ミックマック

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ある日発砲事件に巻き込まれ、頭にピストルの弾が残ったままのバジル。すべてを亡くした彼の前に現れたのはとてもユニークな仲間だった。そして、バジルと仲間たちは、バジルを撃った弾を製造する悪徳企業へ仕返しをすることに・・・。

Micmacs à tire-larigot 2009年

感想

監督はジャン=ピエール・ジュネ。

「ミックマック」というのはどうも、「ノンストップ」ということらしい。決してミックもマックも出てこないのだ。ちょっとタイトルが悪い。このミックマックというタイトルは英語でのタイトルでもあるようだが。日本では意味が通じない。

ホームレス仲間は実にユニークで、これも一種「七人の侍」ものでもあるのだが、「セブンソード」と比べると遥かにキャラクター分けができている。リーダー役はうさんくさい自称元受刑者。母親的存在がいて、機械いじりの得意な小男は発明アーティスト。裁縫師とその娘で目の中に測りのある計算機。人間大砲に、黒人の元民俗学者。冷蔵庫の野菜室には軟体女がいる。この軟体女がバジルの相手役でもある。バジルが仕事も家も失ったときに地下鉄で歌を歌う女の真似をするのだが、そのときの歌が「ゴムまりのような女の子」。この歌は有名な歌なのだろうか。不勉強なのでわからない。この歌で出会う前からヒロインが示される。

ストーリーはとてもリズミカルに進んでいく。ただ、バジルがスマートさに欠けるキャラクターなので、どたばたとしていて、このどたばたさが笑えるのだが、あまりヒットしない理由でもあると思った。どたばたがちょっと上手くいかず、せっかくのリズミカルな映画のテンポを乱してもいるが、そこはキャラクター設定とのトレードオフだろう。バジルが銃弾を受けるシーンからして笑えるし、爆破シーンも笑える。気に入ったのは、この爆破シーンでおっさんのカツラがとばされていくシーンだった。終盤に入って、バジルの仕業だということがばれるのだが、そこで武器商人二人に「誰に頼まれた?」と聞かれて、バジルが「あの、フリーでやってます」という台詞で大爆笑してしまった。

復讐といっても、アジアではできそうにない復讐譚だ。香港は死なせるだろうし、韓国はなんか出生の秘密が出そうだ。日本ではつもり映画(おしゃれなつもり、泣かせるつもり、感動作なつもり)にされてしまいそうだ。爆破でも死者は出なかったし、死者はアフリカの元独裁者の部下たちだけだ。最後の復讐も、二人の告白を撮影して「騙された武器商人」というタイトルでYouTubeに流し、その結果会社が潰れてしまう、という今風のものだ。

ターゲットが武器商人、復讐するのは一種の社会からはじき出されてしまった人たち、というわけで極めて社会派な映画でもある。蟻の一擲というやつだ。

きれいな絵、満載な小ネタと復讐譚となると、「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」を連想するが、こちらの方ができが上だ。主演のダニー・ブーンはアダム・サンドラーによく似ている。しかし、アダム・サンドラーものと比べるとはるかに知的な映画だ。

ミックマック (字幕版)

ミックマック (字幕版)

ダニー・ブーン, アンドレ・デュソリエ, オマール・シー, ドミニク・ピノン, ジュリー・フェリエ
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