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しあわせの雨傘

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スザンヌ・ピュジョルは、朝のジョギングを日課とする幸せなブルジョワ主婦。夫のロベールは雨傘工場の経営者で、「妻は美しく着飾って夫の言うことを聞いていればいい」という完全な亭主関白だ。ところがある日、ロベールが倒れ、なんとスザンヌが工場を運営することに。ブルジョワ主婦ならではの感性で、傾きかけていた工場は大盛況!だが、新しい人生を満喫する彼女のもとに、退院した夫が帰ってきた・・・・・・。

Potiche 2010年

感想

監督はフランソワ・オゾン。

からりと乾いたコメディ。フランスはこういうのを撮影させるとぴか一。監督は私の大好きなオゾンだし。

カトリーヌ・ドヌーヴは可愛らしいおばあさんだ。とはいっても、ミス・マープルのようなおばあさんを連想してはいけない。キュートなおばあさんだ。若かりし頃は散々浮き名を流し、実は若かりし頃の市議ともあったのだ。そういうおばあさん。今はジャージで朝のランニングが日課らしい。

市議役がジェラール・ドバルデュー。近代版「シラノ・ド・ベルジュラック」といった感じの純情なおじいさんだ。夫人との一度限りの逢瀬を引きずってしまったような、そんな人だ。社長と市議が夫人に振り回される、そんな映画でもある。

社長は頭の固いごりごりの保守層だ。男尊女卑でサルコジ前大統領の問題発言を練り込んでいるらしく、社会的風刺が効いている、らしい。

息子はとてもおしゃれさん。なんとなくいわゆるゲイっぽくて、なんとなくオゾン自身を反映させているのではないかと思う、そんな人だ。この息子の出生を巡って市議と社長が右往左往する。アジア映画だったらここで夫の恨みが、とか退屈な展開がありそうなんだけれど、ここはフランス。妻に息子は市議の子かも、と言った夫は驚き、市議は喜ぶ。けれど、夫人は市議には「テニス教師の子かもね」と言って市議を怒らせて二人の中は決定的に断絶してしまうのだ。それでも、夫人は一向に気にしない。最後に社長も「息子」として扱う。おそらく、本当に社長の息子で、夫人が振り回して遊んだだけなのだ。

娘役はこの女優さんはどこかで見たことあるんだけどな、という感じのフランス女優さん。母親を裏切るのだが、おそらくやっぱりアジア映画では母と娘の憎悪が、とか展開できそうなのだが、オゾンはそんなださいことはしない。裏切っても、親子関係は続いていくところがリアルだった。

なんだかんだ言って、オゾンのコメディは楽しい映画なのだ。

しあわせの雨傘 (字幕版)

しあわせの雨傘 (字幕版)

カトリーヌ・ドヌーヴ, ジェラール・ドパルデュー, ファブリス・ルキーニ
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