スター・ウォーズ/フォースの覚醒
フォースを巡る新たなる伝説が幕を開ける。砂漠の惑星で家族を待ち続けている孤独な女性レイは、謎のドロイドBB-8とストームトルーパーの脱走兵フィンと出会い運命が一変する。一方、十字型のライトセーバーを操るカイロ・レンに率いられた帝国軍の残党であるファースト・オーダーは、消えたとされる最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの行方を追っていた。銀河に新たな脅威が迫る中、レイたちはハン・ソロとチューバッカに出会う。
STAR WARS: THE FORCE AWAKENS 2015年
感想
エピソード7。
ルーカスがディズニーに版権を売ってからの作品。
監督はJ・J・エイブラムス。
あ、はい。
ジョージ・ルーカスの手から離れ、ディズニー参加で監督はJJエイブラムス。
レイとルークは全く重なるし、カイロ・レン(ハン・ソロとレイア姫の息子)はダース・ベイダーとなった祖父アナキンに重なる。
ハン・ソロを殺してしまうカイロは、かつてのルークそっくりだ。
そこらかしこに、ジョージ・ルーカスのスターウォーズがちりばめられている。物語としても破綻はないし、「あの」世界の物語だ。しかし、「うまい二次創作」にすぎない。
ハン・ソロなのだから、どこかでさっさと野たれ死んでいたって変ではないのに、ファン・サービスで出てくるし、レイを導く。
エピソード4からのルークの物語は少年による父殺しである。エピソード1からのアナキンの物語はいたいけな幼児とその恋。師匠(=父)を超えたくて、妻を救いたくて、そして殺されるべき「父」になってしまう悲劇だ。
レイの物語はどうなるのだろうか。
もちろん、主人公が女の子(私の好物の戦う女の子!!!)で、そこにミソジニーがないのは大変好感の持てる物語だ。「マッドマックス・怒りのデスロード」のフュリオサの後のキャラクターなんだとよく分かる。
BB8がかわいくてかわいくて仕方がないのだが、それ以外に何かあるかと言われるとない。8、9と続くのだ、これは導入である我慢してくれと言われても2時間で結果がだせなかったら仕方がないのではないか。
スター・ウォーズ/最後のジェダイ
伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカー。彼の出現は銀河に何をもたらすのか?そして、フォースを覚醒させたレイとダース・ベイダーを継ごうとするカイロ・レンは、光と闇のせめぎ合いの中で決戦の時を迎える。銀河の支配をもくろむ組織ファースト・オーダーと、それに立ち向かうレジスタンス。両軍を率いるスノークとレイア。それぞれの運命に立ち向かいながら、銀河を舞台にした壮絶なバトルがいよいよ始まる! そして、ジェダイは受け継がれるのか…。
Star Wars: The Last Jedi 2017年
感想
監督はライアン・ジョンソン。
ようやく行ってきた。
エピソード7が悪い意味で「スターウォーズ」で、いわばAIが解析して作ったようなスターウォーズ だったのだが、本作は良い意味で「スターウォーズ」であって「スターウォーズ」ではなかったのが大変よかった。旧三部作でも、二作目のエピソード5はエピソード4が懲悪ものだったのから随分と雰囲気が異なり、新三部作のエピソード2は全作の中で唯一のメロドラマ。そういえば、二番目はいつも変わった作品だった。
エピソード7のJJエイブラハムであれば、エピソード5とほぼ同じ展開できただろうに、ライアン・ジョンソンはそうしなかった。エイブラハムは80点狙いなのだけど、ジョンソンは100点超えを狙うんだなな。興業的に手堅いのはエイブラハム。しかし、ファンとしてはジョンソンの賭けに乗ってみたディズニーの気持ちよさを評価したい。(まあ、前作色々言われたものね)
乗っていた船の、それも自分の乗っている部分が破壊されて宇宙に投げ出されたレイア・オーガナ将軍(レイア姫)が、船に戻るのは、力学に反しているのでフォースを使ったのだと思うのだが、どうなのだろうか。フォースならば全作を通じて唯一のレイア姫のフォースを使うシーンだろうか。
エピソード7が父(ハン・ソロ)と子(カイロ・レン)ならば、本作は母(レイア姫)と子でもあった。そしてレイの出生。エピソード7が、というか、新三部作ののちに見ると、旧三部作ですら「スカイウォーカーの血」の物語であり、英雄の血脈が貴ばれる世界だった。
しかし、アナキン本人は?父のいない子である。もちろんカイロの発言をそのまま受け取っていいのかわからないけれども、レイの両親も名のない人たちである。血の物語はカイロで続くが、レイの三部作として組み立て直すならば、血の物語は否定される。
そしてルーク。英雄ルークは父と異なり、暗黒面には落ちない。落ちないはずのルークがカイロを恐れてカイロを殺そうとした。それがきっかけでカイロが寺院を破壊した。カイロがスノークに誘惑されたのが先なのか。ルークがカイロを恐れたのが先だったのか。
エピソード7が白人の女の子と黒人の男の子の物語ならば、今回はアジア系の女の子が活躍する物語だった。英雄のはずのポーの行動は、敵を多少叩くことはできても、もはや味方が減っている反乱軍にとっては仲間と資材を失う結果でしかなかった。そして死んでいくペイジ。残されたローズはポーを責めない。ポーはあくまでも英雄なのだ。レイアもホルドもポーの才能は認めても、その行為を褒めるわけにはいかない。今後、ポーのような行動を色々な人に取られると困るのだ。
ローズとフィンのなかなか実らない努力。反乱軍の中でも、どんな努力は山のようにあり、それは現実世界に通じる。努力なんて実らないし、実らなくてもやらざるを得ないこともある。
前作でハン・ソロが死に。今回ルークも死に。古くからの物語で残ったのはレイア一人なのだが、キャリー・フィッシャーは死んだ。さらば、我らがレイア姫。
霊体としてルークを導いたヨーダはルークの前に再度現れる。しかし、レイの前には?
スノークを倒し、ファースト・オーダーの指導者となったカイロ。カイロと念力で通じることができても袂をわかつレイ。この二人はどうなるのだろうか。フィンはフィンで、レイよりもローズに惹かれているのでは?誰も誰かとくっつかなくていい。
それにしても、BB-8が可愛い可愛い可愛い。
あと、デイジー・リドリーの筋肉がすごくいい。
首の長いホルドに見覚えがあると思ったら、ローラ・ダーン!これにはびっくりしたねえ。