ロビン・フッド

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弓の名手ロビン・ロングストライドは、瀕死の騎士ロバート・ロクスリーの遺言を果たすため、ノッティンガムへ向かう。そこでは、彼の新たな人生が待ち受けていた…。

Robin Hood 2010年

感想

監督はリドリー・スコット。

鎖帷子って一人で脱ぎ着できないんだ!

それ以外にない。

ね、あらすじを見たら面白そうでしょ。

ロビン・フッドにアリエノール・ドゥ・アキテーヌ、マグナ・カルタだの、ネタは盛り沢山だ。しかし、つまらない。

大味なラッセル・クロウに、ケイト・ブランシェットがちっともうまくないんだもの。何をしてるんだ、ケイト・ブランシェット。下品な「エリザベス」はなんだかんだ良かった。「ガラドリエル」も良い。ベストは「コーヒー&シガレッツ」の「ケイト・ブランシェットとその従姉妹」だろうけど。

そして設定そのものに問題が山積。

おそらくプランタジネット家にもアリエノールにも「イングランドを守れ」という意識はほとんどなく、興味はフランス国内のアンジュー&アキテーヌにあった。そもそも、「イングランド」と「フランス」がきれいに分かれるのは百年戦争後だ。この時代、「イングランド」は(ほぼ)地名にすぎない。百年戦争とはジョンが父祖の地アンジューと母の領地アキテーヌを失った後の物語。百年戦争がフランスを荒廃させ、ジャンヌ・ダルクが、と話が続くように、戦いの場はフランスであって、イングランドではない。

しかも、フランス王はフィリップはそもそもイングランドに軍を進めるのか。当時イングランドは(ほぼ)未開の地扱いだ。プランタジネット家はフランス領内アンジューに領地を持つ。しかも、一度はフランス王に嫁いだアキテーヌのアリエノールが離婚後意趣返しのようにイングランド王妃になり、アキテーヌまでイングランドに属する。これを排しようとするだけだ。アリエノールがフランス王の姪に「イングランドのために」と言うセリフがあるが、アリエノール自身にそのようなナショナリズム的意識はそもそもない。あるとするならば、アキテーヌであってイングランドではない。

なお、リチャード、ジョン、アリエノール、イザベラはフランス語で喋るはずだ。宮廷言語はフランス語である。そもそも現代のような英語は成立していない。マーシャル・ウォルター・マリアンまでは土着の英語と公式言語であるフランス語の二重話者だろう。孤児設定のロビンが字を読めるという設定も訝しい。従軍中にフランス語を身につけたとしても、人前で喋ればお里が知れるのではないかと思うのだが。

そういう細かいところが大変気になる。

そうではなくて、シンプルにジョンの失政と義賊ロビンとその愛人マリアンの物語で良かったと思うのだ。視点を高くしてしまったがために、大失敗するという好例だ。

2010年ころのイギリス政治を思い出してみよう。
当初そこそこ人気のあった労働党の首相トニー・ブレアはアメリカに引きずられるようにイラク戦争に出兵する。景気は拡大するが、イギリス国内ではテロが起きるようになってしまう。ブレアは2007年に退陣し、財務大臣だったゴードン・ブラウンが首相になる。これが目立たない人で、リーマンショック後の景気後退局面で2010年の総選挙で敗北を喫し、保守党のキャメロンが首相になる。

ほう。ブレアのイラク戦争がリチャードの十字軍、英国経済の後退がジョンの悪政、そういうことですか。

あー、つまらねー。

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