私の命はオーダーメイド。姉を救うために生まれた。でも今、私はその運命に逆らって、大好きな姉の命を奪おうとしている―。ケイトに生きて欲しい―その想いは、家族みんな同じだと疑わなかった母・サラは、ある日、信じられない知らせを受ける。「もう姉のために手術を受けるのは嫌。自分の体は、自分で守りたい。」と、アナが両親を訴えたのだ。病気と闘いながらも幸せだった家族に訪れた、突然の出来事。いったい何故、アナは大好きな姉を救うことをやめる決意をしたのか?そのアナの決断の裏には、驚くべき真実が隠されていた―。
My Sister’s Keeper 2009年
感想
監督はニック・カサヴェテス。
不覚にも泣いてしまった。
キャメロン・ディアスの鬼気迫る演技。こんなに上手い人だったんだ。頭がからっぽの美女役ばかりしてきたのが本当にもったいない。
この母のアナに対する行いは虐待そのものだと思うのだが。どうしてそちらを攻めないのかが理解できなかった。「子供は自分の体を誰かに提供するか否かを決めることができるか」ではなくて、虐待で攻めるのがアメリカっぽいと思うのだが。なお、アナの提起した裁判は民事。虐待になると刑事だ。辣腕弁護士ならアナの身柄を確保するために虐待でも攻めそうなのだけど。
人数は多いのだが、兄と叔母以外はそれなりに人物描写ができている。
娘を生かすと心に決めた母。その母を支える父。
放られた兄。生きることが苦痛になってきたケイト。そのケイトの世話を押し付けられているけれどケイトを愛するアナ。
てんかんもちの弁護士。娘を事故で亡くした裁判官。
原作ではアナが事故死してケイトが生きるらしいが、ケイトが亡くなるこのエンディングは救いがないのだがリアルである。この人物描写、演技力のある俳優の多さ、そしてリアルなストーリーテリング、これがアメリカ映画の底力なのだ。