがたい。

高慢と偏見とゾンビ

高慢と偏見とゾンビ

リリー・ジェームズ, サム・ライリー, ジャック・ヒューストン, べラ・ヒースコート, ダグラス・ブース, マット・スミス, チャールズ・ダンス, レナ・ヘディ
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配信でいいので、ぜひ。私と感性が合うなら、気にいると思う。

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