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サイレント・ウォー

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1950年代初頭。中国共産党の地下組織「701部隊」が国民党の無線信号を監視するなか、傍受不能に陥った。対策を講じるため女スパイの張がスカウトしたのは盲目の男・何兵だった。彼は超人的な聴力でモールス信号を聴き分け、国民党の新たな通信チャンネルを突き止めることに成功。互いの信頼感を高めた張と何兵は、さらに過酷な諜報戦に巻き込まれていく──。

2012年 原題:聴風者

感想

香港映画と中国映画の良い意味の和合。
中国で作った香港映画の中では一、二を争う出来だ。

ひとえにジョウ・シュンという女優によるものだ。
美人かと言われればそうでもない。同世代なら外国人好みのチャン・ツィイー、中国好みのヴィッキー・チャオの方が美人だ。少し年齢が下がっても、ガオ・ユアンユアンの方が人目を引く。ただ、演技力では一番だ。

一昔前によくやっていたカマトトよりも、最近の何かを吹っ切ったような演技がすごく好きだ。クール・ビューティーというよりもむしろ血圧の低そうな人の中の芯の強さのような演技が良い。

何に命をかけるのか。ここでは共産党の革命。
40年代の共産党だが、ジョウ・シュンの衣装は地味目だがバリエーションに富む。

そもそも、実利的、もしくはさもしい中国人に共産主義は合わないだろうと思う。

なぜか、49年の共産党が舞台なのに、使用言語は広東語だ。トニー・レオンは本人の声だが、ジョウ・シュンもだろうか。いつもの低音だったような気がするが、ジョウ・シュンの広東語は聞き慣れないせいかあまり魅力的に響かない。ウォン・カーワイのように、本人の母語をしゃべらせた方が良いと思うのだが。広東語をしゃべる何兵は広東省の出ということで。

さすがはアラン・マック、フェリックス・チョンだけある。感傷のない世界。
感傷がないのは音楽があまりないからだろうか。それとも、感情を表に出す表現をしなかったジョウ・シュンのおかげだろうか。

諜報活動で電信を聞き取るシーンで打ち手を出して「聞こえる」「聞こえない」を表現するのが見事だった。

学寧と局長と何兵、何兵と学寧と沈静。三角関係が二つあったのだが、何兵と学寧の信頼関係、学寧と沈静の友情、学寧と局長の不器用で内気な愛情。波乱のない、安定した緊張関係が心地よかった。誰とも寝ない学寧、一人だけ死んでいく学寧。なぜかスパイものって無駄にベッドシーンがあることが多いけれど、それがないのが実に良い。

サイレント・ウォー

サイレント・ウォー

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